サイエンス

太陽がSpaceXのStarlink衛星の寿命を縮めていると判明


SpaceXの衛星インターネット網であるStarlinkは地球低軌道(LEO)に展開される大規模な衛星コンステレーションによって実現しています。NASA・ゴダード宇宙飛行センターの研究チームが、太陽活動の活発化によってStarlinkの人工衛星の寿命が縮まっていると指摘する研究結果を発表しました。

[2505.13752] Tracking Reentries of Starlink Satellites During the Rising Phase of Solar Cycle 25
https://arxiv.org/abs/2505.13752


The sun is killing off SpaceX's Starlink satellites | New Scientist
https://www.newscientist.com/article/2481905-the-sun-is-killing-off-spacexs-starlink-satellites/

研究チームによれば、過去5年間でLEO衛星の数は指数関数的に増加しており、宇宙空間での衝突や地上へのデブリ落下を防ぐための信頼性の高い監視と再突入予測の必要性が高まっているとのこと。LEO衛星は上層大気中を飛行するため、大きな抗力を受け、その結果として衛星の寿命が短縮します。


また、地球周回軌道上の衛星、特にSpaceXのStarlinkのような大規模衛星コンステレーションの寿命は太陽活動から大きな影響を受けています。とりわけ、太陽活動によって磁気嵐などの大規模な地磁気活動が発生すると、衛星の衝突リスクが増加するとのこと。

今回の研究では、2020年から2024年にかけての第25太陽活動周期の上昇期に再突入した523機のStarlink衛星の追跡データを用いて、地磁気活動が衛星の再突入に及ぼす影響が調査されました。研究チームは2行軌道要素(TLE)ファイルから衛星の高度と速度を導出し、数百機の類似した衛星を用いた解析を行っています。

by Egon Filter

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in サイエンス,   無料メンバー, Posted by log1i_yk

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