トランプ関税の導入で製造拠点を中国とベトナムに置く任天堂が大打撃を受ける、株価が一時10%近く暴落する事態に

アメリカのドナルド・トランプ大統領は2025年4月2日、世界各国からの輸入品に一律10%の関税をかけたうえで、国や地域ごとに異なる税率を上乗せする「相互関税」をかけることを発表しました。この影響で、発売日や詳細が発表されたばかりのNintendo Switch 2を販売する任天堂の株価も大きく下落しています。
Nintendo and Sony Shares Fall in Tariff-Induced Wipeout for Japan Stocks - Bloomberg
https://www.bloomberg.com/news/articles/2025-04-07/nintendo-plummets-10-in-tariff-induced-wipeout-for-japan-stocks
Trump's Tariffs Cause Stocks in Japanese Video Game Companies to Collapse | Push Square
https://www.pushsquare.com/news/2025/04/trumps-tariffs-cause-stocks-in-japanese-video-game-companies-to-collapse

Mario enters trade wars as Nintendo readies Switch 2 launch
https://www.ft.com/content/a781c853-3fed-4dfc-b940-4137546180de
Today was a horrendous day for Japanese gaming companies on the stock market - - Gamereactor
https://www.gamereactor.eu/today-was-a-horrendous-day-for-japanese-gaming-companies-on-the-stock-market-1525663/
任天堂は、2017年~2021年の第1次トランプ政権が「世界の貿易システムを変革する」と打ち出して以来、生産拠点の一部を中国から他国へ移しており、調査会社・Bernsteinのアナリストであるロビン・ジュー氏によると、記事作成時点での任天堂のアメリカ向けハードウェアの半分以上はベトナムやカンボジアで製造されたものとのこと。ジュー氏は「東南アジアでの新たな拠点による組み立て能力の増強は、2025年のホリデーシーズンに十分な在庫を確保するための取り組み、ひいてはNintendo Switch 2の成功にとって重要になる可能性があります」と述べています。
しかし、トランプ大統領は中国やベトナム、カンボジアに対してそれぞれ34%、46%、49%と非常に高い関税を課しました。これにより、任天堂が大きな打撃を受けることは避けられません。実際に東京証券取引所プライム市場では、2024年4月4日から4月7日にかけて任天堂の株価は10%以上下落しています。

トランプ大統領は記者団に対し「関税の一時停止は考えていない」と伝えたほか、中国がアメリカの相互関税への対抗措置として「アメリカからのすべての輸入品に同じ34%の追加関税を課す」と発表したことを受け「中国が関税引き上げを撤回しない場合、アメリカは中国に対し4月9日から50%の追加関税を課す」と表明しています。

一方で任天堂はこうした高い関税に対応するため、2025年1月の時点から完成したNintendo Switch 2をベトナムからアメリカ国内の施設に輸送していることが報じられています。MSTファイナンシャルのアナリストであるデビッド・ギブソン氏は「任天堂は1月に完成したNintendo Switch 2をベトナムから5日間で合計38万3000台出荷し、そのすべてがアメリカに送られています。これは、流通システムのテストに加え、関税のリスクを先んじて回避するために行われたのではないかと推測されます。2月から3月にかけて、その出荷台数は大幅に増加するでしょう」と語りました。
なお、アメリカ国内でのNintendo Switch 2の予約注文の受付は2025年4月9日から開始される予定でしたが、任天堂は今回の相互関税の導入を受け、受付開始日時を延期することを発表しています。
任天堂がトランプ政権の関税引き上げを受けNintendo Switch 2の予約注文を延期 - GIGAZINE

今回の相互関税の導入によって大きな打撃を受けているのは任天堂だけでなく、コーエーテクモホールディングスやバンダイナムコホールディングス、セガサミーホールディングス、カプコン、スクウェア・エニックス・ホールディングス、コナミグループなどの企業も軒並み株価が急落しています。特に、PlayStationなどを手がけるソニーグループの株価は、2025年4月4日から4月7日にかけて約10%の下落を記録しました。

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in メモ, Posted by log1r_ut
You can read the machine translated English article Nintendo, which has manufacturing bases ….