発売から苦節3年超、ソニーがPS3本体を売るだけで利益を出せるように
2006年11月11日に発売されたソニーのPS3ですが、IBMや東芝と手を組んで開発した8コアのCellプロセッサやBlu-rayドライブを搭載するなどした結果、製造価格が販売価格を上回る「逆ざや」の状態が続いており、PS3本体を売ることで発生する赤字をソフトウェアや周辺機器で回収するビジネスモデルが続いていました。
しかし発売から3年超となる今年、ようやくPS3本体の製造価格が販売価格を下回る状態となったそうです。これによりPS3を販売すれば販売しただけ利益が出るようになります。
詳細は以下から。
ソニーの今期予想は最終黒字へ、液晶テレビなど損益改善 | Reuters
ロイター通信社の報道によると、ソニーが行った2009年度の連結業績について、3年ぶりの最終黒字となることが明らかになったそうです。
そして2010年度について、6年連続営業赤字だった液晶テレビ事業や4年連続営業赤字だったゲーム事業、そして携帯電話会社のソニー・エリクソンについても黒字化を見込むとしており、PS3の逆ざや状態については2010年3月末で解消したことを明かしています。
Sony Japan|2009年度 第4四半期 業績説明会
決算資料。2009年度の営業利益は318億円となっています。
液晶テレビ「BRAVIA」やビデオカメラ「ハンディカム」、そしてコンパクトデジタルカメラ「サイバーショット」などのコンスーマープロダクツ&デバイス部門。前年度と比較して損益が改善しています。
パソコン「VAIO」やゲーム機「プレイステーション」シリーズなどのネットワークプロダクツ&サービス部門。PS3の製造コスト改善やPS3ソフトの売り上げ増加があったものの、PS2ソフトやPSP本体の売上数量が減少したことでゲーム事業の損益は悪化。前年度比で損益は改善。
B2Bおよびディスク製造部門も損益が発生。
映画部門は「2012」や「天使と悪魔」、マイケル・ジャクソンの「THIS IS IT」などにより増収。
音楽事業も好調です。
最も好調だったのが金融部門。前年度は世界的な株式相場の影響でさまざまなマイナス要因がありましたが、今年度はソニー生命の収入が72.0%増加しています。
2010年度の見通し。2009年度の実績から液晶テレビの販売目標を1000万台ほど引き上げているほか、サイバーショットやPS3についても200万台の売り上げ増加を見込んでいます。
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