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映画「ジュラシック・パーク」に登場するコンピューターやモニターはどんなものなのか?


1993年に公開された映画「ジュラシック・パーク」で登場するコンピューターについて、コンピュータープログラマーのファビアン・サングラール氏が解説しています。

Jurassic Park computers in excruciating detail
https://fabiensanglard.net/jurrasic_park_computers/index.html

◆Powerbook 100
作中で最初に登場するコンピューターは、サム・ニール演じる考古学者のアラン・グラントと、古植物学者エリー・サトラー(演:ローラ・ダン)が乗る移動式トレーラーの中に置かれたAppleのノートPCのPowerbook 100です。以下の画像で、左隅にキーボード部分が映り込んでいます。


Powerbook 100は1991年発表の端末で、CPUにモトローラの68HC000(CPU周波数16MHz)、メモリ(RAM)は2~8MB、解像度640×400ピクセルの9インチ(23cm)モノクロバックライト付き液晶ディスプレイを搭載。日本語版のOSには漢字Talkのバージョン6.0.7.1を採用していました。

このPowerbook 100以外はすべてパークの管制室で働くエンジニアのデニス・ネドリー(演:ウェイン・ナイト)と、チーフエンジニアのレイ・アーノルド(演:サミュエル・L・ジャクソン)の机の上にあります。

ネドリーのデスクにはPC3台とPDA1台、ストレージデバイスが乱雑に置かれています。


一方、アーノルドのデスクは整頓されていて、PC2台とストレージデバイス、監視カメラのモニターがあります。


さらに、管制室の奥には巨大なモニターと背の高いパネルと点滅する赤いライトを備えたスーパーコンピューターが配置されています。映画の特殊効果コーディネーターを務めたコーリー・フォーチャー氏は、この管制室について「セット内のものはすべて本物でした。観客のコンピューターに関する知識が非常に豊富になったため、偽装は不可能でした。セットと舞台裏の管制室の設備には、シリコングラフィックスから貸与された87万5000ドル(約1億4200万円)相当のコンピューターハードウェアと、Appleから提供された35万ドル(約5700万円)相当のハードウェア、そしてその他の企業から提供された50万ドル(約8100万円)相当のハードウェアとソフトウェアが使用されています」とThe Making of Jurassic Parkの中で語っています。

◆SGI R4000 Indigo
アーノルドが使用しているワークステーションは、シリコングラフィックスのSGI R4000 Indigoです。映画の54分48秒頃に一瞬登場します。


また、映画終盤でヴェロキラプトルの足元に映り込んでいます。


The Making of Jurassic Parkには、「大型スクリーンと各ワークステーションのコンピューターモニターの両方でグラフィックを作成するために、ダイナミックでインタラクティブな手法が採用されました。撮影セットの隣に仮設の部屋が作られ、そこにシリコングラフィックスとAppleのコンピューターシステムが多数設置されました。コンピューターディスクにはマイケル・バックス率いる4人編成のコンピューターグラフィックスチームが6カ月かけて作成したアニメーションが保存されていました。バックスとそのチームは、撮影現場から無線で送られてくる指示に従い、グラフィックを舞台上の適切なモニターに直接送り込むことで、まるで俳優たちが実際に映像を呼び出しているかのように見える演出を実現しました」と記されています。

サングラール氏に情報提供した元放送エンジニアのグレゴリー・ゴッソン氏によると、SGI R4000 Indigo上で動作しているハリケーンのアニメーションを表示しているソフトウェアは、ポール・ダグラス氏の開発した「Earthwatch」と呼ばれるものだそうです。


◆SGI IRIS Crimson
ネドリーが使用している高性能ワークステーションはSGI IRIS Crimsonです。名前の通りクリムゾン(紅色)で、あまりに巨大なためデスクの上には載せられず、机の右奥に置かれています。ただし、劇中でSGI IRIS Crimsonは3Dのチェスゲームを表示するためだけに使用されています。


SGI IRIS Crimsonは1992年に発売された高性能ワークステーションで、最大の魅力はリアルタイム3Dグラフィックスカードを搭載している点です。CPUも非常に高性能で、ミシップス・テクノロジー製のR4000もしくはR4400を搭載しています。メモリは最大256MB、ストレージは最大7.2GBを搭載。さらに、追加のエンクロージャーを使用することで、最大72GB以上に拡張することができます。

◆PLI Mini Array
ネドリーとアーノルドは、どちらもバックアップ用のストレージとしてPLI Mini Arrayを使用しています。ネドリーのデスクの左端に積まれているのが5台のPLI Mini Arrayです。


アーノルドのデスクに積まれているPLI Mini Arrayは2台。モニターの右横に積まれています。


サングラール氏は「映画では細部にまで気を配っているにもかかわらず、LEDが点灯していないため、PLI Mini Arrayは接続されていなかったようです」と指摘しています。なお、PLI Mini Arrayの販売価格は660MBのモデルが2948ドル(約47万8000円)、1.04GBのモデルが3598ドル(約58万3000円)でした。


◆Motorola Envoy
ネドリーの右ひじ近く、画面でいうと左側にあるのが携帯情報端末のMotorola Envoyです。Motorola Envoyは1990年代初頭のデバイスとしては非常に印象的なもので、展開するとアンテナが現れる折りたたみ式端末です。


Motorola Dragon I/68349マイクロプロセッサ、4MBの読み出し専用メモリ(ROM)、1MBのランダムアクセスメモリ(RAM)などが搭載されています。Motorola Envoyは無線通信機能も有しており、4800bpsの通信が可能な無線モデムや38.4kbpsのデータ転送が可能な赤外線トランシーバーなども搭載しています。


なお、映画の撮影は1992年8~11月に行われましたが、MotorolaがMotorola Envoyを完成させたのは1994年半ばで、発売したのは1995年2月です。そのため、サングラール氏は「ジュラシック・パークのスタッフがどうやってMotorola Envoyを入手したのかはわからない」と記しています。

◆Thinking Machines CM-5
管制室に置かれたスーパーコンピューターは、数千個の赤色LEDが点滅する特徴的なフロントパネルを備えたThinking Machines CM-5が5台並んでいるように見えます。Thinking Machines CM-5の価格は1台当たり4万6000ドル(約750万円)です。


Thinking Machines CM-5は1991年に発売されたスーパーコンピューターで、映画公開当時も世界で最も強力なコンピューターのひとつであると考えられていました。

アメリカ国立大気研究センターは1993年に32ノード構成のCM-5を導入し、「Littlebear」と名付けて運用していました。

Connection Machine 5 - Littlebear | Computational and Information Systems Lab
https://www.cisl.ucar.edu/ncar-supercomputing-history/littlebear

◆SuperMatch 20-T
SuperMatch 20-Tは1993年当時に購入できた最高級モニターのひとつで、サイズは20インチです。販売価格は2589ドル(約42万円)でした。


1993年当時、20インチモニターは非常に巨大で、プロの作業現場でしか見かけることのないものだったそうです。

なお、開発元のSuperMatchは、モニターを撮影した際に発生しがちな縞模様が映り込まないよう、モニターのフレームレートと映画のフレームレートを同期させるための専任スタッフを撮影現場に派遣し、細心の注意を払ったそうです。

◆三菱 HL7965
三菱 HL7965は、シリコングラフィックスのワークステーション向けの19インチモニターをリブランドしたもの。価格はSuperMatch 20-Tと同程度だったとサングラール氏は記しています。


◆SGI Granite Keyboard
アーノルドのデスクには側面にコネクタが付いた変わったキーボードが置かれています。両側面に6ピンのミニDINコネクタがあるSGI Granite Keyboardというキーボードです。左右のどちら側からもワークステーションに接続することが可能。

アーノルドは複数のシーンでSGI Granite Keyboardを利用しています。


◆Macintosh Quadra 700
ネドリーは2台のMacintosh Quadra 700を使用しています。1991年に発売されたMacintosh Quadra 700は、CPUにモトローラのMC68040を搭載しており、CPU周波数は25MHzです。メモリは4~68MBで、HDDは80~160MB。アーノルドもMacintosh Quadra 700を1台利用しています。

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in ハードウェア,   映画, Posted by logu_ii

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