「Apple IntelligenceはiPhoneの売上増加につながっていない」とアナリストが指摘
OpenAIのChatGPTやGoogleのGeminiといったチャットAIが人気を博す中、AppleはパーソナルAIの「Apple Intelligence」を発表し、すでに一部地域で提供を開始しています。AppleがAI市場に乗り遅れまいと発表したApple Intelligenceですが、記事作成時点ではiPhoneの売上増加にはつながっていないとアナリストのミンチー・クオ氏が報告しました。
Apple Likely to Face Fiercer Challenges in 2025, Requiring Caution Against Potential Downside Risks from Earlier Overly Optimistic Market Sentiment | by 郭明錤 (Ming-Chi Kuo) | Jan, 2025 | Medium
https://medium.com/@mingchikuo/apple-likely-to-face-fiercer-challenges-in-2025-requiring-caution-against-potential-downside-risks-5cec099e1d5d
Apple Intelligence isn't helping Apple boost iPhone sales
https://9to5mac.com/2025/01/10/apple-intelligence-iphone-sales/
Apple関連の確度の高いリーク情報でおなじみの業界アナリストであるクオ氏が、独自の業界調査をベースに、AppleはApple Intelligenceを発表したにもかかわらず、iPhoneの売上はほぼ停滞していると指摘しました。同氏によると、2025年のiPhoneの出荷台数は投資アナリストの予想よりも8~10%程度減少する可能性があるとのことです。
また、クオ氏によると、AppleはiPhoneの主要サプライヤーと2025年のiPhone生産計画について協議する際に慎重な姿勢をとっているとのこと。Appleは2025年上半期に新しくiPhone SE 4を発売予定とウワサされていますが、2025年上半期のiPhoneの出荷台数は前年比で約6%減少すると予測されています。なお、iPhone出荷台数は2025年第1四半期に前年比で横ばいでした。これはトランプ次期大統領による新しい関税政策に備え、Appleが1月にiPhoneの出荷を前倒ししたためだとされています。そのため、2025年第2四半期のiPhone出荷台数は前年比で減少すると予想されています。
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さらに、2024年12月の中国におけるスマートフォン出荷台数は前年同月比でほぼ横ばいであったにもかかわらず、iPhoneの出荷台数は前年比で約10~12%減少したというデータもあるそうです。これはAppleの中国市場における継続的なシェア低下を表しています。
実際、中国のスマートフォン市場では中国メーカーのHuaweiがシェアを回復させつつあり、Appleが苦境に立たされていることが報じられています。
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by Web Summit
Appleは2025年9月に新しく超薄型のiPhone 17 Airを発売すると報じられており、他にも折りたたみ式のiPhoneを開発しているとウワサされています。これらの新型iPhoneは構造上、eSIMのみをサポートする可能性が高いそうです。しかし、中国ではeSIMの使用を承認していないため、デザインが変更されない限り、これらの新型iPhoneの出荷に問題が生じる可能性があるとクオ氏は指摘しています。
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iPhone 17 Airは最薄部が約5.5mmになるとされており、現行モデルのiPhone 16 Pro(8.25mm)よりも2mm以上薄くなるとされています。iPhone 17 AirはPlusモデルよりも出荷量が多くなる可能性がありますが、コンポーネントのダウングレードと高価格、現行モデルと同様のユーザーエクスペリエンスが相まって、iPhoneの全体的な売上を大幅に押し上げる可能性は低いとクオ氏は指摘しました。
なお、一部のアナリストやメディアはApple Intelligenceが近い将来有料化されると予想していますが、Appleのティム・クックCEOはWIREDのインタビューでこのアイデアを明確に否定しています。
また、過去の調査でiPhoneユーザーがApple Intelligenceに興味を持っていないことが示されており、クオ氏は「この結果はApple IntelligenceがiPhoneの交換需要を押し上げていないことを示す私の最新のサプライチェーン調査と一致しています」とも述べました。
Apple Intelligenceに関するネガティブな情報ばかり報告したクオ氏ですが、「Apple Intelligenceの長期的な見通しに悲観的なわけではない」と前置きし、Apple Intelligenceがハードウェア交換サイクルやサービス事業に利益をもたらすという証拠はないとしました。さらに、「市場の過度の楽観主義によって生じた潜在的な下振れリスクには注意する必要があります」と警告もしています。
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