立ち見厳禁、300年の歴史を持つ「土下座祭り」を見てきました


ドラマ「半沢直樹」や映画「謝罪の王様」で土下座による謝罪が注目を浴び、実社会でも土下座を強要したことで逮捕者が出るなど土下座が世間を騒がせていますが、そのような中「土下座祭り」なるものが2013年10月15日に岡山県新見市で行わるとのことで一体どのような光景になるのか確認するために行ってきました。

新見市土下座祭り
http://www.niimi.or.jp/dogezamaturi/

会場周辺の商店などに貼られているポスター。


朝10時現地に到着、13時開始予定なので見物客などはまだ居ませんが、道路の所々には盛り土が置いてあり祭りの準備は始まっています。


盛り土にはお清めの塩が盛ってありました。


御殿町センター前の広場では祭りの案内や食べ物の販売などをするテントが立てられていてそれぞれの係の人たちが準備をしています。


御殿町センターに入ると土下座祭りに関する資料を展示してある部屋があったので中を見学。


土下座祭りの様子の模型、じっくり見てみると……


ひれ伏すような土下座をしている人はいないようですが、座って見学しなくてはいけないというしきたりは確認できます。


報道や警備をする人は立っていても構わない様です、犬にほえられた場合は急いで逃げましょう。


いったん広場に戻りテントを見回ると、濁酒まん(さかまん)(税込680円)が目にとまりました。


お昼代わりに食べることにして竹皮を開けてみると、濁酒まんが4つ入っています。


あんは新見産備中白小豆、皮は酒種を混ぜた米粉を使っており濁酒の独特な香りがありました。


腹ごしらえを終えて出発地点となる船川八幡神宮に行くと若者の集団が待機中。


話を聞くと新見公立短期大学の生徒さんたちで地域福祉学科に所属しており、このお祭りには毎年参加しているとのこと。


この祭りで行われる行列はまず武器行列と呼ばれる本隊が先行し、その後ろに地域の団体の行列が続きます、開始10分前となり武器行列に参加する人たちが拝殿前にて記念撮影。


武器行列以外の参加者たちもそれぞれの担当のみこしなど出発地点に集まりだしました。


境内に居る人たちが座り始めます、この時点ではまだざわざわと落ち着かない様子。


武器行列の出発の様子。

武器行列出発 土下座祭り2013 - YouTube


先頭両端で棒を振っている人は郷士監察(ごうしかんさつ)と呼ばれる人たちで武器行列が通る際に立っている人を注意して座らせたりする役目です、立っている人が居たので「そこで座って」と注意しています、先ほどまでのざわつきが無くなり厳かな雰囲気が漂います。


竹筒を持った御先払(おんさきばらい)と呼ばれる人が「下にー、下にー」と発しながら通過して行きました。


行列の途中にも郷士監察が配置されており目を光らせています。先頭が通過したら場所を移動しようかと思っていたのですが、この雰囲気では動くことができませんでした。


御馬(おんうま)が通過。


この御馬には神様が乗っており地元の人たちは合掌し拝んで迎えます、ひれ伏す土下座とは違いますがこの姿は印象に残ります。


総員64人による武器行列を見送ると次はみこしなどの行列が始まるのですが、武器行列以外の行列は座っていなくても大丈夫。


急な階段を下るという難所が出発直後に待ち構えているので、ここで行列の前に先回り。ただし、立って移動すると注意を受けることになるので、中腰で目立たないように……。


さらに別の場所へ先回り、ござを敷いて座る場所を用意している家を発見。


早々と座って行列を待っている人たちもいました。


ここで気になったのが白い紙に包まれたもの。


聞いてみるとこれは神様にお供えする物でこれから通る行列の各団体に渡すとのこと、現金でも良いそうですが団体の数が多いのでお米を包む人が多いそうです。


一番人が多いという御殿町センター周辺へ向かう途中に出会ったゆるキャラのももっち(岡山)、写真をお願いすると「シェー」のポーズ。


ツアー客の団体に「武器行列の通過の際は立たないでください」など見学の作法を説明しています。


15分程待つと武器行列がやってきました、立っている人がいたので「座って」と注意しています。


先頭に続いて御馬もやってきました、ツアー客に向けて「御馬が通過する際は合掌して拝みます」と説明していたので「みんなが一斉に拝むのかな?」と見ていたところ……


みんなカメラを取り出して御馬を撮影していました。


武器行列の後方からは神輿を担いだ集団がやってきて、神輿を大きく左右に振ったりしながら威勢良く通り過ぎて行きます。


子どもたちも参加。


船川八幡神宮で会った短大生たちもやってきました。


腰元を従えお姫様も登場。


各団体には「ざる」を持つ係の人がいてお供え物を用意している人に近づくと……


ざるの中にお供え物を入れてもらえます。


すべての団体が通り過ぎ先頭の武器行列のほうへ行ってみると折り返し地点で休憩中、復路に参加する団体は同じ場所で休憩していますが、往路のみ参加の団体は自分たちの地域へ帰って行きました。


20分ほど休憩ののち船川八幡神宮への復路が始まります、たまたま居合わせた下校途中の高校生も座って行列が通過するのを待つことに。


いかにも昔ながらの町並みが残る通りに陣取ります。


御馬がやってきました。


こちらは地元の人たちが多かったため、御馬を拝む姿を見かけました。


続いてみこしがやってきましたが皆お疲れの様子。


到着地点の船川八幡神宮へ戻るには急勾配の階段を上る必要があります、待ち構えていると武器行列の先頭が見えてきました、その時……


なんと遊んでいた小学生たちが土下座し始めました。


郷士監察の人が「土下座はしなくていいよ」と優しく声を掛けています。


土下座から解放された子どもたちは体育座りで武器行列の通過を見学、ここからの階段が正念場です。


もう一踏ん張りという感じで力を振り絞って上っていきます。


「御馬はどうするのだろう」と思っていましたが、御馬は傾斜の緩い坂道のほうを上って行きました。


みこしたちも次々と上って行きます。


拝殿前では先頭を歩いていた御先払がそのまま残る形で立ち「下にー、下にー」と武器行列の最後の一人が到着するまで掛け声を発していました。


すべての行列が到着し行列の行程は終了、参加していた短期大学の生徒たちは記念撮影を行っています。


このお供え物は短期大学の生徒さんが集めたもの、ざる一杯集まりましたが記念撮影に夢中だったためにここで悲劇が……


他の団体のざると並べて置いていたために、全部自分たちのものと勘違いした別の団体の方が短大生のざるも一緒に持って帰ってしまいました。


名前こそ「土下座祭り」ですが、実際には土下座までする必要はなくちょっと拍子抜けする部分もありますが、行列が通過する際に漂う張り詰めた緊張感は相当なもので、膝をついて座っているだけでもまるで土下座をしているような気分になります。昨今の「土下座ブーム」とは関係なく、地元の人たちが昔からの伝統を守って行っている立派なお祭りでした。

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in 取材, Posted by darkhorse_logmk