「シュートすれば絶対にゴールできるバスケットゴール」を作成するムービー
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さまざまなモノを自作するYouTubeチャンネルのStuff Made Hereが、ボードにバスケットボールを当てれば「必ずゴールできる」というバスケットゴールを自作しています。
How I made a basketball hoop that always goes in - YouTube
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Stuff Made Hereが作成したバスケットゴールは、正確には「バックボードのどこに当たってもボールがゴールに入るバスケットゴール」です。原型となったのはAmazonなどで販売されている家庭用バスケットゴールの「SKLZ バスケットボール練習用 ゴール プロミニフープ 004015」で、Stuff Made Hereはバックボード部分を自作しています。
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バスケットゴールのバックボードのどこにボールが当たっても……
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ボールはリングを通りゴール。
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「バックボードのどこに当たってもボールがゴールに入るバスケットゴール」を、角度を変えて見るとこんな感じ。ゴールリング以外は完全自作で、通常のバックボードとは異なり曲面状になっているのがポイントです。
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「バックボードのどこに当たってもボールがゴールに入るバスケットゴール」を作成するには、バックボードの形状を計算する必要があります。そのためにはさまざまなプログラミングが必要になってくるとのこと。
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Stuff Made HereはiPadでコンセプトというアプリを使用して、バックボードに当たったバスケットボールの軌道について説明しています。
通常のバスケットゴールはゴールリングのすぐ側に四角形の枠が描かれており、ここにボールを当てるとゴールに入ると考えられています。この四角形の枠のサイズは縦45cm×横59cmで、線の太さは5cmと定められています。
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つまり、簡単に言えばこの枠外にボールが当たるとゴールには入らないということになります。そこで、この枠をバックボード全体に拡張し、バックボードのどこに当たってもボールがゴールに入るようにしようとStuff Made Hereは考えたわけです。
バックボードのどこにボールが当たってもゴールに入るようにするには、バックボードの形状を変える必要があります。横方向の動きだけを考えれば、以下のようにバックボードを曲面にすればどこに当たってもボールがゴールに入るようにできるはず。
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縦方向についても同じです。
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難しいのはこの形状を正確に理解し、バックボードとして再現すること。Stuff Made Hereが「バックボードのどこに当たってもボールがゴールに入るバスケットゴール」を作成するために用いたのは、モンテカルロ法です。モンテカルロ法を用いて何千万本ものシュートをシミュレーションすることで、「バックボードのどこに当たってもボールがゴールに入るバスケットゴール」のための形状を導いていったというわけ。
そんなシミュレーションの末に導き出された形状は、「衛星放送を受信するためのパラボラアンテナのような形状」とStuff Made Hereは解説しています。パラボラアンテナはお椀状の形となっており、これは平行に飛んでくる電波をアンテナの軸部分に一点集中するよう反射するための形状です。
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パラボラアンテナに対して電波は直線で飛んできますが、バスケットゴールのバックボードに飛んでくるボールの軌道は放物線状です。そのため、バックボードから跳ね返ったボールの軌道も放物線状になります。また、バックボードから跳ね返るボールの軌道は、シュートの速度によっても変化するため、それらを考慮してバックボードの形状を計算する必要があります。
加えて、バスケットボールでは下方向からボードがバックボードにぶつかり、上方向に跳ね返るというケースもあります。しかし、今回は山なりの弧線の軌道を飛ぶものだけを確実にゴールに入れるためのバックボードを作成することに。
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なお、「SKLZ バスケットボール練習用 ゴール プロミニフープ 004015」に付属してきたバスケットボールはNBAなどで使用されている6.5号サイズのバスケットボールよりも小さなものであったため、ある程度シュートの強さが異なっていても、同じ軌道ならばボールがゴールに入るというケースがあったそうです。
モンテカルロ法を用いてバスケットコート上のさまざまな位置からシュートを放つシミュレーションを何千万回も行い、「この角度からのシュートの場合、バックボードがこの角度ならばゴールに入る」という計算を何千万回も実行。
以下が画像はバスケットのコートを簡易的に表したもので、赤い円がゴールリング。
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以下は赤色の点線がボールの軌道、青色の角度が「ボールがゴールに入る角度」を表しています。
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バックボード上の同じ点でもシュートの種類(速度や角度)が異なれば跳ね返ったあとのボールの軌道も異なるため、すべてのバランスを取りながら計算を進める必要があります。
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当然シミュレートはプログラミング上で行われており、ムービーではその一部が公開されています。
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以下の画像は1カ所から異なる16種類の軌道のシュートをシミュレーションしている様子。
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こうしてバックボード上のすべての点で最適な角度を導き出し、この数値からバックボードの形状を作成。バックボードの形状は3D CADソフトのFusion 360で作成してSTLファイルで出力。
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そしてTORMACH製のコンピュータ数値制御(CNC)切削マシンである1100MXを用いて木材を加工。
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こうして完成したのが以下のパーツ。
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パーツを組み上げるとムービーの最初に出てきた曲面上のバックボードとなります。
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また、パーツ間にできた隙間は、隙間やひび割れ用の断熱フォームシーリング材であるGaps&Cracks Insulating Foam Sealantで埋めています。
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というわけでStuff Made Here作の「絶対にボールが入るバスケットゴール」が完成。
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実際にシュートしてみたところ、絶対にゴールに入るわけではなく、何度もボールがリングに当たってしまいました。これはリングの厚みとボールの半径を考慮していなかったため起きた問題だったそうですが、リングの位置を少しだけ前方向に動かしてあげることで解決したそうです。
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また、ボールの投げ方も重要で、ゴールリングを直接狙わずに、バックボードにボールを当てることで確実にゴールを決めることができるようになるとのことです。
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