食うか食われるか、ヒョウがワニを捕食する瞬間を初めてカメラがとらえた
どちらも肉食のヒョウとクロコダイルですが、対決した場合にはどちらが強いのでしょうか?俊敏さではヒョウに分がありそうですが、ヒョウの体長が最大で190cm、体重が70kg程度なのに対し、クロコダイルは大型の種だと全長6m、体重1200kgにまで育つこともあり、体格ではクロコダイルに分があるようです。また、クロコダイルの体表が硬いウロコに覆われているのに対し、柔らかな毛皮に覆われたヒョウは、クロコダイルの強いアゴでかみ砕かれたらひとたまりもないように思えます。
実際に、生息域が重なる地域では、クロコダイルがヒョウを捕食する姿はこれまでに何度も観察されたことがありますが、逆は一度も目撃例がなかったそうです。
南アフリカの動物保護区で、専門家も信じられないというヒョウがクロコダイルを捕食する姿が初めてカメラに収められました。
詳細は以下から。Leopard savaging a crocodile caught on camera - Telegraph
一連の写真は南アフリカのKruger National Parkで、アメリカ人の野生動物写真家Hal Brindley氏により撮影されました。車の中からカバの群れを撮影する予定だったBrindley氏の前に、茂みの中から突然ヒョウが飛び出し、近くで泳いでいたクロコダイルを攻撃し、水から引きずり上げたそうです。
地上に引きずり上げたクロコダイルの首に飛びつくヒョウ。
首にかみつき、押さえ込みにかかります。
クロコダイルは首を振り上げ、必死で逃れようともがきますが……
首を押さえ込まれては、クロコダイルの強いアゴも役に立たないようです。
このクロコダイルはやや小型のようですが、生息地からおそらくナイルワニなのではないかと思われます。ナイルワニは最大で全長6mになり、時にはウシのような大型の家畜や人間を捕食することもあるという、は虫類界最強の種の一つです。
ヒョウとワニの死闘はおよそ5分間続いたとのことですが、最初に奇襲をかけたヒョウが常に上手をとっていたようです。
仕留めたワニを抱え、去っていくヒョウ。ヒョウは捕えた獲物を樹上へ運び、数日にわたって食べたり保存することもあるそうですが、ワニは重い割に可食部が少なそうな気もします。
「たくさんの南アフリカのレンジャーにたずねてみましたが、誰もヒョウがクロコダイルを捕食するなんて聞いたこともないと言っていました。クロコダイルを倒して得られる肉の量は、捕食するためのリスクに見合いません。まったく不可解なことです。いままで目にした中で最も驚くべき光景かもしれません」と写真家のBrindley氏は語っています。
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