Grammarlyが「専門家レビュー」機能を停止すると発表、「実在する専門家の名前を無断で使用」という批判を受けて

ライティングツール「Grammarly」はライティングを支援するAIエージェントの1つとして、主題に関する専門知識を持つ人物からフィードバックを受けられる「専門家レビュー」という機能を提供していましたが、「専門家として実在の人物が無断使用されている」と批判を受けていました。実際に無断で名前を使われた人から集団訴訟も起こされた結果、Grammarlyは専門家レビューを停止することを発表しました。
Back in August, we launched a Grammarly agent called Expert Review. The agent draws on publicly available information from third-party LLMs to surface writing suggestions inspired by the published… | Shishir Mehrotra | 108 comments
https://www.linkedin.com/posts/shishirmehrotra_back-in-august-we-launched-a-grammarly-agent-activity-7437552603737059328-vzTe/

Grammarly is turning off the expert review AI feature that stole our identities | The Verge
https://www.theverge.com/ai-artificial-intelligence/893270/grammarly-ai-expert-review-disabled
Grammarly removes AI feature which used real authors' identities, faces class action lawsuit | Mashable
https://mashable.com/article/grammarly-expert-review-ai-use-authors-name-identity
Grammarlyは2025年8月にライティングを支援する8種のAIエージェントを発表しました。そのうちの1つが「専門家レビューエージェント」で、論文を書いた際に著名な学者風に校正してもらったり、物語を書いた際には有名作家風に添削してもらったりと、エージェントが文章全体をスキャンして主題や執筆スタイルを理解した上で文章のトピックに関連する専門家の意見を模したフィードバックを提供するものとなっていました。しかし、フィードバックの内容に不正確さがあるというだけでなく、フィードバックを送る「専門家」として表示されるのは実在する人物であるにもかかわらず、Grammarlyはその専門家と提携しているわけではなく無断で名前を使用していたため、批判を集めていました。
著名な人物風に文章を添削してくれるGrammarlyの「専門家レビュー」は実在する人物の名前を平気で無断使用しているという指摘 - GIGAZINE

一部の作家やライターはGrammarlyを運営するSuperhumanに対して問い合わせた結果、Superhumanの製品および企業マーケティング担当副社長であるアレックス・ゲイ氏は「ユーザーと専門家の双方にとって、製品エクスペリエンスは改善の余地があると考えています。このエージェントは、ユーザーが自身の研究に付加価値をもたらす影響力のある視点や学識を発見できるよう設計されました。私たちは、そうした視点の担い手が、自分の名前の使用についてよりコントロールできるようにし、同時に影響力のある意見を届ける新たな方法を提供したいと考えています。私たちの目標は、専門家レビューを改善し、この成果を実現することです」と回答しました。合わせて、専門家レビューで名前を無断使用されたくない専門家は、Superhumanに連絡することでオプトアウト(名前の使用停止)することができるようにするということをゲイ氏は発表しています。
しかし、Grammarlyで自分の名前が勝手に使われているということは今回の件で話題になるまで知らなかった人が多く、「勝手に使われていたことに気付いたら連絡してオプトアウトできる」という姿勢には改めて多くの批判が集まりました。さらに、The New York Timesの記者であるジュリア・アングウィン氏は、Grammarlyの専門家レビューで自分の名前が使われていたことで、2026年3月11日にSuperhumanへ集団訴訟を提起しました。アングウィン氏によると、自分の名前を無断で盗用されていたことに驚いたことに加えて、自分の名前を使ったフィードバックがかなり粗悪であったことにも怒りを覚えたそうです。訴訟を担当する法律事務所は、影響を受けた全ての記者に集団訴訟への参加を呼びかけています。

こうした流れを受け、Superhumanのシシル・メロトラCEOは2026年3月12日のLinkedInへの投稿で「この1週間、エージェントが自分の意見を誤って伝えているのではないかと懸念する専門家の方々から、的確で批判的なフィードバックをいただきました。専門家レビューエージェントは、ユーザーが自身の仕事に関連する影響力のある視点や学術研究を発見できるよう支援するとともに、専門家がファンとより深い関係を築くための有意義な方法を提供することを目的として設計されました。私たちは皆様からのフィードバックに耳を傾け、この点において不十分であったことを認識しています。おわび申し上げますとともに、今後のアプローチを見直します」と謝罪を述べました。そして、「慎重に検討した結果、専門家レビューを無効化し、ユーザーにとってより便利な機能に再設計するとともに、専門家が自身の表現方法、あるいは表現しない方法を真にコントロールできるようにしました」と専門家レビューを停止することを発表しました。
また、メロトラCEOは「Grammarlyは何百万人ものユーザーにとって、あらゆるアプリケーションに常駐し、いつでもサポートを提供してくれる、頼りになるライティングの相棒です。これは専門家にとって、ユーザーと普遍的な絆を築くチャンスです。しかし、この世界では、専門家は自ら参加し、自らの知識の表現方法を形作り、ビジネスモデルをコントロールすることを選択します。私はそのような未来にワクワクしており、私たちと共にそれを発展させたいという専門家と共に築き上げていきたいと思っています」と述べており、専門家レビューを再設計する意向を示しています。
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in AI, ネットサービス, Posted by log1e_dh
You can read the machine translated English article Grammarly announced it would discontinue….






