1時間のウォーキングで寿命が6時間延びる可能性があることが判明
「健康のためにはウォーキングをした方がいい」と理解しているものの、実際のところどれほど効果があるのかはっきりしないのでやる気が起きないという人は多いはず。オーストラリアのグリフィス大学のチームが主導した新たな研究では、「運動不足の人は1時間のウォーキングで平均余命が6時間延びる可能性がある」という驚きの結果が示されました。
Physical activity and life expectancy: a life-table analysis | British Journal of Sports Medicine
https://bjsm.bmj.com/content/early/2024/10/07/bjsports-2024-108125
Simple secret to a longer life - Griffith News
https://news.griffith.edu.au/2024/11/27/simple-secret-to-a-longer-life/
A Single One-Hour Daily Walk Could Add Six Hours to Your Lifespan : ScienceAlert
https://www.sciencealert.com/a-single-one-hour-daily-walk-could-add-six-hours-to-your-lifespan
これまでの研究により、身体活動の量が少ないほどさまざまな病気になるリスクが高く、死亡率が高まることがわかっています。その一方で、身体活動が低い人と高い人でどれほど平均余命が異なるのかや、身体活動を増やすとどれほど平均余命が伸びるのかといった推定値ははっきりしていませんでした。
そこで研究チームは、年間5000人の被験者を募集しているアメリカの全国健康栄養調査(National Health and Nutrition Examination Survey:NHANES)が収集したデータを分析しました。被験者の年齢は2003年~2006年のデータ収集時点で40歳を超えており、身体活動データはウェアラブルトラッカーを用いて収集されました。
特定時点での死亡率を追跡する生命表モデルを適用したところ、「すべての40歳以上のアメリカ人が人口の上位25%と同程度の身体運動をするようになれば、余命が平均5.3年長くなる」という結果が示されました。さらに、身体活動が少ない下位25%の人々が最も活動的な上位25%の人々と同じレベルまで身体活動を増やせば、平均余命が約11年長くなる可能性があると研究チームは主張しています。
研究チームは、「ウォーキング1時間あたりの寿命延長効果が最も大きかったのは、活動量が最も低い下位25%に属する人でした。これらの人々は、1時間のウォーキングを追加することで376.3分(約6.3時間)も寿命が長くなる可能性があります」と述べました。
また、身体活動が多い上位25%の人々は下位25%と比較して、死亡リスクは73%低いこともわかりました。なお、身体活動が十分多い人はすでに運動によるメリットを得ているため、ウォーキングの時間を長くしてもそれほど大きな違いはない可能性があります。
論文の筆頭著者であるレンネルト・フェールマン教授は、「これは不合理な見通しではありません。人口の25%がすでに行っているのですから」「身体活動を促進するための投資を増やし、歩きやすかったり自転車で移動しやすかったりする地域や便利で手頃な公共交通機関など、身体活動を促す生活環境を作り出すことができれば、寿命を延ばせるだけでなく医療制度や環境への負荷を減らすこともできるでしょう」とコメントしました。
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