アート

写真と見分けが付かないほどリアルに風景を描いた超写実的タペストリー


針と糸だけで田園風景や海辺の景色を写真と見分けが付かないほど写実的に描いたイギリス人のアーティストJill Draperさんの作品を紹介します。

15×30インチ(約38×76cm)程度のタペストリーを埋め尽くす数十万針の刺しゅうはすべてJillさんが手とミシンで一針一針縫い取ったもので、写真を見ながら自宅のリビングの自然光の中で微妙な糸の色の違いを見極めるそうです。

詳細は以下から。Jill Draper's astonishing tapestries look just like photographs | Mail Online

Jill Draperさんの自宅近くのサフォーク州Wenhastonで撮影された雪景色。


上の写真をもとに作成されたタペストリー。


サフォーク州Lowestoft出身のJill Draperさんは62歳。2人の子どもの母で、4人の孫を持つ祖母でもあり、現在は夫のPeterさんとともにWenhastonで暮らしています。自然光の中で毎日針を手にし、あるいはミシンに向かって作業をするのですが、非常に集中力を要しめまいがすることもある作業なので、刺しゅうをする時間は1日に6時間ほどまでと決めているとのこと。

エリザベス朝のタペストリーからインスピレーションを得ることも多いというJillさん。タペストリーの制作にはまずサテンやシルクの布に染料で風景を描き、加熱して定着させたのち、数千色用意されたコットンやポリエステルのミシン糸から色を選び、ミシンで刺しゅうしていきます。絹糸を使う部分は手で一針ずつ縫い取るそうです。


刺しゅうはおばあさんの趣味という先入観があり、ほかのアートと比べ軽視されがちな現状をJillさんは嘆きます。「刺しゅう作品は芸術品より工芸品として見られがちですし、現在では写真をスキャンして刺しゅうで再現することができるコンピュータ制御されたミシンもあります。しかし、画家が鉛筆や筆を使うのと同じようにわたしはミシンを使っているというだけで、作品はそれぞれこの世に一つしかない独自の芸術であるということに変わりありません」


ヒースの道。


上が写真、下がJillさんのタペストリーです。


「In the Afterglow」と題された海辺の夕暮れ。


「Looking Astern」と題された水面。


「Ripples」


「Spring Willows」


「Broadwalk」


「Hint of Spring」


Jillさんの作品は1978年ごろからイギリス各地の画廊で展示されはじめ、これまでにギャラリーを通じてや個人の顧客からの依頼で数百点の作品を販売してきたそうです。価格は1点あたり500~3000ポンド(約6万7000円~40万円)程度とのこと。ホームページからほかにも多数の作品を見ることができます。

:: Jill Draper :: UK -

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in アート, Posted by darkhorse_log

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