居眠りしている議員の姿をブログに掲載された茨城県議会、傍聴規則を改正して締め出しへ
茨城県議会で居眠りしている議員がいたため、撮影してブログに掲載して批判したところ、ブログを見た一部の県議が「傍聴目的として適切なのか」ということで問題にして、結果的には今月8日から新しい傍聴規則を施行することになってそうです。それによると、傍聴者による写真撮影や録音はなんと、「県政記者クラブ所属の報道関係者」と「公益的見地から必要と認められる者」に限定されるとのこと。しかも後者については「市町村の広報担当者や会派関係者」のことだそうです。
身内の恥を外部にさらさないようにしたいという思いはわからなくはないのですが、だからといってこういう方法を取る前にすべきことがいくらでもあるのではないでしょうか?
問題の発端となったブログは以下から。
まず、今回の件に関しては以下のように共同通信や朝日新聞などが報じています。
居眠り写真ブログで傍聴規制 茨城県議会、身分証提示も
ブログは男性が作成。2010年3月に開港予定の茨城空港をテーマにしており、傍聴した6月の定例県議会も取り上げた。居眠りする一部の県議の写真を掲載し、「終始眠っておられた」「無責任ジジイ」などと論評した。
asahi.com:ブログに逆切れ? 茨城県議会が傍聴の規制強化 - 政治
都内在住の男性が作成するブログが問題視された。男性は茨城空港をテーマに多数の記事を掲載、傍聴した6月定例県議会も取り上げた。常任委員会などでの県議や県幹部の言動について論評し、居眠りする県議の写真を載せた。
ブログを見た一部の県議が「傍聴目的として適切なのか」と声を上げ、傍聴規則改正の動きが出始めた。議会事務局によると、男性は「資料のため」という目的で本会議の撮影許可は得たが、常任委員会については許可申請していなかったという。
改正規則では、傍聴者による写真撮影や録音は、県政記者クラブ所属の報道関係者と「公益的見地から必要と認められる者」に限定。後者は市町村の広報担当者や会派関係者を念頭に置いている。
新規則に従うと、「資料のため」という目的で男性がカメラの持ち込みや撮影を希望しても、「今後は『許可できない』として処理する」(議会事務局)という。
この改正は議長提案となっており、出席議員の採決なく改正が決まったとのこと。地方自治法は「会議公開の原則」を定めているため、それとは逆行するむちゃくちゃな方針ということになります。
で、この問題の元になったのが以下のブログ。
METROPOLITAN AIRPORT(茨城空港): 茨城県総務企画委員会5~藤島正孝自民党県議員、眠りの森の県議会議員~
書いている内容はかなりキツい調子ですが、だからといって議会の傍聴を規制するほどではないように感じられます。ブログを書いた人のコメントによると、
この件については、後日考えをまとめようかなと思っています。ただ、あくまでこのブログは、茨城空港やLCCのブログであり、政治や行政批判のブログではありません。どこまで書くか、どこまでアクションを起こすかも問題になってくるかなと思っています。しかし、この一件で、実際に私が不利益を被った場合は、徹底的に「茨城は政治後進県」と糾弾、叩く準備はできています。それよりも、もっと和やかに、この問題を解決したいとは思っているんですが。
ということで、事と次第によってはさらなる展開もあり得そうです。
なお、今回の件に関しては他にも、以下のような意見があります。
H-Yamaguchi.net: 適切な傍聴目的ではなかろうか
もちろん、記者クラブ所属の記者が撮影することは規制されていない。しかしそれは、「素人は空気を読まないから困りものだが、プロの記者なら長いつきあいだから、多少のことは見逃してくれるだろう」と期待されているという意味だろう。つまり、記者クラブ所属のプロの記者諸氏は、事実を伝えるという点において素人以下であるとなめられているのだ。それこそ、報道人としての名誉に関わる問題ではなかろうか。
それとも、政治家さんたちの「期待」通り、「自主規制」してしまうのだろうか。
今後、既存マスメディアがどれだけ茨城県議会に食い下がれるかに期待大です。応援してます。
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