モンブランの頂上でサウナ、これぞフィンランド魂
日本人として一度は「富士山の上でおにぎりを」食べてみたい、と思ったことがある人も多いかもしれませんが、フィンランド人にとってのそれは、「モンブランの上でサウナ風呂」だったようです。
といっても、「ヨーロッパの屋根」と呼ばれるモンブランはフィンランドにはなく、イタリアとフランスの国境にあるのですが、数々の苦難を経て標高4800mの山頂へたどり着き、氷河に反射する光を浴び最高の気分の時、「いま一番何をしたいか」と問われれば「サウナに入りたい」と答える、それがフィンランド人というもの。それを実現してしまった4人の若者がいるそうです。
サウナ発祥の地と言われ、サウナが男のプライドを賭けた死闘の場となることもあるフィンランドですが、遠路はるばる重い装備をものともせず特注のサウナを担いでモンブランに登る、というかそもそも山頂でサウナに入ってみたいという願望を実現するためだけにモンブランに登る、というサウナ愛を見せつける若者たちの姿に、熱いフィンランド魂を見ました。
詳細は以下から。Semi-naked Finns take a sauna on Mont Blanc summit, the rooftop of Europe - Telegraph
フィンランドといえば、「ノキア・Linux・サウナ」「イッタラ・マリメッコ・サウナ」「シベリウス・シモヘイヘ・サウナ」「カウリスマキ・ムーミン・サウナ」というように、どんな文脈であってもフィンランドを語る際避けて通れないのがサウナであります。
サウナ発祥の地フィンランドには、人口の4人に1個サウナがある、つまり1世帯1個レベルでサウナが普及していると言われ、サウナと育ち、サウナと生きる人々が暮らしています。
4人のフィンランド人の若者は、2010年8月21日、氷点下の寒さに耐えモンブラン登頂に挑みました。
日没前にサウナを設置するため、夜明け前にベースキャンプを出発したそうです。
サウナの熱源は高地用の特殊な薪(まき)オーブンとのこと。
絶景の中に立つサウナ。中に入るとこの絶景は見られないわけですが、日本人が雪の中の露天風呂や山腹の絶景を望む展望風呂を気持ちよいと思う感覚に近いのかもしれません。
初めてオーロラを見たとき、初めて自転車に乗れたとき、初めて恋に破れたとき……人生のあらゆる節目において、そこにはいつもサウナがあった。そんなフィンランド人にとって、モンブラン登頂という一生の思い出となるような場面でサウナに入りたいと思うのは当然なのかもしれません。
氷点下の山頂では当然ダウンジャケットなどを着込んでいますが……
熱々のサウナから出たときには雪で体を冷やすのが実に気持ちよかったとのこと。フィンランドでは家の外にサウナ小屋を設置している家庭も多いため、熱々のサウナで暖まったあと雪で体を冷やすというのは、ごく一般的な冬のサウナの楽しみ方のようです。
サウナ設置の様子などを収めた動画は以下から。
Sauna @ Mont Blanc on Vimeo
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