街宣車が大集合している橿原神宮の紀元祭に行ってみました
「大音量で音楽・演説・キャッチフレーズの連呼等を流すために利用する自動車」のことを街宣車(「街頭宣伝車」の略)と呼びますが、普通の暮らしを平常通り行っている限りはまず滅多に見かけることはなく、目撃したとしても1台だけでかなりの威圧感を誇っており、一度にたくさん見ることはまずありません。
が、毎年2月11日になると奈良県にある橿原神宮に街宣車が集結、普段はお目にかかれないさまざまな種類の街宣車がそろっているとのことなので、意を決して行ってきました。
橿原神宮
http://www.naranet.co.jp/kashiharajingu/
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向かう途中で既に道路のあちこちに街宣車が見え始めます
橿原神宮に近づくにつれてなんだかすごい光景が。
到着、約700台を収容できる駐車場(大型車2000円、中型車1000円、普通車500円)に向かいます
駐車場に来たのはいいのですが、どこに停めればいいのか……
街宣車はWikipediaによると「税制上優遇され、ほとんど課税されない特種用途自動車(いわゆる8ナンバー、放送宣伝車)として登録を受けていることが多い」とのことで、このようにして中古バスを改造しているケースが典型的なもの。
これは価格が比較的安価なマイクロバスタイプ
よくある典型的な大型の街宣車だけではなく、駐車場にはこのような比較的小型の街宣車も。
小型のいわゆるRV車を改造するケースが多い理由を調べてみると「2002年に関東地方南部1都3県でディーゼル車規制条例に基づいて実施されたディーゼルエンジンの自動車排出ガス規制に適合できず都心部で見かける車両が減少した。こうした乗り入れ規制を回避するため、RV(主にトヨタ・ハイエースや日産・キャラバンなどのワンボックス車、トヨタ・ランドクルーザーや三菱・パジェロなどの4WD車)を改造する傾向も見られ、以前と比べて小型化が進んでいる」とのこと。
上にスピーカーが付いている理由はもちろん街宣活動を行うためなのですが、税金逃れの違法8ナンバーと区別するため「音声による放送・宣伝を行う車」については「車外に拡声器(スピーカー)を装着すること」という要件がちゃんと定義されているため。ほかにも「音声・音量等調整装置(ミキサーやアンプなど)、マイクロホンを車室内に設置し、操作できるようにしてあること」などの要件があります。
街宣車でないように見えてもよく見るとそうではないという特殊な自動車が多すぎ
まるでデコトラのミニバージョン
これは街宣車ではなく、自衛隊の自動車。なぜ自衛隊がいるかというと、旧日本軍において訓練されていた銃剣術を太平洋戦争後に武道とした「銃剣道」をはじめとする武術奉納がこの2月11日には橿原神宮のあちこちで行われており、その中の一つである銃剣道大会に自衛隊銃剣格闘の一環として出場しているため。
全体的に駐車場はほぼ街宣車だらけであるため、大参道の一の鳥居の近くはこのような雰囲気ですが、橿原神宮の内拝殿に近づくにつれて普通のおじいちゃん・おばあちゃんが圧倒的に多くなっていきます。
中央の主道の両側に橿の並木が続いています。
これが外拝殿
巨大な絵馬
デカい
手前にいる人物と比べるとその巨大さがわかり、この絵馬と比べるとこの外拝殿のサイズもなんとなく把握できるかと。
こういう儀式も行われます
さらに向こうから歩いてくるのは……
勅使(ちょくし)です。
勅使とは「皇帝・天皇・王など国の元首が出す使者」のことで、いわば天皇の代理。
要するに2月11日は「建国記念の日」であり、この日に「紀元祭」が行われるため、街宣車が山ほど来る、というわけです。
そしてこうなるわけです
街宣車で来る人たちは内拝殿の方までは入って来ません
そのため参列者受付を見るとこんな感じです。
とか言っている間にもどんどん街宣車がやってきます
とにかくどんどん来ます
ぞろぞろ
そんなわけなので、本来の橿原神宮・紀元祭の目的とはかなりずれていますが、当日はあちこちに警察が立って騒音を計測しまくっているため、騒音で大騒ぎとかそういうことはなく、普段はなかなか近づいてみることのできない各種街宣車をじっくりまったりと見学することが可能です。もちろん外拝殿近くまで行けば、たくさんの人がカメラを構えていろいろと普段はまず見ることのできない光景を撮影しまくっているので、なかなか非日常的な気分になれます。
なお、街宣車だらけであるためなのか、駐車場も紀元祭開始時刻の1時間前に来たにもかかわらず比較的すんなりと駐車可能で、「2月11日は一体何の日なのか」ということをある意味、非常によく理解できる駐車場と化しています。
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