スマートウォッチ「Pebble」のOSやモバイルアプリが100%オープンソース化、Pebbleの持続可能性を重視

Pebbleの創設者であるエリック・ミギコフスキー氏が、Pebbleエコシステムの持続可能性を確実なものにするための重要なアップデートとして、Pebble Watchを動作させるためのソフトウェアを完全にオープンソース化したことを発表しました。これまでもソフトウェアの約95%は公開されていましたが、今回残りの部分も公開されたことで100%オープンソースとなり、万が一開発元のCore Devicesがなくなったとしても、ユーザー自身がソースコードをダウンロードしてビルドし、時計を使い続けることが可能になります。
Pebble Watch Software Is Now 100% Open Source + Tick Talk #4 - PT2 Demos!
https://ericmigi.com/blog/pebble-watch-software-is-now-100percent-open-source
Pebble Time 2 Demo + Pebble Watch SW Is Now 100% Open Source! - YouTube

Pebbleの復活プロジェクトにおいて、ミギコフスキー氏は「持続可能性」を最優先事項として掲げています。これは、かつてPebble Technologyが買収により消滅し、サーバーやアプリのサポートが断たれてしまった経験に基づいています。今回の発表で最も技術的に重要な点は、Pebbleを動かすためのソフトウェアスタックが、ファームウェアからスマートフォン向けアプリ、開発ツールに至るまで完全にオープンソース化されたことです。
具体的には、時計本体で動作するPebbleOSに加え、iOSやAndroidで動作するモバイルアプリのソースコードもGitHubで公開されました。この新しいモバイルアプリはKotlinマルチプラットフォームを使用してゼロから再構築されており、将来的にOSの仕様変更があってもコミュニティの手でメンテナンスが可能です。
GitHub - coredevices/mobileapp
https://github.com/coredevices/mobileapp
かつてはAppleのApp Storeに支払う年間99ドル(約1万5300円)の手数料を支払う主体がいなくなったことでアプリが削除されてしまいましたが、ソースコードが公開されたことで、ユーザー自身がビルドして使い続けるという究極の自衛手段が確保されたとミギコフスキー氏は述べています。
また、アプリストアの仕組みも大きく変更されました。これまでは単一の中央サーバーに依存していましたが、Linuxのパッケージ管理システムであるaptやnpmのように、複数の「フィード」を登録できる分散型の仕組みが採用されています。公式のフィードはArchive.orgへ毎日自動バックアップを行う構成になっており、仮に運営元のCore Devicesが消滅しても、データが失われないよう設計されています。なお、心拍センサーのアルゴリズムや音声認識APIなど、一部のコンポーネントは非公開のままですが、これらはオプション扱いであり、時計の基本動作には影響しません。
そして、ハードウェア面における持続可能性への取り組みとして、Pebble Time 2の設計変更が挙げられます。以前のモデルとは異なり、裏蓋が接着ではなくネジ止め式に変更されました。これにより、製品寿命の最大の敵であるバッテリーの劣化に対して、ユーザー自身が交換作業を行えるよう配慮されています。

さらに、すでに発売されたPebble 2 Duoに関しては、KiCad形式の電気回路図や機械設計ファイルまでもが公開されており、ハードウェアレベルでのハッキングや独自の互換デバイス開発さえも可能になっています。
Pebble Time 2の生産状況については、2025年11月時点では設計検証テストの段階にあるとのこと。この後、生産検証テストを経て量産へと移行しますが、2026年1月下旬から約3週間は中国の旧正月による工場の長期休暇の影響を受ける見込みです。そのため、1月中に少数を生産できる可能性はあるものの、本格的な量産と発送は旧正月明けの2月以降となり、多くの予約者の手元に届くのは3月から4月頃になると予測されています。
Pebble Time 2は製品のバリエーションとして、ブラック/ブラック、ブラック/レッド、シルバー/ブルー、そしてシルバー/ホワイトの4色が用意される予定です。筐体はステンレススチールのトップとボトムで構成されていますが、Bluetoothアンテナの性能を確保するために中間層にはポリカーボネート素材が採用されています。予約者に対しては、2025年内に希望の本体色を尋ねるメールが配信される予定です。

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in 動画, ハードウェア, Posted by log1i_yk
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