インタビュー

呂布と貂蝉はどのように演じられたのか、「三国志 Three Kingdoms」で演じたピーター・ホーとチェン・ハオのインタビュー


壮大な規模で製作された中国ドラマ「三国志 Three Kingdoms」が10月27日からレンタル開始となりました。12月にはDVD-BOX(前編)の発売も行われます。今回は、このドラマの中で、三国志最強の武将との呼び声高い呂布を演じたピーター・ホーさんと、中国四大美女の1人であり呂布の思い人でもある貂蝉を演じたチェン・ハオさんのインタビューをお届けします。

どちらも人気の高い武将・女性ですが、彼らはどのようにこの役を演じたのでしょうか。詳細は以下から。
Q:
まずはピーター・ホーさんにお伺いします。脚本を読んだ時の呂布に対する印象はどうでしたか?

ピーター・ホー(以下、ホー):
呂布というと領土のために戦う姿ばかりがフォーカスされがちですが、今回の呂布にとっては貂蝉への愛がすべてです。乱世の中での呂布と貂蝉の純愛は得難いものだと思いました。呂布のような大将軍は多くの美女と出会っているはずですが、美しさだけでなく、貂蝉の心や性格、賢明さに呂布は惹き付けられたんだと思います


Q:
どのように役作りしていきましたか?

ホー:
資料や本をたくさん読んで「三国志」の専門家の方にも話をうかがいました。これまでとは違う呂布のイメージにしたかったので、なぜ呂布は忠義の心を持っていないのか、専門家の方に質問しながら相談していきました。そして、人の意見にすぐ左右され、決定を覆してしまう、単純な性格の持ち主という設定にしました。

Q:
ドラマの中で演じられた劉備、関羽、張飛との1対3の戦いはすごい迫力でした。この撮影のために特別なトレーニングを積まれたのでしょうか?

ホー:
呂布には方天戟(ほうてんげき)という有名な武器があるので、撮影前にその特訓を受けました。馬の上で扱うのには苦労しましたね。バランスをとらないといけないし、間違って馬に当ててしまったら馬が暴れてしまいますから。1対3で戦うのはすごく神経を使うので、他のシーンの倍以上疲れました。

Q:
「三国志」の中で好きなエピソードはなんですか?

ホー:
呂布が貂蝉と死に別れるシーン、趙雲が劉備の子供を助けに行く長坂の戦い、そしてやっぱり赤壁の戦いですね。「三国志」は男たちの国取り合戦がメインに描かれていますが、呂布と貂蝉の別れのシーンでは、男の心の弱い部分が描かれています。愛する女性に弱さを見せる、とても感動的なシーンだと思います

Q:
呂布以外に演じてみたいと思った登場人物はいましたか?

ホー:
曹操はすごく興味深い人物だと思います。我慢する時は我慢し、野心をむき出しにする時はとことん野心的になる。理想を実現するためには多少の汚いことでもやる人間ですが、信念を貫く強さを持っています。俳優は、そういう複雑さを持った人物をやってみたいと思うものなんですよ。

Q:
この「三国志 Three Kingdoms」は25億円もの製作費が費やされ、高視聴率を記録した作品です。中国ドラマの活況の理由はどこにあると思いますか?

ホー:
人口の多さがパワーになっていると思います。今は多くの富裕層が生まれていて、彼らはお金だけでなく影響力を欲しているからメディアに投資するんです。視聴者や観客の数も多いですし、ドラマを作ったら、それを複数のテレビ局に売ります。そうするとすぐに製作費も回収できるんです。

Q:
これまでに日本の作品に出演されたこともありますが、今後も海外進出は考えていますか?

ホー:
日本のマネージメント会社がいつも日本の映画会社やテレビ局との交渉をしてくれています。英語圏の作品に出ようと思ったことはないですけど、日本の作品にはまた機会があれば出たいですね。アジアにはチャンスが多いので、これからもアジアでがんばっていきたいです。


Q:
続いては、チェン・ハオさんへのご質問です。ハオさんが貂蝉役に決定したいきさつと、演じてみての感想を教えて下さい。


チェン・ハオ(以下、ハオ):
高希希(ガオ・シーシー)監督から直接オファーをいただきました。お話をいただいた時は、素直にうれしかったです。今までと違い、本作の貂蝉は情感豊かで人間らしく知恵のある賢い女性として描かれていると思います。貂蝉は中国四大美女の1人とされていて、見ている人が皆それぞれの貂蝉像を持っていると思うので、演じるときはプレッシャーも感じました。勇敢な女性として、自分なりの貂蝉を演じられたと思います。

Q:
貂蝉を演じるうえでの役作り、心がけた点などはありますか?

ハオ:
侍女から頭角を現して董卓を誘惑するようになるまでの過程で、初めはすっぴんに近くて素朴な感じなのですが、だんだんと化粧も濃くなり、男性を誘惑していくようになるというのは、設定から監督ともお話をしました。また作品の中で披露している踊りと歌の稽古をして、漢の時代の礼儀や所作を表現できるように心がけました。

Q:
「三国志」は中国以外の国でも人気のある物語ですが、その普遍性はどういったところにあると思いますか?

ハオ:
「三国志」には現代に置き換えても通用するエピソードがたくさんあると思います。兵法とか道理とか、政治やビジネスの世界に置き換えても通じるというところから、時代や国を超えて支持され続けているのだと思います。

Q:
ご自身で演じられた役以外に好きな「三国志」の武将はいますか?そして、その理由は何ですか?

ハオ:
諸葛孔明ですね。知略がすごく、賢い男性は好みでもあります(笑)。今回貂蝉の相手役だった呂布はいわゆる肉食系のパワフルな武将なので、呂布と諸葛孔明の良いところを足して割ったような人がいたら理想ですね!

Q:
ご自身が「三国志」の中で好きなエピソードはありますか?

ハオ:
(貂蝉が董卓と呂布の仲を裂いた)「連環の計」ですね。心理的にドキドキする駆け引きがあり、緊迫感がたまりません!


ホーさんが演じた呂布は三国志に登場する武将の中でも特に強い武将として名を挙げられる武将であり、貂蝉は当時専横を極めていた董卓とその養子として他の人間から董卓を守っていた呂布との仲を裂いた女性。いずれも物語序盤のキーキャラクターです。

方天戟を手に馬を駆る呂布。


貂蝉。


この剣舞はいったいどこで披露されるものなのでしょうか。


これまでのドラマを遙かに上回る規模で制作されたドラマ「三国志 Three Kingdoms」は、10月27日からDVDのレンタルがスタート。12月10日には前編のDVD-BOXが発売されます。かなりの大作なので一度何らかの機会に見ておくのもよいのではないでしょうか。

©中国伝媒大学電視制作中心、北京東方恒和影視文化有限公司

「三国志」前篇
第1部 群雄割拠 第1巻~第9巻 10月27日~レンタル開始
第2部 中原逐鹿 第10巻~第16巻 11月10日~レンタル開始
第3部 赤壁大戦 第17巻~第21巻 11月26日~レンタル開始
限定2万セットのDVD-BOX 12月10日リリース 税込5万2500円

「三国志」後篇
第22巻~第48巻(完結) 2011年 陽春リリース予定

各巻2話収録、全48巻(全95話)
2010年/中国/1話約45分/全95話/カラー
発売元:エスピーオー/ワコー/フジテレビ
販売元:エスピーオー
http://www.sangokushi-tv.com

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in インタビュー, Posted by logc_nt

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