ネットサービス

Xと音楽出版社が3年間の著作権紛争で和解


2023年6月、全米音楽出版社協会(NMPA)が複数の音楽出版者を代表してXに対し「楽曲の著作権侵害投稿を放置した」として2億5000万ドル(約375億円)の損害賠償を求める訴訟を提起しました。約3年間続いた著作権紛争は2026年7月に和解し、共同の訴訟取り下げ合意書が提出されました。

X and Music Publishers Settle Three-Year Copyright Clash After SpaceX IPO * TorrentFreak
https://torrentfreak.com/x-and-music-publishers-settle-three-year-copyright-clash-after-spacex-ipo/

NMPAは2023年6月、ユニバーサルミュージックグループ、コンコード・ミュージック・グループ、ソニー・ミュージックパブリッシング、ワーナー・チャペル・ミュージックといった複数の音楽出版者を代表して、X(当時Twitter)に対して2億5000万ドル(約375億円)の損害賠償を求める訴訟を提起しました。NMPAはXがユーザーの投稿した著作権侵害コンテンツを放置し、著作権侵害コンテンツをホストおよびストリーミングし、著作権の侵害を続けるユーザーに目をつぶってプラットフォームの利用を続けさせている点を問題としていました。

Twitterが楽曲の著作権侵害ツイートを放置したとして全米音楽出版社協会から約350億円の損害賠償を求められる - GIGAZINE


Xの著作権問題はイーロン・マスク氏がTwitterを買収する前から問題となっており、NMPAは訴訟を提起する前の2021年12月から「毎週著作権侵害通知を送信していた」そうです。この訴訟に対してXは裁判所に棄却を求めていましたが、裁判所側はユーザーがより長い動画をアップロードできる有料サービス「X Premium」を通じて「著作権侵害を助長した」というNMPAの主張の一部を認めたほか、「Xがクレームに対応せず、『侵害を繰り返す者』に対して適切な措置を取らなかった」というNMPAの主張を却下するよう求めるXの申し立ても却下しています。

その後、両者は和解を進めているとされていた2026年1月には、Xが逆に「12社以上の音楽出版社とその業界団体であるNMPAが、プラットフォームに業界全体のライセンスを購入させることを目的として共謀した」と非難して訴訟を提起しました。Xによると、NMPAは合計で20万件以上の「根拠のない」DMCA通知により多数のアカウントを停止しているとのことで、これは「音楽業界全体のライセンス契約締結を迫るための威圧行為」であり「ライセンス契約を強制するための『DMCAの武器化』」と指摘されました。

Xが「DMCA削除依頼を過剰に武器化した」としてソニーやユニバーサルなどの音楽レーベルを訴訟 - GIGAZINE


また、別の訴訟で2026年3月にアメリカの最高裁判所が「ISPは海賊版利用者の著作権侵害行為について共同責任を負わない」と判断し、責任を問うにはサービス提供者が著作権侵害を意図していたことを証明する必要があり、証明するためには「サービス提供者が積極的に侵害行為を誘発した」または「当該サービスに実質的な非侵害用途がない」のどちらかに該当する必要があると結論付けました。これを受けてXは「この新たな判決に基づけば、サービス提供側に寄与侵害を問うことは法律上成立せず、訴訟全体が却下されるべき」と主張し、訴訟の棄却を申請しています。

出版社側は訴訟の棄却申請に対し第二次修正訴状を提出し、訴訟内容を侵害行為を知りながらそれを実質的に支援・助長した「寄与侵害」から、著作権侵害を積極的に促したとする「誘引侵害」を中心とした主張へと変更しましたが、X社はこれを「適切な根拠のない後付けの試み」と批判しました。一方で、出版社側は証拠が不十分であるとして、Xによる独占禁止法訴訟の棄却を求めました。

法廷闘争の過激化が注目されていましたが、2026年7月16日にテネシー州中部地区連邦地方裁判所とテキサス州北部地区連邦地方裁判所に、同一の条件で共同の訴訟取り下げ合意書が提出されました。この合意書により、NMPAがXを訴えた著作権紛争およびXがNMPAを訴えた訴訟のいずれもすべての請求が却下され、双方がそれぞれ弁護士費用と諸経費を負担する形で和解となりました。


NMPAの訴訟では2億5000万ドル(約375億円)の損害賠償を請求しており、XもNMPAに対する訴訟で金額が明示されていない損害賠償を求めていました。しかし、和解内容には双方共に賠償金に関する言及はなく、また音楽のライセンスに関する契約も発表されていないため、金銭的な取り決めがあったかどうかは不明です。

このタイミングでの和解となったことについて、著作権関連のニュースを扱うTorrentFreakは「Xを運営するSpaceXは2026年6月に新規株式公開(IPO)で750億ドル(約12兆円)を調達しており、そのわずか数週間後となるこの和解は、訴訟損失を深刻な不確実性と感じる投資家の不安を解消する狙いがあった可能性がある」と指摘しています。

・関連記事
Twitterが楽曲の著作権侵害ツイートを放置したとして全米音楽出版社協会から約350億円の損害賠償を求められる - GIGAZINE

X(旧Twitter)を著作権侵害で訴える音楽レーベルとの訴訟に進展 - GIGAZINE

Xが「DMCA削除依頼を過剰に武器化した」としてソニーやユニバーサルなどの音楽レーベルを訴訟 - GIGAZINE

「サービス提供だけでは著作権侵害幇助にならない」というISPへの最高裁判決を受けてXも訴訟棄却を裁判所に申請 - GIGAZINE

イーロン・マスク率いるSpaceXが世界最大の新規株式公開(IPO)で約12兆円を調達 - GIGAZINE

in ネットサービス, Posted by log1e_dh

You can read the machine translated English article X and music publisher reach settlement i….