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新型フィルムカメラ「PENTAX 17」で2024年の大阪の街並みを良い感じの雰囲気で撮影してみたよレビュー【作例62枚】


PENTAXブランドの新開発フィルムカメラ「PENTAX 17」が2024年7月12日(金)に登場します。PENTAX 17はハーフサイズフォーマットのフィルムカメラで、通常の2倍の枚数の写真を撮影可能。そんなPENTAX 17がGIGAZINE編集部に届いたので、令和に登場した本格フィルムカメラで一体どんな写真を撮影できるのか確かめるべく、写真を大量に撮影してきました。

PENTAX 17 | 製品 | RICOH IMAGING
https://www.ricoh-imaging.co.jp/japan/products/pentax17/

PENTAX 17の外観は以下の記事で詳しくチェック済み。リンクをクリックすると、PENTAX 17のボタン配置や質感などを確認できます。今回はPENTAX 17でどんな写真を撮影できるのか示すために、60枚超えの作例を撮影してきました。

令和に現れた本格フィルムカメラ「PENTAX 17」の外観を細かくチェックしてみた - GIGAZINE


◆FUJIFILM 400
まず、2024年4月に国内導入が発表されたフィルム「FUJIFILM 400」をPENTAX 17に装着して撮影した作例が以下。なお、すべての画像データはカメラのキタムラの現像サービスでデジタルデータ化してもらったもので、リサイズ以外の加工は施していません。また、各作例をクリックすることで、カメラのキタムラから送られてきた原寸大データを確認できます。

道頓堀橋から道頓堀グリコサインを撮影。PENTAX 17は縦構図が基本のカメラで、横向きに構えると以下のような縦長の写真を撮影できます。


戎橋。レトロな雰囲気ですが、道行く人の服装から昔の写真ではないことが読み取れます。


戎橋から道頓堀グリコサインを撮影。


道頓堀グリコサインの対岸は工事中でした。


戎橋を下から撮影。


フィルムカメラはスマートフォンのカメラなどと比べて1枚の写真に収められる明るさの範囲(ダイナミックレンジ)が狭いので、肉眼ではハッキリ見えている場所も黒くつぶれてしまうことがあります。現像するまでどんな写真を撮影できたか分からないので、狙った通りの写真を撮影するには慣れが必要です。


ダイナミックレンジの狭さは、良い方向に働くこともあります。以下の写真では、明暗の差がハッキリすることで道頓堀側と歩道の境界線がクッキリと現れ、全体的に締まった印象に仕上がっています。


影がクッキリ写るのも面白いポイント。


大阪松竹座の正面に掲げられたのぼりを撮影。


かに道楽の大きなかに。


がんこ親父。


串かつだるま。


磯丸水産。ランプのキラキラした感じが表現できています。


くいだおれ太郎がプリントされた看板。


2025年開催予定の大阪・関西万博をアピールするのぼり。なお、1970年に開催された大阪万博はカラーフィルムの普及に一役買ったそうです。


大阪・関西万博のポスターを街中で見かけました。


軒先にビールケースが積まれた居酒屋。


路地。


商店街をサッと撮影するだけでいい感じの雰囲気の写真を記録できます。


お土産屋。


スーツケースが大量に売られている免税店。


これは昭和の写真と言われても信じそうな写真。


工事中のトラックを撮影。PENTAX 17は電池とフィルム込みで実測319gなので、「ずっと手に持って歩き回り、面白い被写体を見つけたら即座に撮影」というスナップ撮影が気軽にできます。


ひっくり返ったごみ箱。


室外機と階段。


自転車。


ここは駐輪禁止。


PENTAX 17のフォーカスはゾーンフォーカスで、ピントの合う範囲を「マクロ(0.24m~0.26m)」「テーブルフォト(0.47m~0.54m)」「至近距離(1.0m~1.4m)」「近距離(1.4m~2.2m)」「中距離(2.1m~5.3m)」「遠距離(5.1m~無限遠)」のいずれかから選択できます。以下のたこ焼きの写真は「テーブルフォト(0.47m~0.54m)」で撮影しました。


「マクロ(0.24m~0.26m)」に設定した状態でたこ焼きに接近して撮影した写真が以下。ピントが大きく外れてしまいました。デジタルカメラと違って撮影結果を即座に確認できないので、何度も撮影して現像して慣れていく必要があります。


駅のホームから線路を撮影。


ホームに入ってくる電車。連写機能は搭載されていないので、良さそうなタイミングを狙ってシャッターを切る必要があります。それが楽しいところでもあります。


これは大阪メトロの車両。


電車に乗って別の街に移動してきました。商店街をレトロな雰囲気で撮影。


車が行き交う道路を高い場所から撮影。


クレープを手に持って撮影。フォーカスは「テーブルフォト(0.47m~0.54m)」で、ピントがバッチリ合いました。


ネパール食堂バルピパル」でカレーを撮影。ここは店内の照明が暗めなので、自動的にフラッシュが点灯し、ライスが白飛びしてしまいました。


夜間の暗めの建物。フィルムの粒状感が出ています。


電話ボックス。夜間でもフラッシュが届く範囲なら明るめに撮影可能。


コインパーキングの脇に設置されていた自動販売機を撮影。


以下の写真は夜間の駅舎とバスターミナルを撮影したものです。肉眼ではバスの色までクッキリ見えていましたが、写真は黒くつぶれてしまいました。スマートフォンのカメラに慣れていると「肉眼と同じくらいか、肉眼よりも明るい写真」を撮影できると思ってしまいますが、フィルムは暗い所にかなり弱いので注意が必要です。


◆Kodak UltraMax 400
ここから先はPENTAX 17に「Kodak UltraMax 400」を装着して撮影した写真です。

まず、地下鉄構内に設置されていた大阪メトロの路線図を撮影。


車両がホームに入ってくる様子を撮影。あまり明るくないため、行き先表示板が目立つ仕上がりになりました。


停車する車両とホームを行き交う人。


ちょっと上から撮影。


地下鉄の階段。


ライトが青っぽく写り、粒状感もある「これぞフィルム写真」という感じの写真。


駅構内にも万博のポスター。


大阪市役所周辺の車道。


川の中にある飲食店「かき広」。


大阪市役所正面玄関前に寝そべるミャクミャク。


別の方向からも撮影。


通天閣も撮影したいので、動物園前駅まで移動してきました。これは地下から地上に続く階段です。


SPAWORLD HOTEL&RESORTの入口付近に置かれていた三角コーン。


待機中のベビーカー。


通天閣が見えるところまで歩いてきました。


通天閣は2023年のリニューアルで看板部分がLEDビジョンに変更され、日本語だけでなく英語や中国語で「社会イノベーションの日立」と表示されるようになりました。


通天閣のLEDビジョンはカラー表示も可能で、以下の写真ではミャクミャクがカラー表示されています。


新世界のデカい看板付きの店。


新世界市場。


通天閣展望台入り口。通天閣の影の部分が黒くなっており、「大きな構造物の下にいる感じ」が伝わってきます。


通天閣を北側から撮影。


これは通天閣と「通天閣本通」の文字が同時に写るように狙った写真ですが、通天閣の上部に街灯が重なってしまいました。PENTAX 17はデジタルカメラと違ってファインダーの視野がそのまま写真に反映されるわけではないので、構図のバシッと決まった写真を撮影するには慣れが必要です。


◆まとめ
PENTAX 17には自動露出機能が搭載されており、明るい屋外や照明の効いた屋内ならサッと構えて気軽に写真を撮影可能。また、現像して完成した写真には「フィルム特有の粒状感」や「いかにもフィルムっぽいレトロ感」が現れるのも魅力。さらに、ハーフサイズフォーマットなのでフィルムの規定枚数の2倍を撮影可能という経済的メリットもあります。一方で、「暗い環境では、想像以上に暗く写る」「暗めの飲食店などでフラッシュが発光してしまう」といった気を付ける必要があるポイントもあります。

PENTAX 17の大きな魅力は、「フィルムを現像するまでどんな写真を撮影できたか分からない」という点です。一見するとデメリットにも思えますが、現像に出して写真が出来上がった際に「色合いがちょうどいい感じになったな」「こんな構図で撮影できていたのか」といったように1枚1枚の写真との一期一会の感覚を得られるのは非常に楽しい体験です。これをメリットと感じられる人にとっては、PENTAX 17は難しいことを考えずに使える本格フィルムカメラとしてかなりオススメできます。


なお、PENTAX 17の希望小売価格は税別10万7000円で2024年7月12日(金)に発売予定です。PENTAXストア楽天市場店では税込8万1541円で取り扱われていますが、記事作成時点では在庫切れの状態です。

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in Posted by log1o_hf

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