パーキンソン病をアメリカの農家数千人が患っており、致死性の農薬「パラコート」が原因だとして裁判が山ほど起こされている

除草剤「パラコート」は日本では毒物に指定されていますが、アメリカではパラコートの使用が続いており、「パラコートの使用が原因でパーキンソン病を発症した」という訴訟が何件も提起されています。その実態について、ミシガン州のローカルメディアであるMLiveがまとめました。
Paraquat, a pesticide sprayed on U.S. farms, blamed for Parkinson’s in lawsuit - mlive.com
https://www.mlive.com/news/2025/12/thousands-of-us-farmers-have-parkinsons-they-blame-a-deadly-pesticide.html
パラコートは毒性が強いことで知られており、中国やイギリスなど世界数十カ国で使用が禁止されていますが、アメリカでは中国子会社のシンジェンタなどが販売しています。ところが、パラコートを長年使用した農家がパーキンソン病を発症する例が多く確認されていることから、パラコートこそが農家が発症したパーキンソン病の原因だとする訴訟が何件も起こされています。
パラコートは1960年以降アメリカで農薬として広く使われるようになりましたが、記事作成時点ではアメリカの環境保護庁の規制対象となっており、免許保持者のみ使用可能としています。さらに青色染料の添加、強い臭気の付加、嘔吐誘発剤の混入を義務付け、万が一の暴露を防ぐよう求めていますが、こうした対策にもかかわらず2025年までの10年間で数百件のパラコート関連の報告が寄せられているといいます。
口に入れるだけでなく、皮膚に触れても健康被害を及ぼし、最悪の場合は死に至らしめるパラコートについて、「今は問題なくとも、将来的に健康へ影響を及ぼすのではないか」との考えが生まれています。

ルース・アン・クラウス氏は、58年間連れ添った夫がパーキンソン病と診断され、2024年に死去した経験を持ちます。クラウス氏の夫は数十年にわたり農園を営んでいて、よくマスクとゴム長靴を着用してパラコートを散布していたとのこと。クラウス氏は農薬製造元のシンジェンタと販売元のシェブロンをパラコート暴露で訴えた数千人のうちの1人で、クラウス氏ら原告は「パラコートがヒト神経細胞を損傷する可能性を認識していたにもかかわらず危険性を警告せず、パーキンソン病との関連性を示す研究結果を隠ぺいした」と主張しています。
ところが、危険性の告知はともかく、パラコートとパーキンソン病の関連性を示す証拠は見つかっていません。
シェブロンは「過去60年間に実施された数百の研究で、パラコートがパーキンソン病の原因であるという科学的なコンセンサスは得られていない」と指摘。パラコートを製造したこともなく、1986年以降は販売もしていないため、パラコート訴訟において一切の責任を負うべきではないとの立場を長年堅持しているとのことです。
シンジェンタの広報担当者は「パーキンソン病の影響に苦しむ方々には深い同情を抱いているが、科学的証拠はパラコートとパーキンソン病の因果関係を支持しておらず、指示通りに使用すればパラコートは安全であることに留意すべき」とMliveに語りました。

ただ、パラコートへの反発はすさまじく、シンジェンタとシェブロンに対する訴訟は2025年までにイリノイ州だけで6400件に上り、さらにペンシルベニア州で1300件、カリフォルニア州で450件が提訴されており、その他の州裁判所にも散在しているのが現状です。
シンジェンタによると、2021年にカリフォルニア州とイリノイ州で未公表数の訴訟を1億8750万ドル(約292億7000万円)で和解した例はあるものの、審理に至った事例はないそうです。
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in メモ, Posted by log1p_kr
You can read the machine translated English article Thousands of American farmers suffer fro….







