AppleのAI責任者がSiri近代化の遅れは「見苦しい」とが発言したことがリークで判明、2026年まで主要機能はおあずけの可能性

GoogleのGeminiなど、生成AIをモバイルに統合する動きが進む中、AI開発で後れを取っているAppleのSiri部門を統括するロビー・ウォーカー氏が、社外秘の会議でSiriの主要機能の開発が遅れている問題を強い言葉で追及したことが判明しました。
Apple’s (AAPL) Siri Chief Calls AI Delays Ugly and Embarrassing, Promises Fixes - Bloomberg
https://www.bloomberg.com/news/articles/2025-03-14/apple-s-siri-chief-calls-ai-delays-ugly-and-embarrassing-promises-fixes
Leaked Apple meeting shows how dire the Siri situation really is | The Verge
https://www.theverge.com/news/629940/apple-siri-robby-walker-delayed-ai-features
Apple’s Siri chief calls Apple Intelligence delays 'ugly' and 'embarrassing,' promises fixes someday
https://macdailynews.com/2025/03/14/apples-siri-chief-calls-apple-intelligence-delays-ugly-and-embarrassing-promises-fixes-someday/
Bloombergのマーク・ガーマン記者は2025年3月14日に、AppleのSiriおよび情報インテリジェンス部門のシニアディレクターであるロビー・ウォーカー氏が、Siri部門の全員が参加する会議の席で、「Siriの主要機能の遅れは見苦しく恥ずかしいものです」と厳しく指摘したことを報じました。

会議が非公開であるため、匿名を条件に情報を提供した関係者の話によると、ウォーカー氏はまた「Siriの機能強化がいつになるのか見通しが立ちません」とも話したとのこと。ウォーカー氏が言及したSiriの機能強化とは、Appleが2024年6月に発表した一連のAI機能だとみられています。
Appleは2024年の世界開発者会議(WWDC)で新たなパーソナルAIの「Apple Intelligence」を発表し、その主要な機能は「今後1年にわたって展開される」としたため、2025年の春までにそれらの機能が出そろうというのが当時の大方の見方でした。
しかし、これらのSiriの強化機能は開発が難航していることが以前から報道されており、ウォーカー氏の「iOS 19への搭載を目指していますが、これはその時までに必ずリリースできるという意味ではありません」という発言を含む今回のリークにより、Appleの巻き返しの一手となるAI機能がiOS 19に間に合うのかは不透明なことが改めて示されたことになります。
iOS 19で登場予定の「より会話的な」Siriは開発が遅れている - GIGAZINE

また、ウォーカー氏は「準備もできていないのにこの技術を大々的に宣伝するという結果が事態をさらに悪化させています」とも述べており、この発言からAppleのSiri部門とマーケティング部門との間にある緊張関係も示唆されています。
ウォーカー氏によると、Appleのコミュニケーションチームは、Siriが個人の状況を理解したり、画面の表示に基づいてアクションを実行したりできることをアピールしたいと考えていたものの、これらの機能はまだ発表の準備が整っていなかったとのこと。それにもかかわらず、AppleはWWDCでAI機能を大々的に発表し、一連のマーケティングキャンペーンやテレビCMで宣伝してきました。
その結果、Apple Intelligenceへの期待感が開発状況とかけ離れたものになったことについて、ウォーカー氏は「本当なら、計画が完了してからお披露目するはずだったのに、私たちはその前に人々に見せてしまったのです」と批判しています。
関係者の話によると、Siriの主要なAI機能の導入は早くても2026年になるとのこと。これが、以前ガーマン記者が報じていた「LLM Siri」のことなのかどうかは不明です。
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開発の遅れについて苦言を呈する一方、ウォーカー氏はSiri部門の仕事について「信じられないほど素晴らしい」と称賛し、「競合他社ならこの状態か、もっと悪い状態でリリースしたかもしれませんが、これらはまだ一般向けにリリースできる状態ではありません」と述べて、リリースを急ぐよりもクオリティの充実を優先する姿勢を示しました。
しかし、ウォーカー氏のこの寛容な態度には批判もあり、Apple製品のニュースを専門とする海外メディア・MacDailyNewsは、iCloudの前身であるMobileMeのできばえに激怒したスティーブ・ジョブズがその場で幹部の更迭を指示したことを引き合いに出して、「明らかに、ティム・クック体制のAppleでは、毎年のように大失敗しても、誰も何の責任も負わないようです。スティーブ・ジョブズの下では、こうした失敗はどれくらい続いたでしょうか?」とコメントしました。
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in モバイル, ソフトウェア, Posted by log1l_ks
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