メモ

日本の「ユーザー車検」を体験した外国人はどう感じたのか?

By Engineering at Cambridge

「日本の車検制度は他の国に比べて大きく異なっていて、時間とお金がかかるのが実情だ」という声があがっていたり、「車検不要論」までが取り沙汰されることもある車検制度ですが、日本の車検制度に慣れていない外国人であれば一体どのように感じるでしょうか。日本在住のRory Johnstonさんは、ユーザー車検にトライして、車検がどのようなものなのか、自ら体験してみました。

Follow Rory: Shaken - Car inspection in Japan
http://followrory.blogspot.jp/2013/06/shaken-car-inspection-in-japan.html

「日本では、基本的に2年ごとに車検を行う必要があります。検査自体の費用はたいしたことはないものの、その他もろもろの費用が積み重なって高額になってしまいます」と語るRoryさんですが、一番の問題は「自分で検査に出しにくい仕組み」だとのこと。検査場が空いている時間は平日の昼間のみで、会社を休めない人にとっては無理な時間帯。そのため、多くの人は自動車ディーラーや車検代行業者に手数料を支払って車検を代行してもらうことになります。比較的安い手数料でサービスを行っている業者も増えてきていますが、それでも手数料が10万円もかかるという風に捉えられてしまいます。

費用を安く上げるべく、Roryさんはユーザー車検にチャレンジしてみることにしました。まずは検査に引っかかりそうな部品を交換することからはじめました。お金を払って修理の機材を貸してもらえる「レンタルガレージ」に愛車を持ち込んで整備の開始です。


これは、タイヤと車体をつなぐサスペンションの部品。左が新品で右が交換前の部品です。


少し見ただけでは交換の必要がなさそうにも見えます。


じつはこの検査前に、燃料噴射装置を交換してエンジンをチューンアップしていたRoryさん。排気ガスの項目で検査に引っかかることを心配して、赤い交換品から黄色い純正パーツに戻すという余計な手間をかける必要があったそうです。


そして検査当日。この日のために貯めた8万円を手に検査場に向かいました。まずは「1」と書かれた建物に向かいます。


Roryさん以外はみんな、作業着に身を包んだ整備工場から来た人ばかりでした。


あちこちの窓口を回っていろいろな手続きを終えた段階で支払ったお金は約6万円。検査そのものに必要な費用は2000円前後だったことを知り、「ほとんどが税金などで持っていかれた」とRoryさんはこぼします。その後、待合室で検査の流れについてのビデオで確認、手順を覚えます。なお、ビデオ室の外にはこんなポスターが……。


そして検査の開始です。検査場に入る車の列に並ぶように促されました。


検査場には、自動車の種類や検査項目ごとにレーンが8個ほどに分かれており、ユーザー車検向けには2つのレーンが割り当てられていました。各レーンには小型車から大型の車までが並んでおり、中にはフォークリフトのような車両の姿もあったそうです。


検査レーンに入ると、検査官が初期チェックを行います。ライト類、ウィンカー、ワイパー、ウォッシャー液、窓の開閉、バック用のランプ、ホーン、そしてシートベルトのランプなどが検査されます。ハンドルのガタとタイヤチェックも項目に含まれているはずですが、検査された様子はありませんでした。ここまできて、事前に準備していた60個のチェックリストがあったことを思い出しましたが、どうやら必要はなかったようです。


次にタイヤのサイドスリップ試験、そしてスピードメーターの試験を行いました。ローラーの上に載せられたタイヤが回転し、車内のメーターが時速40キロを指したときに手に渡されたスイッチのボタンを押すようになっています。その次はブレーキテスト。パーキングブレーキを操作したり、アクセルを踏んでタイヤが規定の速度に達したらブレーキを踏む、などの操作を求められました。慣れないためか、1回目には失敗してしまったRoryさんですが2回目のチャレンジで合格できたそうです。その後もヘッドライト検査、車体下回りの検査、そして心配していた排気ガスに進みました。車体後部のマフラーに検査用の「プローブ」と呼ばれる棒状のセンサーを差し込みます。そして結果は……不合格でした。


「不合格」のランプが点いたときはがっかりしたRoryさんですが、すぐに検査官がやってきて、いろいろと調べた結果、許容値になんとかおさまっているから「合格」ということに。時間、ストレス、そしてお金を費やしてやっと合格証をゲットすることができました。この合格証をみてRoryさん、「また2年後にはこのプレッシャーに耐えなければならないのか……」と感じたそうです。

車検には少しうんざりといった様子のRoryさんですが、日本では「車検2年つき」という謳い文句で自動車が販売されていることを理解できたそうです。さらに、どんどん上乗せされる諸費用についてもやや辟易(へきえき)とした様子で「2年ごとに約10万円の費用が必要になります。小さい車でもこれだけかかるのですから、アメリカでよく走っている大型SUV車になると目を覆いたくなるようなことになります」と驚きを隠せない様子です。

By kenjonbro

よく「車検は日本だけの特殊な制度」といわれますが、実は形は違っても同じような制度を設けている国や地域は存在します。そんな各国の車検制度の比較を、国土交通省がまとめています。

諸外国の検査制度
http://www.mlit.go.jp/jidosha/kensatoroku/shogaikoku/index.htm

しかし、よく見比べてみると、検査項目や費用などの実情は日本と大きく異なるというのも事実の様子。それぞれの思惑や狙いがあって制度が形作られているというのは間違いないようです。

・関連記事
ネット納税の罠、「車検をするならペイジーで支払ってはいけない」と言われた - GIGAZINE

ボロ車が公道を走っても許される限界はいったいどこにあるのか? - GIGAZINE

ギネス記録を更新した時速40キロメートルで走行可能な世界最小の自動車 - GIGAZINE

タフさ・ワイルドさを重視した、フリーダムなイメージのストレッチ・リムジン - GIGAZINE

どう見てもデロリアンなホバークラフトが海上を疾走するムービー - GIGAZINE

トヨタ・ハイラックスの頑丈さがこれでもかというくらい理解できる動画 - GIGAZINE

エンジンはかかっても運転できる人がいない超巨大ジープ - GIGAZINE

車高4mで車体重量3トン、ギネス認定の世界一巨大なバイク - GIGAZINE

in メモ, Posted by logx_tm