CES 2025に期待されるものまとめ、NVIDIAのRTX 50シリーズ搭載ノートPCや次世代Matterで真のスマートホームデバイスが実現か
2025年1月7日から10日までアメリカのラスベガスで世界最大級の家電見本市「CES 2025」が開催されます。この中で発表が期待されている最新テクノロジーを、メディアがまとめています。
What to expect at CES 2025 - The Verge
https://www.theverge.com/2025/1/4/24335163/ces-2025-what-to-expect-tvs-smart-home-auto
What We Expect to See at CES 2025 | PCMag
https://www.pcmag.com/news/what-we-expect-to-see-at-ces-2025
CES 2025: Everything to expect | Mashable
https://mashable.com/article/ces-2025-what-announcements-to-expect
◆テレビ
CES 2025ではテレビに関する2つのトレンドが主流になるとThe Vergeは予想しています。テレビのサイズはますます大きくなり、あらゆる要素にAI機能が追加されることは「避けられないでしょう」とThe Vergeは指摘しました。消費者はここ数年、大型テレビ(75インチ以上)に惹かれているため、Samsung、LG、TCL、Hisenseなどのブランドから巨大なOLED(有機ELディスプレイ)およびMini LEDを採用したテレビが登場するだろうとThe Vergeは予想しています。
AI機能について、The Vergeは「自動画像およびオーディオ設定に既にAI機能が利用されていますが、ChatGPTやMicrosoft CopilotなどのAIアシスタントの人気の高さを考えると、AIチャットボットが次世代テレビに採用されるのは時間の問題でしょう」と記しました。
なお、The Vergeは「最も話題になるニュースはSamsungおよびLGから来ると予想されますが、2024年にアメリカのテレビ市場への復帰を果たしたパナソニックが何を用意しているかにも非常に興味があります」と述べました。
テクノロジーメディアのPCMagは、CES 2025でHDMIのバージョン2.2が発表されることを挙げ、より高速なデータ転送と幅広い解像度がサポートされることをアピールしています。ただし、HDMI 2.2については「一般的な映画やテレビ番組の視聴に必要な性能を超えている」「HDMI 2.2が普及するにはしばらく時間がかかる」として、今のところは消費者が気にする必要はない次世代テクノロジーであるとしました。
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◆スマートホーム
スマートホームの標準規格であるMatterの登場により、スマートホームを次のレベルに引き上げるような真のイノベーションがCES 2025で登場する可能性が高いとThe Vergeは期待しています。
魅力的な機能を備えた新製品が多数登場すると予想されている分野のひとつが「スマートロック」です。「ロックとセキュリティをより簡単に、よりシームレスに管理することは普遍的なニーズであり、ホームオートメーションのメリットをより多くの人々にもたらすことにもつながります」とThe Vergeは指摘しています。
もうひとつの予想されるトレンドは「スマートホームを制御する新しい方法」です。AmazonのEcho Hubの成功に続くような、「スマートホームデバイスに接続して電話や音声を使わずに、家庭内の誰でも照明やドアのロック、ブラインドなどを制御できる新しいタッチスクリーンインターフェイスが多数登場する」とThe Vergeは指摘しています。なお、既にSamsungは「あらゆる場所にスクリーンを配置する」という構想を立てており、さまざまな家電製品にタッチスクリーンを搭載し始めています。
もうひとつの大きなテーマがロボット工学です。ロボット掃除機はここ数年で驚異的なスピードで革新を遂げており、今では多くのロボット掃除機がほぼ完全に自律的に動作しながら、床の掃き掃除やモップ掛けを行えるようになっています。CES 2025にはEcovacs、Roborock、Dreame、Narwalといったロボット掃除機メーカーが出展しており、ロボット掃除機が新たな高みに到達することを目にする可能性があるとThe Vergeは指摘しました。
なお、CES 2025に先駆けて、Roborockがロボットアームを搭載したロボット掃除機の「Roborock Saros Z70」を発表しています。
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この他、「エネルギー管理」もCES 2025のテーマになるとThe Vergeは予想しました。ほとんどの製品発表はエネルギーの使用や節約に重点を置いているとThe Vergeは予想しており、新しいホームエネルギー管理システムに関する発表が見られるだろうと予想しています。「AIを活用して家庭でのエネルギー使用方法を調整し、エネルギーを節約し、お金を節約するのに役立つプラットフォームが登場するだろう」とThe Vergeは述べました。
◆自動車
CES 2025では世界の大手自動車メーカーのほとんどが出展していないため、自動車関連の発表は「これまでで最も活気のないものになるだろう」とThe Vergeは指摘しています。だからといってエキサイティングなニュースがないというわけではなく、ホンダの「Honda 0 Series」や、BMWの「BMW VISION NEUE KLASSE」などを期待すべき発表としてThe Vergeは挙げています。
◆ノートPC
2024年にはIntel、AMD、Qualcommという複数の半導体メーカーが優れたモバイルCPUを発表しました。そのため、CES 2025ではIntel Arrow Lakeを搭載したノートPCや、AMDの新製品が発表されると予想されます。特に、NVIDIAの次世代GPUであるRTX 50シリーズを搭載したノートPCが一斉に発表され、爆発的に盛り上がるだろうとThe Vergeは指摘しました。RTX 50シリーズについて、The Vergeは「RTX 40シリーズからパフォーマンスが大幅に向上し、コストが高くなるだけの反復的なアップデートではないことを期待しています」と記しています。
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他にも、AMDがNVIDIAのRTX 4060に匹敵する統合グラフィックスを備えた新しい強力なプロセッサの「Strix Halo」をリリースするというリーク情報もあります。これが実現すれば、ディスクリードGPUなしでも平均以上のゲーミングパフォーマンスが得られるようになります。
2024年にはAI PCが大きなトレンドとなりましたが、The Vergeは「CES 2025では単調な自動生成の仕事用メールや、チャットボット以外には大した成果はあげないだろう」と予想しています。
◆ゲーム
NVIDIAはCES 2025の基調講演にジェンスン・フアンCEOが登壇することを明らかにしており、RTX 50シリーズの発表が期待されています。また、AMDのリサ・スーCEOも2025年初頭にRDNA 4を搭載した次世代GPUをリリース予定であることを明かしています。
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CES 2025ではこれらのGPUを搭載したノートPCが多数発表されるというリーク情報もあります。
また、ASUS、Samsung、MSIはいずれも「世界初の4K/240HzのOLEDモニター」をCES2025に先立ち発表しています。MSIは解像度が1440p、リフレッシュレートが500HzのOLEDゲーミングモニターを発売済みです。次世代GPUが登場するタイミングで、高リフレッシュレートに対応した次世代のOLEDモニターが多数登場しているため、「2025年こそ次世代のOLEDモニターに買い替える絶好の機会である」とThe Vergeは指摘しました。モニターについて、PCMagは「HDMI 2.2がCES 2025で発表されるため、2025年半ばにこれを採用した次世代モニターが多数発表される可能性があります」と記しています。Mashableは「RTX 50シリーズの登場により、CES 2025はゲーミングモニターにとっても大きなイベントになる」と予想しました。
この他、LenovoはSteamOSを搭載したモバイルゲーミングPCをリリースしようとしており、CES 2025で発表イベントを開催予定です。このイベントにはMicrosoftのヴァイスプレジデントも出席予定で、モバイルゲーミングPC分野でWindowsがSteamOSとしのぎを削ることになるとThe Vergeは指摘しました。
◆スマートフォン
近年のテクノロジー業界では「スマートフォンであらゆることをする必要はない」ということに気付き始めています。スマートフォンなしでもコンパクトカメラで写真を撮り、読書には電子書籍リーダーを使用し、音楽の再生には音楽プレイヤーを利用することができます。これらのデバイスはスマートフォンを完全に置き換えるというものではなく、スマートフォンを補完するデバイスであるという点には「注意が必要だ」としました。
PCMagも「CESでは、後にモバイル業界に進出することになる概念実証製品が頻繁に展示されます。しかし、Samsungなどの企業が自社イベントやMobile World Congressで注目を集めることを好むようになったため、今年のCESでは新しいスマートフォンが発表されるとは予想していません。言い換えれば、サプライズを期待しているということです」と記しています。
◆ウェアラブル
スマートリングやスマートグラス、ARヘッドセット、AIウェアラブルなど、さまざまなウェアラブルデバイスがCES 2025に登場するとThe Vergeは予想しています。
ヘルスケア分野では、ここ数年のトレンドが継続するとThe Vergeは予想しており、AI分野ではChatGPTのようなAIチャットボットを既存のデバイスやサービスに組み込むヘルスケアテクノロジー企業がさらに増えると予想しています。
◆AI
NVIDIAが現地時間の1月6日に基調講演を予定しており、この講演がAI市場の雰囲気を決定づける可能性があるとPCMagは指摘。また、AMD、Intel、Qualcommの最新プロセッサにNPUが搭載され、PCメーカーがそれらのチップを採用することで、AI市場は後押しされるだろうとも予測しています。大手AI企業の中では、OpenAIはCES 2025に出展していませんが、GoogleとMicrosoftはどちらも出展しており、どちらも例年、開発者向けカンファレンスの中で次世代技術を披露しています。
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