レビュー

次世代10ギガビット対応カテゴリー7のLANケーブルで一番取り回ししやすいケーブルはどれ?


LANケーブルが必要になったのでヨドバシカメラへ買いに行ったところ、カテゴリー7のLANケーブルを前面に押し出しているにもかかわらず、どのケーブルも上にホコリがかぶっており、しばらく観察してみたところ、どうやら価格があまりにも高いため誰も買っていかない状態であることがわかりました。確かに10ギガビットのケーブルを今すぐ必要とするユーザーは家庭用ではそうそう見あたらないはずなので、売れないのも当然。しかしながら、そのうち必要とする時代が来るのであろうという勝手な憶測の元、ヨドバシのポイントも余っていたので、その売り場にあった3社のカテゴリー7LANケーブルを買ってきました。

今までもいろいろなLANケーブルを買ってきたのですが、やはり取り回ししやすいケーブルとそうでないケーブルというのは重要で、今回はパッと見た目ではほとんど大差がないように見えるLANケーブルについて、ただひたすら「使いやすさ」「取り回しのしやすさ」などを重視することにしました。転送速度などはこのクラスになるとほとんど誤差の範疇だったのであまり深く考えないことにします。

というわけで、次世代10ギガビットイーサネット(10GBASE-T)対応のLANケーブルで一番取り回ししやすいケーブルはどれなのか試してみた結果は以下から。
今回買ってきたのはこの3社の製品。左からサンワサプライ、エレコム、バッファロー。全部5メートルのケーブルを買ってきました。


■エレコム:LD-TWS/BM5(3380円)

まずはエレコムから。いわゆる「Laneed」ブランドで販売されているもので、型番は「LD-TWS/BM5」。パッケージには「取り回ししやすい優れた柔軟性」と書いてあるのがポイント。


背面の説明はこうなってます。というか、ほとんどの会社の背面の説明を読んでも大差がないので当てにならない。


出したところ、こんな感じに。ケーブル外皮は「JIS C 3005」に相当し、難燃性素材を使用。


実際に持って引っ張ってみたり、いろいろと触ってみたのですが、確かにかなりやわらかい。やわらかいというよりは、ねじれた場合などの引っ張る力が弱い感じで、どのように曲げてもそれなりに曲がるようになるという感じ。硬さを感じるレベルまで曲げる必要性がないので使いやすい。


コネクタ部分はこうなってます。当初のニュースリリースでは違う形になっており、新機構のツメ折れ防止コネクタを採用していたはずなのですが、なぜか変わっています。


しかしながらコネクタの上の部分がくいっと曲がっており、これはこれで使いやすい。


金メッキは裏まで完全にされています。


■サンワサプライ:KB-T7-05WR(3380円)

次はサンワサプライ。型番は「KB-T7-05WR」。先ほどのエレコムに比べると箱は大きく、高級感があるのが特徴的。


背面の説明


エレコムのケーブルよりは硬い。


が、ケーブルの直径が若干細めなので思っているよりは苦労はしません。ただ、エレコムよりはちょっと苦労する感じ。


スリムコネクタを採用とあり、コネクタの上が丸っこいのが特徴。


側面はこんな感じ。ちょっとへこんでおり、確かに少し平べったく見えるが根本の部分は厚くなっている。


裏面はこんな感じで、余計な部分まで金メッキ加工はしていない


■バッファロー:ETPC75BLA(3380円)

最後はバッファロー。型番は「ETPC75BLA」。パッケージは箱ではなく、袋タイプ。残念ながら価格に見合った印象は受けない。


背面の説明はこうなってます。


ケーブルを取り出したところ。明らかにかたい……。


カタイというか、しっかりした感じ。そもそも直径が若干太めで、ケーブルのコーティングに伸縮性が少なく、割と硬め。


コネクタ部分はこんな感じ


側面から見るとこうなってます。割と普通。


裏面はサンワサプライと同じで金メッキは途中までしかない。


■実際に使い倒してからあらためて見てみた

実際に伸ばして同じように使ってから再び比べてみました。するとこうなりました。左端から順にカタイ順で、バッファロー・サンワサプライ・エレコムの順。特にバッファローは一番取り回しにくい。


バッファローはケーブル自体の外皮が最もかたく、なおかつねじれにくいので、必然的に取り回しがしにくい。代わりに最も丈夫っぽい印象はあります。というか、かたいので丈夫っぽいように感じるだけかも。


サンワサプライはそこそこのかたさとそこそこの取り回しのしやすさ。妙なクセがないので使いやすいものの、もうちょっと柔軟性が欲しい。


そして最も使いやすく、取り回ししやすいのが意外なことにエレコムのケーブル。ふにゃんふにゃんとまではいかないものの、割と使いやすかったです。というか、実質的にはサンワサプライより少しやわらかい程度。そうであるにもかかわらず、実際に使うと最も取り回しがしやすかったのも事実。


どういうトリックなのかといろいろ調べてみた結果、実際にギガビットのLANハブにケーブルをさしこむと露骨にわかるのですが、エレコムは根本のコネクタ部分が短いため、必然的に曲げるまでの距離が短く、「取り回ししやすい」というように感じられるようです。7番ポートがバッファロー、6番ポートがサンワサプライ、5番ポートがエレコムです。根本の部分までエレコムがぐにゃりと曲がるようになっており、LANハブにさしこんでからの取り回しに圧倒的な差が出てきたというわけ。


■最後のまとめ
・エレコム:LD-TWS/BM5(3380円)、取り回ししやすい
・サンワサプライ:KB-T7-05WR(3380円)、取り回しは普通程度
・バッファロー:ETPC75BLA(3380円)、ちょっと取り回ししにくい

個人的にはケーブルはやわらかい方が好みなのでエレコムに軍配が上がりますが、逆にケーブルはしっかりとしている方が安心感が強いという場合にはバッファローが一番になります。サンワサプライはそれらのちょうど中間ぐらいの印象です。まだ使って1ヶ月も経過していないので、さらなる使い込みによってケーブル自体の経年劣化が起き始めるとさらに差が出てくると思われますが、数年前に買ったケーブルでもよほどの環境下に放置していない限りは硬直したり、表面が乾燥してパキパキになってひびわれたりはしていないので、大差はないと思われます。やわらかいのに丈夫で、経年劣化やさまざまな環境要因にも強い、そういうケーブルがあればそれだけで差別化につながると思うのですが、まだ普及度がさほどでもないので今後の商品開発が待たれるところ。あるいは、10ギガビットレベルならもう光ファイバーケーブルが普通になっていくのかもしれませんが、取り回しのしやすさで生き残るのかもしれず。

なお、市販の装置に使用するためには1ポート当たり5W未満の消費電力でなければならないのですが、10GBASE-Tの物理層ICのほとんどは、1ポート当たり8W~10Wの電力を消費するのが現状であり、本格的に普及するには最短であと2年ほどかかると見られています。

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in レビュー,   ハードウェア, Posted by darkhorse

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