OpenAIのGPT-5.2が物理学の新たな式を作り出すことに成功

OpenAIがGPT-5.2を用いて理論物理学の新たな式を導き出したことを発表しました。研究にはプリンストン高等研究所やハーバード大学も参加しており、人間が導き出していた複雑な式の単純化や一般化に成功しています。研究チームは成果を論文として投稿予定で、すでに未査読論文が公開されています。
GPT-5.2 derives a new result in theoretical physics | OpenAI
https://openai.com/index/new-result-theoretical-physics/
研究チームが取り組んだのは素粒子の1種である「グルーオン」の振幅に関する式の導出です。これまで、グルーオンについては「n個のグルーオンが関わる相互作用において、1個だけが負のヘリシティを持ち、残りのn-1個が正のヘリシティを持つ場合、振幅はゼロになる」という定説が存在していました。しかし、一部の研究者は「振幅はゼロにならない」と主張し、振幅の計算式を作り出すための研究を続けてきました。
人間の研究者たちはこれまでに「n=3」「n=4」「n=5」「n=6」の場合の式を導き出していましたが、nの数が増えるとともに式が急激に複雑化するという問題がありました。
人間が導き出した式が以下。式(29)は「n=3」の際の振幅を求める式で、シンプルにまとまっているように見えます。しかし、「n=4」の式(30)や「n=5」の式(31)では式が複雑になっています。

そして「n=6」の式が以下。非常に複雑になってしまいました。

今回の研究では、人間が導き出した式を単純化する作業をGPT-5.2 Proに実行させました。その結果、「n=3」「n=4」「n=5」「n=6」の式を以下のように単純化することに成功しました。

GPT-5.2 Proは上記の式に存在する潜在的な数学パターンをもとに、あらゆる粒子数に対応するシンプルな式も導き出しました。「GPT-5.2の内部スキャフォールデイング版」による12時間の推論の結果、式の証明を作成することにも成功しています。

プリンストン高等研究所で理論物理学を研究するNima Arkani-Hamed教授は今回の研究成果について「私は約15年前に始めてこの問題に遭遇して以来、ずっと興味を持っていました。このため、この論文で驚くほど単純な式が提示されたのを見て興奮しています」「私にとって『単純な式を見つける』という作業は面倒なものであり、コンピューターで自動化できるのではないかと長年考えていました。多くの分野でこうしたことが起こり始めているようです。この論文の例は、特に現代のAIツールの力を活用するのに適していると思います。近い将来、AIが『単純な数式パターンを認識する汎用(はんよう)的なツール』へと発展していくことを期待しています」とコメントしています。
研究結果を記した論文はプレプリントサーバーのarXivで公開されています。記事作成時点では論文投稿に向けたプロセスが進んでおり、OpenAIはコミュニティからのフィードバックを募っています。
[2602.12176] Single-minus gluon tree amplitudes are nonzero
https://arxiv.org/abs/2602.12176

・関連記事
OpenAIが無料でGPT‑5.2を搭載した科学論文執筆ワークスペース「Prism」を公開 - GIGAZINE
GoogleがGemini 3 Deep Thinkをベースとしたエージェント「Aletheia」で数学の自律的な研究に成功したとアピール - GIGAZINE
Gemini 3 Deep Thinkのアップグレード版が登場、知性を測定するARC-AGIで驚異的な記録を更新 - GIGAZINE
AIが計算問題を間違えただけでなくエラーを隠すために検証結果をでっち上げたという報告 - GIGAZINE
・関連コンテンツ
in AI, サイエンス, Posted by log1o_hf
You can read the machine translated English article OpenAI's GPT-5.2 successfully create….







