妊娠するための力を追跡するAmazonの極秘プロジェクトが破綻

男性と女性の両方にある、妊娠するための力のことを「妊孕性(にんようせい)」と言います。この妊孕性をモニターし、家庭内で不妊治療の補助をする機器の開発に取り組んでいたAmazonの極秘プロジェクトが破綻したことがわかりました。
Amazon shuts down secret project to develop fertility tracker
https://www.cnbc.com/2024/11/13/amazon-shuts-down-secret-project-to-develop-fertility-tracker.html
CNBCによると、Amazonは過去4年間、「Encore」というプロジェクトの一環として妊孕性モニター装置とスマートフォンアプリの開発に取り組んでいたとのこと。ところが、2024年10月にプロジェクトチームへ解散命令が下り、チームのメンバーがレイオフされたとのことです。
もともと、EncoreはAmazonがBluDiagnosticsというスタートアップを買収したところからスタートしたプロジェクトだと、情報筋は語っています。このスタートアップは、女性が自宅で唾液を検査し、エストラジオールとプロゲステロンという重要なホルモンを測定することで、自分自身で妊娠可能性を追跡できるようにするための機器開発に取り組んでいました。Amazonによる買収後も独自の唾液採取装置の開発が続けられ、さらに生理の症状や性行為などのデータを記録して妊娠の確度を高めるアプリの開発も行っていたとのことです。

2014年、Amazon創業者であり当時CEOだったジェフ・ベゾス氏は、日の目を見るかどうかわからないようなリスクの高い社内プロジェクトを手直しするため、「グランド・チャレンジ」という計画を立ち上げました。グランド・チャレンジは、たとえ途中で資金を浪費したとしても開発に注力すべしという道筋を立てたもので、これによりAlexaを搭載したメガネ「Echo Frames」の開発に成功したともいわれています。Encoreは、グランド・チャレンジの対象となったプロジェクトでした。
Amazon Alexa内蔵のスマート指輪「Echo Loop」やスマート眼鏡「Echo Frames」などAmazon新製品まとめ - GIGAZINE

その他のグランドチャレンジのプロジェクトには、遠隔医療サービス「Amazon Care」や、子ども向けビデオ通話装置、バーチャルツアーサービス、会議用拡張現実ヘッドセットなどがありましたが、これらはすべて中止されました。記事作成時点で残っているプロジェクトはたった1つだけで、関係者によると「医療技術に焦点を当てたもの」だといいます。
Amazonの広報担当者であるマーガレット・キャラハン氏はEncoreの存在とレイオフを認め、およそ100人の従業員がプロジェクトから離れることを明らかにしました。キャラハン氏は「私たちは定期的に事業を見直しています。最近の見直しの結果、グランド・チャレンジ内のEncoreプロジェクトを中止することを決定しました」と述べました。

・関連記事
Amazonが遠隔で診察や健康相談ができるバーチャルクリニック「Amazon Clinic」開設、一方で「Amazon Care」は2022年末に閉鎖 - GIGAZINE
Amazonが1万7000人以上を解雇へ、近年のテクノロジー企業で最多 - GIGAZINE
Amazonが薬局部門とヘルスケア部門で数百人を解雇 - GIGAZINE
Amazonがクラウドサービス「AWS」の実店舗やマーケティング部門で数百人の従業員を解雇 - GIGAZINE
・関連コンテンツ
in Posted by log1p_kr
You can read the machine translated English article Amazon's secret project tracking fer….