OpenAIのAIエージェントで中古車売買の顧客対応を自動化、サポート解決率50%向上・業務時間80%短縮・離脱顧客12%復帰などを達成した事例

OpenAIが2026年7月16日、中古車売買サービスを展開するCars24によるAI活用事例を公開しました。Cars24はOpenAIの技術を使った音声・チャット対応のAIエージェントを導入しており、月間100万分を超える顧客との会話を処理しています。導入後はカスタマーサポートの解決率が50%向上したほか、主要なサービス業務が完了するまでの時間が80%短縮され、いったん離脱した自動車の売却希望者のうち12%を商談に呼び戻せたとのことです。
How Cars24 scales conversations and builds faster with OpenAI | OpenAI
https://openai.com/index/cars24/

自動車を購入する場合、予算や家族構成に合わせた車の選定、試乗の予約や書類の用意、ローンの申し込みなど、さまざまな手続きが発生します。特にインドの自動車売買では電話や書類確認、担当者からの折り返し連絡などアプリの外で進む手続きが多く、一連の手続きに数日から数週間かかる場合があるとのこと。利用者が増えるほど対応する従業員も増やさなければならず、Cars24にとってサービス品質を保ちながら膨大な数の顧客対応を処理することが課題になっていました。
Cars24が課題の解決に利用したのがOpenAI APIを組み込んだ音声・チャット対応のAIエージェントです。質問に文章で回答するだけでなく、顧客から必要な情報を聞き取り、商品を提案したり予約を確定したりと、購入や売却に必要な一連の作業を進められる仕組みになっています。

購入希望者から電話がかかってくると、AIエージェントは予算や家族の人数、通勤事情、希望する自動車の種類などを確認します。聞き取った条件を基にCars24の商品から候補を提案し、試乗の予約やローンの検討まで支援するとのこと。
試乗日が近づくとAIエージェントが試乗の予定を確認し、希望条件が変わっていれば別の自動車を提案します。試乗後には購入を進めるか、別の試乗を予約するか、ほかの候補を探すかを確認。購入後も保証や返品、アフターサービスに関する問い合わせを受け付けます。
一方、自動車を売却する場合も車両情報の入力や査定日の調整、価格交渉などが発生します。Cars24は自動車を売りたい利用者に対して、車両情報の聞き取りや査定予約、予約日前の通知、欠席した場合の再予約などをAIエージェントに担当させているとのこと。他社へ売却した利用者から競合に関する情報を集める役割も担います。
従来は問い合わせから10日以上が経過すると連絡が途切れた売却希望者を取り戻すのが困難でした。AIエージェントは離脱した利用者へ改めて連絡し、売却する意思が残っているかを確認します。Cars24が希望に沿う価格を提示できる場合は商談に戻し、離脱していた売却希望者の12%を呼び戻したとのこと。
Cars24は顧客対応だけでなく、社内業務にもChatGPT Enterpriseとソフトウェア開発支援ツールのCodexを導入しています。約600人の従業員が利用しており、日次アクティブ利用率は85%~90%に達しているそう。

開発部門では、プロジェクト管理サービスのLinearで作業内容を記録する「チケット」の作成や整理をCodexが支援します。バグ報告でCodexを指定するとあらかじめ定義された作業を引き受けるほか、GitHub上の作業内容をまとめてチームへ報告することも可能。進捗共有のための短い定例会議を減らすことにつながったとされています。
財務部門では複数の社内システムから数値を集め、分析や投資家向け資料の作成に利用しています。一定額を超える購入申請や発注書をCodexに確認させ、異常があれば担当者へ知らせ、問題がなければ自動承認する業務も構築されました。
さらに一部の部署はSlackやGmail、WhatsAppなどを接続した業務補佐役のAIエージェントを作成し、連絡や予定調整、採用業務、確認が必要な案件の追跡に利用しています。従業員が社内の開発部門へ依頼するのではなく、各部署が必要な業務ツールを自ら作る運用へ移りつつあるとのこと。
OpenAIは今回の事例を通じて、AIが顧客対応と社内業務の両方を支える基盤になりつつあると説明しています。
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