レビュー

4K/60fps映像でもぬるぬるサクサク動くHDMI 2.0サポート液晶ディスプレイ「Acer S277HKwmidpp」実機レビュー


Acerは2015年3月からHDMI 2.0に対応し、1本のHDMIケーブルだけで最大で4K/60fpsの画質を再現できる4KウルトラHD液晶ディスプレイ「S277HKwmidpp」を販売しています。画質の向上はとどまることを知らず、ついに4K+60fpsというレベルが身近なところまでやって来たわけですが、そんな画質に対応するというこのモデルでどんな映像を見ることができるのか、実機を借りて試してみることにしました。

S277HKwmidpp | モニター - 技術仕様およびレビュー - Acer
http://www.acer.co.jp/ac/ja/JP/content/model/UM.HS7SJ.001

Acer初!HDMI2.0入力端子搭載 4KウルトラHD液晶ディスプレイ「S277HKwmidpp」を発表 ~3月11日(水)より発売開始~
http://www.acer.co.jp/ac/ja/JP/press/2015/153142

◆フォトレビュー
編集部に届いたAcer「S277HKwmidpp」がこちら。27インチ・3840×2160ピクセルの4KウルトラHD液晶ディスプレイ(UHD)を搭載し、ディスプレイ部分のサイズは614×406mm、フレームを含めた高さは451mmとなっています。コントラスト比100,000,000:1、輝度 300 cd/m²のIPS(In-plane Switching)液晶を採用し、本体のエッジぎりぎりまでディスプレイを配置した「ゼロ・フレーム」構造が採用されているとのこと。


背面はこんな感じに、左右対称ではなく、スタンドはやや左側に寄った位置にセットされています。


スタンドは金属製で安定性のある造り。スタンドを含めた重量は5.4kgで、ディスプレイを置いた際の占有面積(フットプリント)は、幅614mm×奥行き154mmとなっています。


スタンドの付け根部分には各種コネクター類が集中的に配置されています。映像入力端子はDisplayPort×1、MiniDP×1、HDMI 2.0×1、DVI×1、音声入出力端子はヘッドホン出力×1、Audio IN×1、そして電源アダプター端子となっていました。


電源スイッチや各種操作ボタンはディスプレイ下の目立たない部分に配置。一番大きなボタンが電源スイッチとなっています。


というわけで、まずは電源アダプターとHDMIケーブルを接続してみます。S277HKwmidppはHDMI 2.0にフル対応しており、ケーブル一本で4K/60fpsの映像に対応するハイスペックモデルとなっています。


PCとの接続が完了。今回使用したPCは小型のキューブPCを水冷化してさらにグラフィックボードを増設したキューブPCで、搭載するグラボはMSI「GTX960 2GD5T OC」。NVIDIA GeForce GTX960を搭載し、HDMI 2.0に対応するモデルです。


まず4Kディスプレイを実感するのがデスクトップの広さ。画面左上のアイコンはこのぐらいのサイズになり、とにかく広いデスクトップに圧倒される瞬間です。


画面全体のキャプチャをとってみました。画像をクリックすると原寸大の画像(約1.41MB)が開くので、画面の広さを実感できるはず。


ちなみに、ボタンを押して表示されるメニュー画面はこんな感じ。ボタンを1回押すとメニューが表示され、左から省電力設定や複数画面設定、詳細設定、音量、入力切り替えなどのアイコンが並んでいます


アイコン下のボタンを押すと、以下のように詳細設定画面などが表示されます。


画面のプロパティを見ると、3840×2160、60Hzで接続されていることを確認できました。


◆4K映像、60fps映像、そして4K/60fps映像を堪能してみた
設定が確認できたところで、さっそくS277HKwmidppの実力を確認すべく、さまざまな映像を見てみることにしました。まずは、YouTubeのGoPro公式チャンネルにアップロードされている4Kムービーを再生。GoPro HERO4で撮影されたムービーで、最高で4K/30fpsの映像を選択可能です。

GoPro: Tomorrowland in 4K - YouTube


映像は世界最大のフェスティバルと呼ばれるTomorrowlandをGoProで撮影したもの。ディスプレイの映像をカメラで撮影したために実際の画質を再現するのは難しいのですが、実際に見てみた感じでは細部まで微細に撮影された映像をくっきりと再現しており、きめ細かなディスプレイのおかげで色鮮やかな光景が鮮明に表示されている印象を受けました。


次に、60fpsの表現力を見てみます。使用したのは、アクションゲーム「Grand Theft Auto V」のプレイを1080p/60fpsで収めたというムービー。

Grand Theft Auto V (PS4/XB1/PC) - First Person Mode Trailer (60fps) [1080p] TRUE-HD QUALITY - YouTube


動きの激しいシーンでのヌルヌル感は一目見て明らかに「違う」と感じ取れるレベル。30fpsでもほとんど不満を感じることがなかった人でも、いちど60fpsを目にしてしまうと途端にアラが目立ってしまうようになるから慣れというのは恐ろしいものです。猛スピードで繰り広げられるカーアクションも、滑らかすぎて妙にスピード感がなくなったように感じてしまうから不思議です。


そして最後に、このディスプレイの最高性能を試すべく、4K/60fpsムービーを再生させてみます。今回用意したのは、オープンソースの3Dグラフィックソフトウェア「Blender」で作られたCGアニメ「Big Buck Bunny」の4K版です。

Big Buck Bunny 3D
http://bbb3d.renderfarming.net/


サイトからは、通常の2D映像のほか、専用の装置を使って3D再生する映像もダウンロードすることが可能。今回は、「Standard 2D」の「4K, Quad-Full-HD (3840x2160):60 fps」(容量642MB)をダウンロードしました。


さっそく再生してみると、映像のところどころに激しいコマ落ちが発生。確かに高いマシンパワーが求められるコンテンツであることは容易に想像できますが、それにしても激しすぎるコマ落ちにしばし考え込むことに。どうやら問題はPC側の設定にあり、グラフィックカードの性能がフルに発揮されていなかったことが判明。対策をとってみます。


まずは、ムービー再生に必要なコーデックとプレイヤーをまとめて簡単にインストールできるフリーソフト「K-Lite Codec Pack」をインストール。手順は以下の記事を参照すればわかるようになっています。

ムービー再生に必要なコーデックとプレイヤーをまとめて簡単にインストールできるフリーソフト「K-Lite Codec Pack」 - GIGAZINE


インストールが完了すると、軽量級のメディアプレーヤー「MPC-HC(Media Player Classic - Home Cinema)」が使える状態になります。MPC-HCを立ち上げ、ツールバーに表示された「LAV Video Decorder」をダブルクリック。


表示されたウィンドウの「Video Setting」タブの、「Hardware Acceleration」のプルダウンメニューから、使用しているグラフィックカードの種類を選択し、「UHD(4K)」にチェックが入っていることを確認すればOKです。


この状態で再びムービーを再生すると、先ほどとは明らかに違ったヌルサク感にあふれる映像が再生され、「これが4K/60fpsの実力か!」と驚きの声が出てしまいました。風景の様子やキャラクターの体毛の質感が精細に再現され、抜群の存在感を感じさせます。


アップで見ても、ドット感や画面のアラはほとんど感じないレベルです。粒子感を感じさせない映像と滑らかな動きのために臨場感が格段に向上しており、画面の中に見えるはずのない空気の存在を感じてしまうほど。後ろで見ていた別の編集部員からは「これ、3D映像?え、違う?なんでこんなに奥行きあるの!?」と驚きの声があがっていました。


さらに、数あるPCゲームでも数少ない4K/60fps画質に対応するというGrand Theft Auto VをYouTubeではなく実際にプレイしてみましたが、けっこうなカクつきが画面に発生。ゲームの設定画面を確認すると、やはりビデオメモリが圧倒的に不足しているために4K/60fpsには追いつけていない状況。ベストクラスの結果を求めるのであれば、やはり機材もハイスペックなものが求められるということを痛感した瞬間でした。


また、動きの激しい映像ばかりが得意というわけではなく、自然の様子を高画質の映像に収めた作品も見事に再現しています。

WILDLIFE IN 4K (ULTRA HD) 60fps - YouTube


トラの毛並みやクジャクの色彩豊かな羽の色など、思わず見入ってしまうような映像が再現されていました。


Acerの4KウルトラHD液晶ディスプレイ「S277HKwmidpp」は各量販店をはじめAmazonなどのオンラインショップでも販売中。Amazonでの価格は税込価格9万5980円となっていました。ディスプレイとしてはやや高価な部類ですが、その映像を見れば価格に納得するだけの性能を感じさせるモデルとなっていました。

Amazon.co.jp: Acer 27型ワイド液晶ディスプレイ (非光沢/3840x2160 4K2K/300cd/100000000:1/4ms/ホワイ S277HKwmidpp: パソコン・周辺機器

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in レビュー,   ハードウェア,   動画, Posted by darkhorse_log

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