AIでディープフェイク動画を作られたスカーレット・ヨハンソンがAI規制を訴える

by Gage Skidmore
女優のスカーレット・ヨハンソン氏が、自身のAIディープフェイク動画がネット上で拡散されたことを受けて政府にAIを規制する法案の可決を最優先課題にするよう要請していることが報じられました。
Scarlett Johansson Urges Limits on A.I. After Viral Video
https://people.com/scarlett-johansson-artificial-intelligence-limited-ai-video-goes-viral-11305926
Scarlett Johansson calls for anti deepfake laws after AI video goes viral | The Verge
https://www.theverge.com/news/611016/scarlett-johansson-deepfake-laws-ai-video
問題のディープフェイク動画は、ヨハンソン氏が「カニエ(KANYE)」という文字と、中指を突き立てた絵の中にユダヤ民族のシンボルであるダビデの星が入った図柄のTシャツを着ているというもの。
Tシャツの「カニエ」は人気ラッパーのイェ(Ye)ことカニエ・ウェスト氏のことです。同氏はかねてから反ユダヤ的な発言や投稿で知られており、2022年にはスワスティカ(ナチスドイツの意匠であるハーケンクロイツに似た卍のモチーフ)を投稿したことでX(旧Twitter)アカウントを凍結されていました。
また、2025年2月9日にもスーパーボウルに広告を出して自身のウェブサイトであるYeezyに視聴者を誘導し、そこでスワスティカとナチス式敬礼(ハイル・ヒトラー)の略称「HH」の商品コードがついたTシャツを販売して物議を醸したばかりです。なお、Yeezyは記事作成時点ではアクセス不能になっています。
主にInstagramで拡散されている問題の動画には、ヨハンソン氏の他にもドレイクなどのユダヤ系セレブが映っており、「もうたくさんだ。反ユダヤ主義との戦いに参加しよう」とのメッセージで締めくくられています。

この動画に対し、ヨハンソン氏はアメリカ合衆国の週刊誌・Peopleへの声明で「家族や友人から、反ユダヤ主義的な意見に反応して私の肖像をAIで作成した動画がネット上で広まり、注目を集めていると聞きました。私はユダヤ人女性であり、反ユダヤ主義やヘイトスピーチを一切容認しません。しかし、AIによって増幅されるヘイトスピーチの危険性は、それに対して責任を負っている個人よりもはるかに大きな脅威であるとも確信しています。AIのメッセージの内容が何であれ、AIの悪用を非難しなければ、現実を見失う危険があります」と述べて非難しました。
ヨハンソン氏はまた、声明で「アメリカ政府に対し、AIの使用を制限する法案の可決を最優先課題とするよう求めます。これは人類全体の近い将来に多大な影響を及ぼす超党派の問題です」と述べて、AI規制法の整備を求めました。
ヨハンソン氏がAIに悩まされたのはこれが初めてではありません。2023年11月、ヨハンソン氏は許可なく自身の肖像と声を広告に使用したAIアプリ「Lisa AI: 90s Yearbook & Avatar」に対し、法的措置を取ると警告しました。
また、2024年にはOpenAIのGPT-4oに実装された音声が自身の声に酷似していることに対し不快感を表明しています。問題の音声である「Sky」はヨハンソン氏とは別の女優が担当したものでしたが、OpenAIはヨハンソン氏の抗議を受けて「Sky」を削除しました。
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in ソフトウェア, 動画, Posted by log1l_ks
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