マンガ形式でチャットするIRCクライアント「Microsoft Comic Chat」がオープンソース化

Microsoftは2026年7月16日、入力された会話をマンガのコマとして自動的に描画するIRCクライアント「Microsoft Comic Chat」のソースコードを公開しました。1996年の正式リリース前から1998年のベータ版までのコードに加え、現行のWindows環境で動作させるための改修例もGitHubで公開されています。
Microsoft Comic Chat is now open source | Microsoft Open Source Blog
https://opensource.microsoft.com/blog/2026/07/16/microsoft-comic-chat-is-now-open-source/
microsoft/comic-chat: Source code for the Microsoft Comic Chat IRC client
https://github.com/microsoft/comic-chat
Microsoft Comic Chat, an IRC client from 30 years ago that helped popularize Comic Sans, is going open source | Windows Central
https://www.windowscentral.com/microsoft/windows-11/microsoft-comic-chat-an-irc-client-from-30-years-ago-that-helped-popularize-comic-sans-is-going-open-source
Microsoft Comic ChatはMicrosoft ResearchのVirtual Worlds Groupに所属していたデビッド・カーランダー氏が1995年に開発したもの。Visual C++ 4.0とMicrosoft Foundation Class Libraryを使って開発され、1996年にInternet Explorer 3.0の一部として提供された後、Windows 98やMSNにも収録されました。、インターネット上のチャットシステム「IRC」に接続するためのソフトウェアです。
IRCでは通常、参加者が入力した文章が時系列でテキストとして表示されますが、Comic Chatは会話の参加者をマンガのキャラクターに置き換え、発言を吹き出し付きのコマとして表示します。
Comic Chatではユーザーが文章を送信すると、内蔵されたエキスパートシステムが発言内容や会話の流れを分析します。その結果を基に、画面に登場させるキャラクター、表情や身ぶり、立ち位置、吹き出しの形、コマの構図、拡大率などがリアルタイムで決定されます。実際に動作しているところは以下のムービーで見ることができます。
Microsoft Comic Chat. David Kurlander. Microsoft Research. January 1996. - YouTube

Comic Chatは標準的なIRCサーバーに接続するため、通常のテキスト型IRCクライアントを使っている相手とも会話できます。相手がComic Chatを使用していない場合でも、その参加者には自動的にキャラクターが割り当てられ、Comic Chat側では会話全体がマンガとして表示されます。
登場人物のデザインを手がけたのは、独立系マンガ家のジム・ウードリング氏。開発チームは実際のチャット記録をウードリング氏に渡してイラスト化してもらい、その結果を参考にしながら、会話を自動的にマンガへ変換する仕組みを構築したとのことです。
また、Comic Chatは、書体「Comic Sans」が広く知られるようになったきっかけの1つとしても知られています。

Comic SansはMicrosoftのタイポグラファーであるビンセント・コナーレ氏が1994年にデザインした書体で、手書き風の形がComic Chatの吹き出しに適していたことから採用されました。MicrosoftはComic Chatについて、Comic Sansが実際に使用された最初の主要な場所だったと説明しています。
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今回公開されたリポジトリには、1996年8月のリリース前版とバージョン1.0、1998年のバージョン2.1ベータおよびバージョン2.5ベータ1のソースコードが収録されています。SDKや関連ツール、Java版クライアント「JChat」、サンプルボット、内部設計資料なども含まれており、ライセンスにはMIT Licenseが採用されています。
さらに、現在のVisual Studioでビルドできるようにした改修例も用意されています。高DPIディスプレイでの表示調整、マウスホイールによるスクロール、吹き出し内の文章の折り返し、現行のIRCサーバーへ接続するためのTLS対応などが加えられており、現代のWindows環境でもComic Chatを動かせることが示されています。
ただし、MicrosoftはGitHubのリポジトリを歴史的資料として公開された読み取り専用のアーカイブであり、Microsoftによって継続的に保守されるプロジェクトではないと述べ、今回のオープンソース化について「オンラインコミュニケーションの進化における重要なソフトウェアを保存するとともに、開発者や研究者、レトロコンピューティング愛好家がコードを調査し、新たな改良や移植、実験に利用できるようにする取り組み」と説明しています。
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in 動画, ソフトウェア, Posted by log1i_yk
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