TikTok禁止法の施行を前にTikTokはユーザーに「Lemon8」への脱出を推奨している
2025年1月19日に通称「TikTok禁止法」が施行されると、TikTokはアメリカでのサービスを停止するか、事業をアメリカ企業に売却するか、どちらかを選ばなければなりません。法律の施行を目前に控える中、TikTokはユーザーに対して、2020年にリリースした類似アプリ「Lemon8」への移行を勧めていることがわかりました。
TikTok pushes users to Lemon8 as ban looms
https://www.axios.com/2025/01/07/tiktok-lemon8-ban-sponsored-posts
Lemon8は、2020年に誕生した「コミュニティプラットフォーム・Shareee(シェアリー)」が、2021年に「ライフスタイル共有アプリ」として生まれ変わったもの。TikTokと同じく、ByteDanceが手がけるアプリです。
Lemon8 - 毎日に、ハジける発見
https://www.lemon8-app.com/
ニュースサイトのAxiosによると、ここ数週間、TikTokではLemon8を宣伝するスポンサード動画が大量に出回っているとのこと。
内容は以下のようにLemon8の長所を述べた上で、「政府がTikTokを禁止しようとしている今、100%コントロールされていない場所に行きたいならLemon8へ」と誘導するものです。
・TikTokには『Lemon8』というバックアップアプリがある
・TikTokと同じアカウントで自動的にログイン可能
・フォロワーは引き継がれる
・Lemon8をインストールするとTikTokのプロフィール欄にポップアップが追加されてタップするだけでログインできる
Lemon8はリニューアル後だけでもおよそ4年の歴史があるアプリで、TikTokが自社アプリを宣伝することはなにもおかしくありません。
しかし、従来はよくある「こういうアプリがある」という内容だったものが、直近では「TikTokのユーザー名がLemon8でも使える」のように、TikTokからの乗り換えを促すような内容になってきているとAxiosは指摘しています。
ByteDanceの広報担当者はAxiosに対し、TikTokとLemon8のバックエンドを統合したのは、TikTok禁止法とは無関係だと説明したとのこと。
なお、Lemon8はTikTokに比べるとまだまだユーザー数の少ないアプリですが、着実に人気を伸ばしており、2024年10月以降のデイリーアクティブユーザー数は100万人強と、前年同期比で2倍に増加しているとのことです。
ちなみに、TikTok禁止法を巡っては、最高裁判所が異議申し立ての審理を行うことが決まっているほか、トランプ次期大統領が法律の施行延期を要望しています。
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