人類の数はすでに地球の持続可能な収容限界を超えてしまったとの研究結果

日本では少子高齢化が問題となっている一方、世界の中にはどんどん人口が増え続けている国や地域も多く、2025年には世界人口が82億3200万人に達したと報告されています。2026年3月に学術誌のEnvironmental Research Lettersに掲載された論文で、すでに人口は地球が持続的に支えられる限界を突破してしまっていると研究者らが指摘しました。
Global human population has surpassed Earth’s sustainable carrying capacity - IOPscience
https://iopscience.iop.org/article/10.1088/1748-9326/ae51aa
Global human population pushing Earth past breaking point – News
https://news.flinders.edu.au/blog/2026/03/30/global-population-pushing-earth-past-breaking-point/
Earth's Population Has Surpassed The Planet's Capacity, Study Suggests : ScienceAlert
https://www.sciencealert.com/earths-population-has-surpassed-the-planets-capacity-study-suggests
ある環境において、特定の生物が継続的に生存できる限界量のことを環境収容力といいます。これは、特定の環境において利用可能な資源の量とその再生速度に基づいて、資源を消費する生物が長期的に生存できる個体数を推定したものです。
地球上に生息する人類にも環境収容力が存在しますが、近年の人類は資源の再生という問題を克服するため、化石燃料などを活用して限界値を押し広げてきました。しかし、記事作成時点ではアメリカやイランの戦争によって石油危機が発生しており、化石燃料に依存することの危険性が認識されつつあります。
オーストラリアのフリンダース大学で地球生態学教授を務めるコーリー・ブラッドショー氏らの研究チームは、「今日の経済は途切れることのない成長を前提としており、持続的な人口増加に伴う再生上の制約を認識していないようです。なぜなら、化石燃料が人口増加と資源再生のギャップを人為的に埋めているからです」と指摘しています。
そこで研究チームは、過去2世紀にわたる世界規模および地域規模の人口規模と成長率の変化を追跡し、証拠に基づいた人類の環境収容力を推定しました。ここで重要なのは、飢餓や戦争などを考慮しない理論的な限界値である「最大環境収容力」と、人口が持続可能かつ最低限の生活水準を満たす「最適環境収容力」を区別した点です。
以下のグラフは1950年~2100年の人口推移を表したもので、縦軸が人口で横軸が年代となっており、2023年以降のグラフは推定値です。シナリオによって増減するものの、次第に人口増加率は低くなっていき、2060年代後半から2070年代前半にかけて、人口が117億~124億人の間でピークを迎える可能性が高いことが示されています。

ブラッドショー氏らの研究チームは、地球における人類の最大環境収容力は約120億人程度であるものの、持続可能な最適環境収容力は約25億人程度にとどまると算出しました。つまり、記事作成時点の段階で人類は最適環境収容力を60億人近くも超過しており、もはや持続可能な人数を突破しているというわけです。
実際、国連大学は2026年1月に川・湖・地下水が自然の回復速度を超える速さで枯渇していると指摘し、地球規模の「水破産」が生じていると警告しました。また、依然として食糧不足による飢餓に苦しむ国や地域は多く、80億人を超える人口を養うことの困難さが浮き彫りとなっています。
ブラッドショー氏は、「地球は私たちが資源を利用するペースについていけません。大きな変化がなければ、今日の需要さえも支えきれないのです」「地球の生命維持システムはすでに限界に達しており、エネルギー・土地・食糧の利用方法を方法を急速に変えなければ、数十億の人々がますます不安定な状況に直面するでしょう」と述べました。
なお、地球上では常に数多くの要因が変化しているため、科学者らが人口やその変化率、環境収容力に影響するすべての要因を考慮するのは不可能です。とはいえ、今回の研究は人類が今後も地球上で生きていくため、資源の利用について再考する必要があることを示しています。

ブラッドショー氏は、「人口が少なくて消費量が少ない方が、人々にとっても地球にとってもより良い結果をもたらします。行動を起こせる時間は限られていますが、各国が協力すれば意義のある変化はまだ実現可能です」とコメントしました。
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in サイエンス, Posted by log1h_ik
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