NVIDIAが物理エンジン「PhysX」のサポートを終了

2000年代から2010年代初頭にかけて大々的に宣伝されたゲーム特化型グラフィックス技術「PhysX」が、NVIDIAのRTX 50シリーズからサポートされなくなったことがわかりました。
Support plan for 32-bit CUDA | NVIDIA
https://nvidia.custhelp.com/app/answers/detail/a_id/5615/

PhysX quietly retired on RTX 50 series GPUs: Nvidia ends 32-bit CUDA app support | Tom's Hardware
https://www.tomshardware.com/pc-components/gpus/physx-quietly-retired-on-rtx-50-series-gpus-nvidia-ends-32-bit-cuda-app-support

PhysXは独自の物理シミュレーションSDKで、ラグドール、布シミュレーション、パーティクル、体積流体シミュレーション、その他物理に特化したグラフィック効果を処理することができるツールです。当初は物理演算をCPUではなくGPU(旧Ageia PPU)で実行するという触れ込みで発表され、CPU上で実現するよりもフレームレートが向上し、物理エフェクトの品質も向上する点が売りでした。問題は、NVIDIA GPU上でPhysXが動作するのは、CUDAを使用しているからこそ可能だったことです。
2025年1月17日、NVIDIAはCUDA 12.0以降のツールキットから32ビットコンパイルネイティブとクロスコンパイルを削除し、32ビットCUDAアプリケーションの開発・デバッグのサポートを終了しました。
PhysXのサポートが終了したことにより、RTX 50シリーズではPhysXを使う「Borderlands 2」「メトロ エクソダス」「ウィッチャー3 ワイルドハント」などのゲームはパフォーマンスが低下することになります。

テクノロジー系メディアのTom's Hardwareによると、PhysXはNVIDIAのGPUを要求していたため、競合GPUやコンソール、スマートフォンでの利用が困難だったとのことです。そのせいで2010年代後半になPhysXの採用は大幅に減少し、さらにNVIDIAがいくつかのPhysX機能のサポートを停止し始めたことで衰退に向かい始めました。
Tom's Hardwareは「我々が知る限り、PhysX技術を統合した64ビットゲームは存在しないため、PhysXは実質終了することになる」と伝えました。
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in ソフトウェア, Posted by log1p_kr
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