ソニーが液晶テレビを一挙に大増産へ、韓国勢もシェア拡大に猛攻勢
液晶テレビのシェアを巡って、メーカー各社が激しい争いを繰り広げていますが、ソニーが液晶テレビの大増産に乗り出すことが明らかになりました。
大増産に乗り出す背景にはソニーがテレビ事業の黒字化を目指していることに加えて、世界シェア1位のSamsungやLG電子といった韓国メーカー勢がシェア拡大のために猛攻勢をかけていることがあるようです。
詳細は以下から。
ソニー、10年度の液晶TV販売計画を50%増の2300万台に:日刊工業新聞
日刊工業新聞社の報道によると、ソニーは2010年度の液晶テレビの販売台数を約2300万台に設定した上で、部材メーカーや電子機器の製造を受託するメーカーとの調整に入ったそうです。
約2300万台という数字は2009年度のおよそ1.5倍にあたる数で、増産にあたっては「Foxconn」ブランドで知られる台湾の鴻海精密工業などに製造を委託するとのこと。これにより外部委託比率は4割に高まる予定。
また、アメリカや中国市場向けの低価格モデルについては生産委託を積極活用する予定で、鴻海精密工業に500万台を委託するほか、高級機種にはシャープから調達した液晶パネルを採用するとしています。
なお、ソニーが大増産に踏み切った理由について、テレビ事業を黒字化するために規模の拡大が必要と判断したことが挙げられていますが、世界シェアトップのSamsung電子が2010年の液晶テレビの販売台数を2009年の25%増にあたる3900万台に設定したことや、LG電子も前年比44%増の2900万台に設定するなど、韓国メーカー勢がシェア拡大のために猛攻勢をかけていることも影響していると考えられるようです。
10年の薄型TV世界販売、サムスン25%増目標 日本勢引き離韓国LG電子、10年の薄型テレビ販売2900万台 44%増に設定し狙う | NIKKEI.NET
ちなみにそもそも各社が販売計画を引き上げる理由についてですが、以下のリンクによると2010年は2009年よりも経済の回復が予測されることや、冬季オリンピックやサッカーのワールドカップといったスポーツイベントの開催、LEDバックライト搭載モデルや3Dテレビの登場を受けて、液晶テレビの販売台数が前年比22%増となる1億7100万台に達すると予想されていることも大いに影響していると考えられます。
そして中南米や11億人を超える人口を抱えるインドがアナログ停波を受けて液晶テレビへ移行することも好材料であるとみられていることもあって、増えたパイを奪い合うために各社がこぞって増産に踏み切っているようです。
液晶テレビ需要好調の死角,2008年型の“共倒れパターン”再来を懸念 | ディスプレイサーチ:季刊 世界TV出荷調査レポート:新刊情報&アナリストコラム 2009/12/22
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