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一流のバスケ選手でもフリースローを外してしまうことがあるのはなぜ?


バスケットボールでは一方のチームがファウルなどを犯した際、もう一方のチームにゴール付近から誰にも邪魔されずシュートを放てる「フリースロー」の権利が与えられることがあります。一流選手にとっては簡単なように思えるフリースローですが、世界最高峰のNBAでさえ成功率は70~90%程度であり、キャリア通算で60%程度にとどまる選手もいます。一体なぜ、一流のバスケットボール選手でもフリースローを外してしまうのかについて、アメリカのミシシッピ州立大学で農業・生物工学准教授を務めるデビッド・ファン・デン・ヒーバー氏が解説しました。

Neurophysiological and Biomechanical Determinants of Successful Basketball Throws: Journal of Motor Behavior: Vol 57 , No 5 - Get Access
https://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/00222895.2025.2532478

Why do basketball players miss shots they’ve made a thousand times before? Neuroscience has an answer
https://theconversation.com/why-do-basketball-players-miss-shots-theyve-made-a-thousand-times-before-neuroscience-has-an-answer-279040

一流のバスケットボール選手は常人では考えられない量の練習をこなし、これまでに何千回とフリースローのシュートを決めてきたはずです。それにもかかわらず、大学最高峰のNCAA男子バスケットボールトーナメントやNBAの試合では、たびたび選手がフリースローを外してしまうシーンがみられます。


数十年にわたるエリートアスリートの研究によると、一流選手では競技特有の動作が一貫しており、脳はその課題に最適化されていることが示されています。つまり、エリートアスリートの脳内では不必要な脳活動が少なく、特定の動作に集中した処理が行われているというわけです。

ヒーバー氏らの研究チームは、人々がバスケットボールのスキルをどのように習得していくのかを調べるため、初心者~中級者の選手がシュートを打つ際の体の動きと脳活動を記録しました。具体的には、モーションキャプチャー技術を使用して選手の動きのメカニズムを分析するとともに、脳波計を用いてシュート中の神経活動を分析したとのこと。短い練習と測定装置に慣れる時間を設けた後、選手らは50回シュートを放って、シュートが決まった場合と決まらなかった場合の違いが比較されました。


分析の結果、すべての選手においてシュートの成功は「より一貫性のある動作パターン」と関連していることが判明。シュートが成功した場合、選手の脚と下半身は安定した支持基盤となる位置に置かれ、体全体のバランスが向上しており、ボールへの力の伝達がより効果的になっていました。また、各関節の動きはより協調的になり、特に手首と肘といった重要な部分では動作のばらつきが減少していることが確認されました。

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in 無料メンバー,   サイエンス, Posted by log1h_ik

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