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Appleが子どもの安全を守る新手法を発表、開発者がユーザーの年齢範囲を確認できるAPIや子ども向けに表示されるコンテンツを変更する方法などが追加


現地時間の2025年2月27日、Appleが子どものアカウントを保護するための設定を刷新しました。これにより年齢評価システムがアップデートされ、保護者が子どものアカウントを設定するためのより簡単な方法も導入されています。他にも、App Storeで子どもに表示されるコンテンツを変更する方法や、開発者が年齢範囲を確認して子どもに年齢に適した体験を提供できる新しいAPIが導入されました。

Helping Protect Kids Online
(PDFファイル)https://developer.apple.com/support/downloads/Helping-Protect-Kids-Online-2025.pdf


Apple Overhauls Child Account Setup and Adds New Age Assurance Features - MacRumors
https://www.macrumors.com/2025/02/27/apple-child-age-verification-overhaul/

Apple reveals new child safety features and its approach to age assurance - 9to5Mac
https://9to5mac.com/2025/02/27/apple-age-verification-child-safety-features/

Apple outlines upcoming changes to child safety and age assurance | Macworld
https://www.macworld.com/article/2622494/apple-outlines-upcoming-changes-to-child-safety-and-age-verification.html

Appleはユーザーのプライバシーを保護しながら子どもがオンライン上で見る内容や行うことを親がさらに制御できるようにするために、一部の設定をアップデートし、新しい手法も導入しました。


Appleは親が子どもの年齢に応じたアカウントを簡単に設定できるように、年齢評価システムをアップデートしました。アカウントを作成する際、Appleはデバイスを使用する人の年齢層を尋ねるようになっており、この機能はiOS 18.4ベータ版にいち早く導入されています。また、アカウントが13歳未満の子どものものである場合、「ファミリーに接続」というオプションが表示されます。子どもがApp Storeやその他のデバイス機能を使用するには、親の同意が必要ですが、Appleはこのプロセスの簡素化にも取り組んでいます。例えば、記事作成時点では新規アプリをインストールする際に、Appleはクレジットカード情報の入力を求めます。しかし、今後は親が登録済みの支払い情報を使用することで、子どもはFace IDまたはTouch IDを使用するだけでアプリのインストールを認証できるようになります。

また、子どもは親が近くにいない場合でも、自分のアカウントを作成してすぐにデバイスを使用できるようになります。ウェブコンテンツとメッセージには自動的に年齢制限が適用され、アプリのインストールなどの一部機能には、子どもが親の同意プロセスを経てアカウント設定を完了するよう依頼する通知が表示され、このプロセスを完了するまで機能が制限されるそうです。2025年後半には年齢設定が不正確な場合、親が既存の子どものアカウントの年齢範囲を修正できるようになります。

さらに、開発者はアプリにユーザー生成コンテンツや広告が含まれているかどうか、年齢確認が必要かどうか、ペアレンタルコントロールを提供しているかどうかなどの詳細を提供する必要があります。この情報はApp Storeの製品ページ上で共有されます。


Appleはコンテンツの年齢区分も更新しました。Appleはこれまで年齢範囲を4つの区分(4歳以上、9歳以上、12歳以上、17歳以上)で分けていましたが、今後は5つの区分(4歳以上、9歳以上、13歳以上、16歳以上、18歳以上)に分類されるようになります。また、AppleはApp Store‌でアプリが宣伝されている場所に年齢制限のあるアプリを表示しないようになり、代わりに年齢に適したアプリを強調表示するようになります。

各年齢区分ごとの制限は以下の通り。

4歳以上:アプリに不快なコンテンツは含まれません。
9歳以上:アプリにはまれに軽度の漫画やファンタジーの暴力、冒涜的な言葉、下品なユーモア、成人向け、挑発的、ホラーや恐怖をテーマにしたコンテンツなど、9歳未満のユーザーには適さないコンテンツが含まれている場合があります。
13歳以上:アプリにはまれに軽度の医療または治療に焦点を当てたコンテンツ、アルコール、タバコ、薬物使用への言及、性的なコンテンツ、ヌード、リアルな暴力、模擬ギャンブルが登場し、頻繁に冒涜的な言葉、下品なユーモア、ホラー、恐怖をテーマにしたコンテンツ、漫画や空想上の暴力など、13歳未満のユーザーには適さないコンテンツが含まれている場合があります。
16歳以上:アプリには無制限のウェブアクセス、頻繁または激しい成人向けまたは挑発的なコンテンツ、医療または治療に重点を置いたコンテンツなど、16歳未満のユーザーに適さないコンテンツが含まれている場合があります。
18歳以上:アプリにはギャンブル、ギャンブルのシミュレーション、アルコール、タバコ、薬物使用への言及、性的なコンテンツ、ヌード、リアルな暴力など、18歳未満のユーザーには適さないコンテンツが含まれている場合があります。

Appleはユーザーの年齢範囲を指定する宣言年齢範囲APIを開発者に提供し、アプリ内で子どもが大人向けのコンテンツを見ないようにします。年齢範囲を指定するようにすることで、アプリが子どもの生年月日などの情報にアクセスできなくなります。また、保護者は年齢範囲情報を開発者と共有するかどうかを選択することも可能。Appleはユーザーが必要とするものを提供するために最小限のデータを集めることを目的としており、年齢制限のあるアプリを使用するかどうかに関係なく、すべてのユーザーがその情報を渡す必要があるため、App Storeレベルで生年月日情報を収集しなくなります。


10代のメンタルヘルスやソーシャルメディアプラットフォームの悪用に対する懸念から、アメリカでは若者のスマートフォン使用を規制するべく「アプリストアに年齢制限を課す」という法案が計画されています。Appleはこの動きに反対しており、今回発表された子どもの安全を守るための新手法も法案成立を阻止するための動きであると複数メディアが指摘しています。

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in モバイル, Posted by logu_ii

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