「Android N」は一体どれぐらいパワーアップしたのかまとめ、3大テーマは「性能」「セキュリティ」「生産性」

2016年3月から開発者向けプレビュー版が公開されている、次の世代のAndroid OS「Android N」がどのようなOSなのかという話が、Googleの開発者向けイベント「Google I/O 2016」の中で語られました。これによると、Android Nでは3大テーマとして「性能(パフォーマンス)」「セキュリティ」「生産性(プロダクティビティ)」を掲げて、注力したとのこと。

What’s new in Android: the N-Release, Virtual Reality, Android Studio 2.2 and more | Android Developers Blog
http://android-developers.blogspot.jp/2016/05/whats-new-in-android-n-release-virtual-reality-android-studio.html

Google I/O 2016 - Keynote - YouTube


Google I/O 2016の基調講演ではエンジニアリング担当VPのデイヴ・バーク氏がこの話題を担当しました。

今やAndroidは世界中で使われるOSとなり、スマートフォンやタブレットだけではなくスマートウォッチやテレビ、自動車でも用いられています。

Androidのアプリは、Google Playからインストールされた数が650億にもなります。

次にリリース予定のOSが「Android N」。現在は開発者向けプレビューが公開されています。

その「Android N」で掲げられている3つのテーマが「Performance(性能)」「Security(セキュリティ)」「Productivity(生産性)」です。

◆性能

Android Nは3DグラフィックスAPI「Vulkan」に対応しました。キーノートでは、実際にNexus 6Pで「Need for Speed」をプレイするムービーが流れました。

新たな実行時コンパイラ(JITコンパイラ)も導入されています。これによってソフトウェア・パフォーマンスが向上し、アプリのインストールが従来より75％高速化し、コンパイルしたコードのサイズが50％も減少します。

◆セキュリティ

セキュリティ面は「ファイルベースの暗号化」「メディアフレームワークの安全性確保」「シームレスアップデート」という3点が変わっています。

このシームレスアップデートは、Chromebookの更新システムに着想を得て導入されたもの。これまで、システムアップデートをするときは大容量のファイルをダウンロードしてきて、数分から数十分にわたって更新が行われてきましたが、Android Nではバックグラウンドで更新が行われるようになります。

また、ブラウジングでも安全性を確保。

Google Playでは、アプリ公開前にセキュリティテストが行われ、また、アプリ自体のセキュリティを改善するプログラムも実施されます。

全世界で、1日に80億のアプリがチェックされるとのこと。

◆生産性
生産性ということで、まずは小さな改善ですが、タスク一覧を表示したときに……

全タスクをクリアするメニューが右上に移動しました。

そしてマルチタスキング。通話中に「スケジュールを確認したい」というとき……

タスク切り替えアイコンをダブルタップしてスケジュールアプリへ移動、確認が終わったら戻るということが可能に。

そしてマルチウィンドウにも対応。

画面を上下で分割し、上でムービーを再生しつつ下で検索をする、ということが可能です。

スマートテレビなら大画面なのでマルチウィンドウ機能が生きてきます。

たとえば、再生中の映像を右上にワイプのように表示しておいて、メイン画面で検索をしたり……

ゲームのダウンロードをしたり。

通知機能にも改善があり、相手から届いたメッセージに対してわざわざアプリ画面に移行することなく、そのまま通知画面で返信を作って送ることができるように。

絵文字(emoji)も大幅に改善されて、より人間らしさが強くなったものが使えるようになります。

Android Nは、かなり大きな変化をもたらすOSとなりそうです。