レビュー

フルHDがffdshowより軽く再生できる世界最速のH.264ソフトウェアビデオデコーダ「CoreAVC」


いわゆるフルHDサイズ(1920×1080)のH.264/MPEG-4 AVCムービーを再生しようとすると、スペックの低いパソコンではカクカクになったり、コマ落ちしたり、音がずれたり、そもそも再生できなかったりとさんざんな結果になるので困っていたのですが、このH.264ソフトウェアビデオデコーダ「CoreAVC」は世界最速と自ら名乗っているだけのことはあり、非常に軽いらしい。CPUが100%に張り付いてしまうようなムービーでもサクサク再生できる、という話だったので実際に使ってみました。

どれぐらい軽くなったのかという検証結果は以下から。
CoreAVC.com: World's Fastest High Definition H.264 Video Software Decoder
http://www.coreavc.com/

この「CoreAVC」はただ再生するだけのStandard Editionが7.95ドル(約850円)、インターレースや4コアまでのマルチコアをサポートしたProfessional Editionが14.95ドル(約1600円)。購入はPayPal経由によるダウンロード販売で、体験版はなし。対費用的な効果で考えるならば、将来的にGPU支援も搭載される予定のProfessional Editionがかなりお得感が高いと考えます。


というわけで今回は「Professional Edition」を試してみました。

まずはインストール手順。「I Agree」をクリック


シリアル番号を入力後、「Next」をクリック


「Next」をクリック


「Next」をクリック


「Install」をクリック


「Close」をクリック


続いてHaali Media Splitterのインストールが始まります。「I Agree」をクリック。


「Next」をクリック


「Next」をクリック


「Install」をクリック


「Close」をクリック、これで完了


設定画面はこうなっています。今回はこのデフォルト設定のままでチャレンジします。


今回のテストに使うマシンのOSはWindows XP SP2。CPUはAMDのAthlon 3000+(1.80GHz)で、メモリは2GB。GPUはATI Radeon 9550/X1050の128MB、コアクロックは250MHz、メモリクロックは196MHzのファンレスモデル、いまどきAGP接続。世代的には2004年初頭あたりに作ったモデルなので、そろそろ買い換えを考えてもいいレベルです。

なお、テストはWindows付属のWindows Media Player 6.4(mlayer2.exe)を再生プレーヤーとして使用。比較対象は軽いデコーダーセットとして一世を風靡したffdshowの安定版、tryouts official beta4(revision 1723)を使いました。

テスト時には明示的にこのようにしてffdshowを有効/無効化してから再生を行いました。再生時にはタスクトレイにffdshowのアイコンが無効であれば表示されず、有効であれば表示されるため、視覚的にON/OFFの把握も可能でした。


■テスト1:The Dark KnightのTrailer 2、1080p版(159MB)


・ffdshowの場合


・CoreAVCの場合


・見た目の違い
ffdshowで再生した際には爆発などのシーンで若干もたつくような印象があったり、微妙に画面に合わせるためにスキップしているような感じを受けるが、どちらのデコーダでも問題なく再生できた。また、AppleのQuickTimeだと最初から最後までカクカクしてそもそも閲覧に耐えないクオリティとなった。

■テスト2:Hellboy 2: the Golden ArmyのTrailer 1、1080p版(175MB)


・ffdshowの場合


・CoreAVCの場合


・見た目の違い
ffdshowの場合には全体的にコマ落ちがひどく、また、音も後半になるにつれて段々とずれていき、はっきり言って快適に視聴できるとはほど遠い状態で、QuickTimeでの再生よりはマシというレベル。それと比較してCoreAVCはいたって軽快で、まったくコマ落ちなしでスムーズに閲覧できました。おかげで予告編のド迫力さが初めて体感できたほど。仕事用のデスクトップでさえここまでなめらかに再生できなかったので、威力は格段に差があると言っても過言ではない。有料であるのも納得のクオリティで、ついでに言うとシーク速度も速いのは特筆に値する。

■総評
正直言ってここ最近、フルHDクラスでなくても高画質なH.264系ムービーだと再生がつらくなってくるケースが多くなってきたため、「そろそろマシンを買い換えようかな……」などと考えていたのですが、その予定が消し飛びました。このコーデックであと数年は戦える感じです。将来的にはGPUによる再生支援機能なども搭載されるそうなので、ハイスペックのマシンでもかなり有効に使えるかも。

なお、各解像度別の最低推奨スペックが以下にあるので、自分のマシンでならどこまで再生可能になるかがわかります。

Recommended Hardware Configurations for proper CoreAVC Playback

あと、Linuxで使えるようにするためのプロジェクト「coreavc-for-linux」というのもあります。

coreavc-for-linux - Google Code

また、P2PテレビのJoostにも採用されており、以下のページでも負荷の低さがベンチマーク形式で掲載されています。

CoreAVC stronger than AVIVO & PureVideo ?

昨今の高画質H.264系ムービーが再生できなくて困っている人にはなかなかいい選択肢なのではないでしょうか。

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in レビュー,   ソフトウェア, Posted by darkhorse

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