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Appleのバーチャルアシスタント「Siri」のAI機能は開発が難航しておりリリースが延期される可能性


AppleはiPhone 16シリーズでパーソナルAI機能の「Apple Intelligence」を展開し、バーチャルアシスタントのSiriでも便利なAI機能が利用可能になると約束しました。ところが、Siriの新しいAI機能はエンジニアリングの問題とバグに見舞われ、リリースが延期される可能性が高いと経済紙のBloombergが報じています。

Apple’s Long-Promised AI Overhaul for Siri Runs Into Bugs, Possible Delays - Bloomberg
https://www.bloomberg.com/news/articles/2025-02-14/apple-s-long-promised-ai-overhaul-for-siri-runs-into-bugs-possible-delays


Apple Delays Siri AI Revamp Amid Engineering Hurdles | PCMag
https://www.pcmag.com/news/apple-delays-siri-ai-revamp-amid-engineering-hurdles

Appleは2024年6月に開催された年次開発者会議「WWDC24」の基調講演で、Siriに「ユーザーのメールや写真といったデータを活用し、質問に回答したりデータを探し出したりする機能」「複数のアプリを正確に制御してアクションを実行する機能」「デバイスの画面に表示されている内容を認識し、そのコンテキストを使用してユーザーにより良いサービスを提供する機能」などを搭載すると発表しました。

Appleが新たなパーソナルAIの「Apple Intelligence」を発表、OpenAIとの提携でSiriがChatGPTをサポート - GIGAZINE


基調講演の中では、「免許証の写真から免許証番号を抽出してフォームに入力する」「母が飛行機に乗る時間やランチの予定が入っていた時間などを、メールやメッセージの履歴から検索して教える」といった具体的な機能が紹介されました。

以前からApple製デバイスに搭載されていたSiriにAI機能を統合するという試みは、AppleがAI開発の流れに追いつき、iPhoneの買い換えを促進する上で重要なステップと位置づけられていました。しかし、2024年10月にリリースされたiOS 18.1で搭載されたのは、「Siriの音声認識機能の向上」や「テキスト入力に対応したチャットボット機能」など一部のAI機能にとどまりました。

Appleの社内では、「ユーザーのメールや写真といったデータを活用し、質問に回答したりデータを探し出したりする機能」「複数のアプリを正確に制御してアクションを実行する機能」「デバイスの画面に表示されている内容を認識し、そのコンテキストを使用してユーザーにより良いサービスを提供する機能」などのAI機能を2025年4月にリリースされるiOS 18.4で展開する計画でした。ところが、この問題に詳しい人物がBloombergに証言したところによると、Appleが社内で実施したテストでは、Siriの新しいAI機能はまだうまく動作していないとのこと。


これにより、AppleはSiriのAI機能のリリースをiOS 18.5以降に延期する可能性があります。また、iOS 18.4ではデフォルトでオフにしたままAI機能を展開し、iOS 18.5以降のアップデートで自動的にオンにするという選択肢も考えられます。

Apple Intelligenceの機能のリリースが遅れているため、Appleのソフトウェア開発サイクル全体が影響を受けています。場合によっては、2025年中にiOS 19で搭載される予定だった機能の一部が、2026年まで延期される可能性もあるとのこと。

Bloombergは、「Apple Intelligenceのマーケティング活動にもかかわらず、Appleは困難な現実に苦しんでいます」「同社のAIおよび機械学習チームは納期を守るのに苦労しており、一部のエンジニアはAIに夢中になっているウォール街の投資家らを納得させるため、Apple Intelligenceの市場投入が急がれたと考えています」と述べました。

AppleはAI開発の波に乗り遅れまいとしていますが、テクノロジー系アナリストのミンチー・クオ氏は、「Apple IntelligenceはiPhoneの売上増加につながっていない」と指摘しています。

「Apple IntelligenceはiPhoneの売上増加につながっていない」とアナリストが指摘 - GIGAZINE


なお、すでにリリースされているApple Intelligence版のSiriは、間違った回答を大量に出力することが報告されています。

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