【訃報】フラクタルの父ブノワ・マンデルブロ、85歳で逝去
海岸線やカリフラワー、人間の腸の内壁から「スター・ウォーズ」のデス・スターまでに共通する、「図形の部分を拡大すると、全体と相似する形を見つけられる」というフラクタル構造。
そのフラクタルという概念の生みの親で、名付け親でもある数学者ブノワ・マンデルブロが、先日85歳で亡くなったそうです。
詳細は以下から。Father of fractals dies at 85 - Science, News - The Independent
ポーランド生まれのユダヤ人で、フランスで教育を受けたマンデルブロは1958年にアメリカへ移住し、フランスとアメリカの二重国籍を持っていました。1987年からイェール大学数学科で教べんをとり、2005年から同大学の名誉教授となっていたマンデルブロは最近まで精力的に講演などを行っていたのですが、膵癌を患っていて、2010年10月14日にマサチューセッツ州ケンブリッジのホスピスで亡くなったそうです。享年85歳でした。
マンデルブロは1977年に「Fractals: Form, Chance and Dimension」、1982年に「The Fractal Geometry of Nature」というどちらも非常に影響力の大きい論文を発表し、「一見ランダムに見えるが、拡大すると同じ形を繰り返すパターンが見られる図形」というフラクタルの概念を導入しました。
フラクタルの例。
「カリフラワーの房花の一つをカットすると、カリフラワー全体を小さくしたような形を見ることができます」とマンデルブロは今年はじめに行われた講演で説明しています。「それをさらにカットすると、切っても切っても小さなカリフラワーがあらわれます。世界にはこのような独特な性質をもつ図形、全体と同じ形で小さくしたような部分から成る図形が存在するのです」
このフラクタルの概念は海岸線や山などの測量に使われるほか、アートやデザインの分野でも応用され、映画「スタートレックII カーンの逆襲」の惑星の地形や、「スター・ウォーズ」の宇宙要塞デス・スターのデザインにもフラクタルが使われているとのことです。
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