海底地形図制作プロジェクト「Seabed 2030」の進捗は6年かけて25%に到達
人類がまだ持っていない海底の完全な地形図を制作するプロジェクト「Seabed 2030」の進捗が、ここまでの6年で25%相当であることがわかりました。名前にもあるように目標は2030年完成でしたが、スケジュールの達成はかなり難しそうです。
Home — Seabed 2030
https://seabed2030.org/
New Seafloor Map Only 25% Done, with 6 Years to Go - Eos
https://eos.org/articles/new-seafloor-map-only-25-done-with-6-years-to-go
Seabed 2030は、「人類は地球についての完全な地図を持っていないので、地球を完全に理解できていない」として、海底地図を作ろうというプロジェクトです。
プロジェクトは、2017年にニューヨークで開催された国連海洋会議において日本財団の笹川陽平会長によって発表されました。
Seabed 2030の始動を世界に宣言 | 日本財団
https://www.nippon-foundation.or.jp/who/news/pr/2017/20170607-22738.html
プロジェクトディレクターのジェイミー・マクマイケル=フィリップス氏は「海底地形図を使うと、海洋空間の利用方法や資源管理、津波の脅威などについての理解度が向上します。本質的に、我々は知らないことを管理することはできませんから」と述べました。
「人類は海底よりも火星の表面のことをよく知っている」とすら表現される海底ですが、Seabed 2030のパートナーであるシュミット海洋研究所が2024年1月に高さ2681mのものを含む海山4つを発見するなどの成果が上がっています。
ただ、その範囲は初年度に6%、2023年時点で24.9%。プロジェクトの目標を達成するためには、残り約6年で75%の海底をマッピングする必要がありますが、世界の海の大半は水深3200mより深く、北極や南極付近では恒久的に氷に覆われているなどの課題があります。
マクマイケル=フィリップス氏は「残っている課題の大きさは認識しており、2030年までに仕事を完了するためにグローバルコミュニティと協力しています。しかし、我々はプロジェクト開始時の6%と比べて、完全にマッピングされた惑星へと近づいていることを知っています」とコメントしています。
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