自宅に庭があったり近所に公園があったりする人は糖尿病リスクが低いという研究結果

2型糖尿病は血中グルコース(ブドウ糖)の取り込みを促進するインスリンの働きが弱まり、血糖値が高くなる病気であり、さまざまな合併症による死亡リスクも高くなります。そんな2型糖尿病のリスクが、自宅の庭や近所の公園といった要因に左右されている可能性があるとの研究結果が報告されました。
Private garden exposure and public park access in relation to type-2 diabetes incidence: a UK Biobank cohort study | BMC Public Health | Springer Nature Link
https://link.springer.com/article/10.1186/s12889-026-28277-1
Home gardens reduce risk of type 2 diabetes - News - The University of Queensland
https://news.uq.edu.au/2026-08-home-gardens-reduce-risk-type-2-diabetes
Scientists Found a Surprisingly Simple Way to Cut Your Type 2 Diabetes Risk : ScienceAlert
https://www.sciencealert.com/home-gardens-and-local-parks-could-be-reducing-your-risk-for-type-2-diabetes
2型糖尿病のリスク因子には遺伝子や生活習慣などがありますが、近年では住環境も2型糖尿病リスクに関連していることが示唆されています。そこでオーストラリア・クイーンズランド大学などの研究チームは、庭や公園へのアクセスと2型糖尿病リスクとの関係を調査しました。
研究ではイギリスの大規模バイオバンクであるUKバイオバンクに含まれる40万人以上のデータを使用し、中央値で15.4年の追跡期間中に2型糖尿病を発症した人を特定しました。さらに、イギリスの包括的緑地データセットであるOS MasterMap Greenspace Layerを用いて、自宅やその周辺にある庭や公園へのアクセス状況を調べたとのこと。

データを分析した結果、自宅から100m以内に広い庭を持っている人はそうでない人と比較して、2型糖尿病を発症するリスクが6.8%低いことがわかりました。また、自宅周辺に4つ以上の公園がある人は、2型糖尿病の発症リスクが5.7%低いことも示されています。
論文の筆頭著者であり、クイーンズランド大学公衆衛生学部の環境疫学者であるチノンソ・オデベアトゥ氏は、「今回の研究は、緑地を計画する際には公衆衛生上の配慮を優先する必要があることを示しています。庭を持つことは単なる美観の問題にとどまらないことが、証拠によって示されているのです」とコメントしました。
今回の研究はあくまで「近所にある庭や公園」と「2型糖尿病の発症リスク」の相関関係を調べた観察研究であり、必ずしも「庭があったり公園が近かったりすると2型糖尿病リスクが低下する」という因果関係を証明するものではありません。
とはいえ、運動は2型糖尿病リスクを軽減するのに役立つことがわかっており、広い庭や公園にアクセスしやすい人はそうでない人より運動量が多いと考えるのは理にかなっています。実際に2017年の研究では、公園の数が多い地域に住む人々は公園が少ない地域の人々と比較して、毎週約24分多く運動していることが報告されています。
加えて、所得や教育水準が低い人々は2型糖尿病になるリスクが高く、これらの人々は公園などの緑地へアクセスする機会が少ないとの研究結果もあります。また、世界的な住宅危機が深刻化する中で、社会経済的地位が低い人が広い庭を持つことはますます難しくなっています。

科学系メディアのScienceAlertは、個人の庭は外出前に身だしなみを気にすることなく屋外で過ごす時間をもたらし、より実践的なアウトドア体験を提供する可能性があると指摘。論文の共著者であり、クイーンズランド大学公衆衛生学部の疫学者であるニコラス・オズボーン准教授は、「身体活動に加えて、庭で過ごすことはビタミンDの生成を促すのにも役立ち、屋外にいることによる回復効果は精神的な健康に大いに貢献します」と述べました。
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in サイエンス, Posted by log1h_ik
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