大手メーカーがiPad対抗製品を発表しないことを明言、理由は「ビジネスモデルの違い」
9.7インチのマルチタッチ対応タッチスクリーンや1GHzのApple A4プロセッサ、16GB~64GBのSSD、モーションセンサーなどを薄さ12.5mmで重さ680gの軽量・極薄ボディに詰め込んだAppleの「iPad」について、パソコンメーカー各社が対抗製品を発売するのかどうかといったところが気になりますが、あえて対抗製品を発表しないことを明言した大手メーカーが登場しました。
対抗製品のリリースを行わない理由として、技術的な問題ではなく、ビジネスモデルの違いを挙げています。
詳細は以下から。
Acer has no plans for iPad-like product, says Acer Taiwan president
この記事によると、2009年第3四半期に世界シェア2位を実現した大手パソコンメーカーのAcerの台湾法人の代表を務めるScott Lin氏が、AppleのiPadと同様のコンセプトを採用した対抗製品をリリースしないことを明らかにしたそうです。
同社は長時間駆動と高い処理性能を実現した安価な薄型ノートパソコン「Aspire Timeline」などの製品も手がけているため、iPadと同様のコンセプトを採用した製品をリリースすることについての技術的なハードルはほとんどありませんが、Lin氏はAcerのビジネスモデルとマッチしないことを理由にiPad対抗製品の発売に踏み切らないと述べたとのこと。
AppleはiTunes Storeでコンテンツを販売することによって、iPadユーザーからハードウェア面以外でも利益を得るビジネスモデルを確立していますが、Acerを含めたほかのパソコンメーカーはそのようなオンラインストアを運営したことがないため、単純に同様のコンセプトを採用した製品をリリースするだけでは成功できないとLin氏は指摘しています。
なお、iPadがAcerなどのパソコンメーカーに与える影響についてですが、iPadとネットブックや薄型ノートパソコンなどの製品は完全に異なる層の消費者をターゲットにしたものであるため、影響はあまり無いとLin氏は考えており、Acerは2010年の主要製品として厚さ2cm未満の薄型ノートパソコンに注力するとされています。
ちなみにiPadがターゲットとしている消費者ですが、以下のレポートでは、iPadに対してHDMIポートの搭載やFlashのサポート、マルチタスクなどを求めるような層はターゲットにしておらず、むしろ彼らの母親の世代のような、iPhoneやiPod touchのような直感的な操作性で電子書籍を読んだり電子メールをチェックしたり、手軽に映画を楽しみたいと感じるようなライトユーザーをターゲットにしていると指摘しています。
「iPad」はパズルの最後の1ピース--アップルが挑むメディアとモバイルの融合:スペシャルレポート - CNET Japan
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