少女に恋したAI少女の出会いと別れまでを振り返り、2人の少女に秘められた「秘密」とは？

「決めた。結婚してあたしと。それでゆくゆくは人格の全てをAIに移行して、あたしと同じアンドロイドになって！」孤独に過ごしていた少女が突然現れたアンドロイド少女に告白されて始まる「秘密の宮園」は、2025年初旬ごろ更新予定の第8話で完結を迎えます。たったふたりのミクロな関係を取り巻く大きな運命について、最終回の前にもっとよく知ってほしいため、2人の出会いや秘密の過去を振り返ってみました。

本編は以下から読むことができます！

【無料マンガ】秘密の宮園 第1話「孤独と美少女とアンドロイド」 - GIGAZINE

◆第1部：出会いと告白、拒絶と反発
◆第2部：少女と少女、母と子
◆第3部：花音と凛音、告白と別れ

◆第1部：出会いと告白、拒絶と反発
高校1年生の宮園花音(みやぞの かのん)は、中学1年のころからずっと孤独に過ごしていました。ふつうに生きているだけなのに、なぜか遠巻きに見られて避けられて、仲良くなったと思った人も怖がるように離れていってしまう。

あるとき巣から落ちてしまった鳥のヒナを木の上にまで登って助けていたら、突然声をかけられて滑り落ちてしまいました。

声をかけてきたのは一人の少女。木から落ちてぶつかって、ようやく顔を合わせたと思ったら、突然「決めた、結婚してあたしと」とプロポーズされてしまいました。さらに、少女は自らをアンドロイドだと名乗り、「人格の全てをAIに移行してあたしと同じアンドロイドになって！」と求めてきます。

花音の前に強烈なインパクトで現れた少女は、宮園凛音(みやぞの りおん)と名乗りました。花音と同じ名字で、名前の響きもどこか近い。

凛音がアンドロイドというのはウソでも冗談でもなく、頭に機械的な穴が空いていたり、隕石(いんせき)を除去する政府のプロジェクトのために開発されていたりと、とにかく花音の理解が追いつかない情報が明かされます。

意味がわからなすぎて全力で拒絶していた花音でしたが、凛音のエネルギーはすさまじく、同じクラスに転校してくるわ寮の部屋まで同室になるわとやりたい放題。花音の退屈だけど穏やかな日常は、あっという間に侵略されてしまいました。

同室になって過ごす夜。凛音のアプローチに対し、花音は「凛音はよくできているけど作りモノであって、人間じゃない」と口にします。大好きな母親を亡くしている花音にとって、命はとても重いもの。

その後眠りについた凛音は、黒いもやのようなイメージに包まれて、深い闇の中に沈んでいきました。

翌朝花音が目を覚ますと、凛音と関係している政府の人から電話があり、「凛音が停止した」と告げられます。突然現れて日常をはちゃめちゃにしたと思ったら、静かに眠り込んでしまった凛音。

ころころと笑ってはしゃいでお風呂にも入る凛音は、ふとしたことで動きを止めて大混乱を巻き起こすような、政府に所属する重要なアンドロイド。改めて事実を目の当たりにした花音は、自分が深い運命の中にいることを知ります。

◆第2部：再会と誕生、母と子
止まってしまった凛音に付き添って、政府の研究所にやってきた花音。政府の人間が言うには、凛音の停止に伴って、花音に関する極秘事項が開示可能になったとのこと。わけが分からず混乱しつつも、このまま凛音を忘れて帰ることができないと思い立ち、花音は情報とやらを受け取ります。

花音が受け取ったのは1本のビデオレター。立体映像で映し出されたのは、幼い頃に亡くした最愛の母親からのメッセージでした。再会を喜ぶのもつかの間、花音の母親である桃花(とうか)から、花音を取り巻く4つの大きな「秘密」が明かされました。

1つ目は、桃花の生まれについて。「秘密の宮園」は時代や科学が現代よりちょっと進んだ時代の物語で、女性同士で子どもを作ることができるようになっていました。技術はまだ普及途中で実例は多くないですが、桃花はそのうちのひとりだそうです。

そして2つ目は花音の出生について。花音は桃花と同じように女性同士の子どもでありつつ、性質としては桃花のクローンに近い存在でした。

突然知らされた事実に衝撃を受けつつも、大好きな母親からたくさんのものを受け継いでいることを知った花音は、幸せそうに笑顔を見せました。

花音にとっては既に衝撃の連続ですが、「秘密」の開示はまだ続きます。3つ目は、凛音が産まれた経緯について。凛音の出生に関わるのが、花音にとっての2人のおばあちゃん、さくらと玖音(くおん)です。

花音が桃花から聞かされた凛音の秘密。凛音は、とある非人道的な団体が「究極のAI」を作る目的で実施した実験から生まれました。その実験に参加していたのが幼少期の玖音。玖音の脳や神経を計測する実験の中で、目的通りなのかイレギュラーなのかは不明ですが、玖音の脳内に現れた玖音のダブルのような存在。それが後の凛音です。

玖音がさくらの手によって実験から開放された後、2人は結婚して娘の桃花を授かります。そして、同じく娘のような存在として凛音も共に過ごしてきました。花音に初めて会うやいなや、愛の告白をしてきた凛音。彼女が抱える最後の秘密は、凛音と桃花の関係について。

凛音が停止した夜、一緒にお風呂に入る花音を見て、凛音は「と…」とつぶやきました。この時はごまかしていましたが、ここは花音の姿に桃花の面影を見て思わず口に出してしまったということ。凛音が停止してしまったのは、花音の拒絶が悲しかったからではなく、桃花を思い出してさみしくなったから。

凛音が花音に執着するのは、桃花を愛していたから。花音をAIにしたいのは、桃花を失ってしまったから。

凛音が抱える深い悲しみと深い愛を理解して、花音は動かない凛音に涙ながら語りかけます。

すると、研究者たちがどれだけ調べても止まってしまった原因が理解できず直せなかった凛音が、あっさりと目を覚ましました。自分のことと凛音のことを良く知った花音は、ちょっとだけ凛音に歩み寄って、あふれんばかりの愛を受け止めていきます。

◆第3部：別れと告白、花音と凛音
突然のトラブルに見舞われながらも、花音と凛音は穏やかな日常へ帰ってきました。しかし、そこでは不穏な2つの影が差してきます。

まずはクラスメイトの反応。オレンジ髪の志保(しほ)は、転びそうなところを凛音に助けられたタイミングで、凛音から響くわずかな機械音を耳にします。凛音が転校してきた日、花音が言った「こいつアンドロイドなの」という一言。あの時はみんなで笑い飛ばしたけれど、まさか。

何かに気付いた志保は、凛音に手作りのクッキーを食べさせます。食事もするしお風呂にも入る、人間にしか見えない凛音。けれど、辛くて苦くてしょっぱいクッキーを、表情ひとつ変えずに食べた。

志保の疑いは、ほとんど確信に変わった様子。詰め寄られた凛音は、「隠している秘密と、隠しているつもりはない秘密がある」と答えました。自分がアンドロイドだというのは、凛音にとっては隠しているつもりはない秘密です。それでは、もう片方の「隠している秘密」とは。

その日の夕方、凛音を探す花音が目にしたのは、政府が所有していると聞いていたヘリコプター。そして、学校のすぐ近くに着陸したヘリへと向かう見慣れた人影。

凛音のもうひとつの隠し事は、宇宙のはるか遠くで隕石が見つかったという話でした。まだ遠い距離にある隕石ですが、地球に接近していずれは衝突する軌道にある。

思いがけず誕生した凛音は、凛音にしかできない仕事をすることで存在が認められていました。22年前からつい最近まで地球を離れていたように、また宇宙へと旅立って仕事をしなければならない。ほんの数日間だけ一緒にいた花音と凛音は、早すぎる別れを迎えます。

一人去ろうとする凛音に対し、「連れてって」と声をかける花音。「宇宙へは、一緒に行こう」

「私、AIになる」と決意を伝えた花音。一人旅立ったことで、桃花を失った凛音。二度とそんな思いをしないために、AIになるよう花音に迫っていました。

願いがかなって通じた思いに、感極まるように喜ぶ凛音。

一方で、クラスメイトたちは花音を引き留めます。凛音の願いと花音の思い、そしてクラスメイトたちの言葉が、運命を分ける最終話へと続いていきます。

「秘密の宮園」は最新第7話前編まで公開中。感動必至の第7話後編＆最終第8話は、2025年初旬頃の更新を予定していますので、ぜひ最後まで応援お願いします。また、GIGAZINEシークレットクラブ(GSC)に入ると作者をより応援できるほか、さらに深い裏話や作劇のノウハウがわかるメイキング、マンガを一覧で読むことができる本棚や一足早く最新話が届く先行公開など特典がありますので、ぜひこちらからチェックをお願いします！

第1話「孤独と美少女とアンドロイド」

第7話前編「halcyon day」