コミックマーケットで「同人誌委託コーナー」が廃止された理由は？

今年8月17日～19日にかけて行われた世界最大の同人誌即売会「コミックマーケット72」では、スペースの取得に落選したサークルの救済策としてこれまで行われていた、同人誌を公式に委託販売してくれる「委託コーナー」が廃止されましたが、その理由が明らかになりました。

どうやら公式にアナウンスされていた「3日間開催によって、抽選率70%以上を確保できる状況にある」などの廃止の理由とは、別のところにあったようです。

詳細は以下の通り。
(株)コミケプランニングサービスへの業務委託終了について

このリリースによると、これまで行われていた抽選漏れサークルの別の形でのコミックマーケットへの参加手段として提供されていた同人誌の「委託コーナー」は、コミックマーケットを運営している有限会社コミケットが、株式会社コミケプランニングサービス（CPS）に業務委託して行っていたものだったそうです。

しかしCPSは以前より現在退任済みの代表取締役に様々な問題があったことから、CPSの株主ならびに各取引先などから改善のための再三の様々な助言や支援を受けていたにもかかわらず、事態が改善されるどころか、不明瞭かつ不適切な経理処理すら発覚したとのこと。

なお、CPSは委託コーナーの運営以外にも「コミックマーケットカタログ72」の通販や「コミックマーケット73申込書セット」の通販を請け負っており、通販業務自体は正常だったことから、コミケット参加者に対して直接の影響は無かったものの、業務委託を継続することは不可能と判断せざるを得ず、業務委託を終了したとしています。

ちなみに以下のリンクにあるCPSの公式サイトでも「不明瞭かつ不適切な経理処理」について告知されていますが、決算処理の過程で多額の使途不明金が確認され、当時の代表取締役社長による不適切な経理処理が行われていた事が確認されたそうです。また、取締役会議事録の作成もされていなかったようです。

株式会社コミケプランニングサービス（「弊社業務内容の変更に関する社告」をクリック）

いったい何があったのかは分かりませんが、委託コーナーが無くなるというのは同人誌を売る方にとっても買う方にとっても不便な上に、少し寂しい気がしますね。