サイエンス

「オウムがもっと快適にタブレットを使えるようにする方法」を真剣に考える研究者がいる


オウムは非常に賢い鳥として知られており、道具の使い方や作り方を仲間から学習できることや、確率の概念を理解できること、さらにタブレットやスマートフォンでビデオ通話をかけて他の個体と交流できることなどがわかっています。ノースイースタン大学のレベッカ・クラインバーガー准教授らは、「オウムがより快適にタブレットを使えるようにする」ための研究を行っているとのことです。

No More Angry Birds: Investigating Touchscreen Ergonomics to Improve Tablet-Based Enrichment for Parrots - DRS
https://repository.library.northeastern.edu/files/neu:h989sd115


Parrots Love Tablet Games. How Do They Play Them?
https://news.northeastern.edu/2024/03/20/parrots-playing-tablet-games/

人間にとってスマートフォンやタブレットのタッチスクリーンを搭載したデバイスは身近なものですが、近年ではイヌやシャチ、オウムなどの動物がタッチスクリーンを扱う可能性にも注目が集まっています。


クラインバーガー氏らの研究チームは2023年の研究で、オウムのグループにタブレットやスマートフォンでビデオ通話をかける方法を教えたところ、オウムが定期的に他の個体とビデオ通話をするようになることを発見しました。オウムは画面の向こうに自分とは異なる相手がいることを明確に理解していたそうで、飼い主は「相手の個体から鳴き声や飛び方などのスキルを教わった」「オウムが以前より元気になった」といったポジティブな結果を報告をしています。

オウムはビデオ通話を学習し通話相手のオウムからスキルを習得したり幸福度を向上したりすることが最新の研究で明らかに - GIGAZINE


そこでクラインバーガー氏らは、オウムがどのようにタブレットを操作するのかを理解し、オウムにとってより快適なタブレットを構築するためのフレームワークを確立するための研究を行いました。研究チームは、ペットとして飼育されている20羽のオウムにタブレットでゲームをプレイさせて、タッチスクリーンとの触覚相互作用のデータを収集したとのこと。オウムの種類はホオミドリアカオウロコインコのように比較的小さな種から、スミレコンゴウインコのように大きな種までさまざまであり、全個体が過去にタッチスクリーンを操作した経験があったそうです。

オウムの飼い主にはSamsung製タブレットが支給され、オウムに「画面上のさまざまな場所に表示されるターゲットをタップするゲーム」の遊び方を教えました。オウムは1日あたり30分未満の短いセッションで3カ月間にわたってゲームをプレイし、実験に参加した20羽のうち17羽が最後まで実験を完了したとのこと。

一体どのようにオウムがタブレットでゲームをプレイしているのかは、以下の動画を見るとよくわかります。

No More Angry Birds! - Toward better touchscreen interfaces for parrots - CHI24 - YouTube


タブレットの前に立っているオウム。


スクリーンに赤い円が表示されているのに気がつくと、舌で円をペロッと触りました。


舌がスクリーンにタッチしたと判定されると円の場所が移動します。


研究チームはこのゲームを通じて、オウムのプレイ精度やタップする頻度、タッチする際の圧力といった触覚的要素に関するデータを収集しました。オウムは舌を使ってタッチするため、人間の目よりもはるかにスクリーンに近づきます。そのため、オウムはタッチする際の精度が全体的に低く、より大きいターゲットの方が正確にタッチしやすいことや、小型のオウムよりも大型のオウムの方が操作がうまいことなどがわかりました。


他にも、スクリーンに触った舌がそのまま移動してドラッグしやすいこと、人間の指よりも圧力が小さいこと、舌が乾燥しているため反応しにくいこと、高速で舌を動かして数ミリ秒ごとに40回以上も連続で画面をタップすることもあるなど、人間とは異なるオウム特有の操作の癖が判明しました。


研究チームはリアルタイムで人間工学ならぬ「オウム工学」に基づいた調整を行い、アプリのインターフェースをオウムの操作に最適化した結果、オウムがゲームをプレイする際のフラストレーションが軽減されたとのこと。クラインバーガー氏は、「これは動物の体を研究することで、動物に力を与えるための新しいインターフェース設計に役立てることができることを示す良い例です」と述べました。


研究終了後の調査では、飼い主らは一連の経験がオウムにとってプラスなものであり、経験に参加できてよかったという回答が得られたとのこと。

クラインバーガー氏は、「認知機能の強化はオウムの健康と幸福にとって重要な要素であり、タブレットゲームは認知機能を増進する方法のひとつです。鳥類のためのアプリとユニークなタッチスクリーン技術を設計することで、この形式の認知機能増進がより身近なものとなります」とコメントしています。

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in ハードウェア,   サイエンス,   生き物,   動画, Posted by log1h_ik

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