レビュー

ハマった時の快感が心地よくてついつい何度もプレイしたくなるポーカー+ローグライクで濃厚デッキビルディングと化すゲーム「Balatro」プレイレビュー


「ツーペアが出たら○○点」「フルハウスだと○○点」などと定められた枠組みの中で、特殊な能力を持ったジョーカーやトランプを集めまくって高得点を狙っていくゲームが「Balatro」です。引くカード次第でポイントが何倍にも何十倍にも増えていく快感を味わえるこのゲームを実際にプレイしてみました。

Steam:Balatro
https://store.steampowered.com/app/2379780/Balatro/?l=japanese

「Balatro」は最初にデッキを選ぶところから始まります。今回は、カードを捨てるアクション「ディスカード」が+1されたレッドデッキを選択。


デッキを選んだ後は「ブラインド」を選びます。Balatroでは「スモールブラインド」「ビッグブラインド」「ボスブラインド」という順番に並ぶ3つのブラインドが「1アンティ」としてひとくくりにされていて、合計8アンティをクリアすれば勝利となります。


まずはスモールブラインドでスタート。52枚のデッキからランダムに8枚の手札が引かれます。


プレイヤーは手札から最大5枚を選んで場に出します。「最大5枚」なので4枚以下でもOK。今回はQを2枚選んで「ハンドをプレイ」を選択します。これでQが場に2枚出され、「ワンペア」が成立します。


Balatroではポーカーハンド(役)ごとにベースとなるスコアが設定されています。ポーカーハンドの作り方やスコアはゲーム中に「ラン情報」をクリックすることでいつでも確認可能。今回出したワンペアだとスコアは「10×2」ですが、これは「10チップ×倍率2の最低スコアが保証される」という意味です。


ベースのスコアに加え、カードからはそれぞれ「チップ」を獲得できます。数字の2~10は数字と同じ分だけ、フェイスカードのJ・Q・Kは10チップ、Aは11チップといった具合。


今回のようにQを2枚出してワンペアを作ると、ベースとなる「10チップ×倍率2」に2枚のQから獲得した20チップが加算され、合計スコアは「30チップ×倍率2」の60ポイントとなります。ポイントの計算が終わったら、出したカードは廃棄されます。


その後、手札が9枚になるようにトランプがデッキからドローされます。


ドローされたトランプが気に入らなければ、手札から最大5枚のカードを選択して「ディスカード」することも可能です。ディスカードして減った分は新たにデッキから補充され、手札は常に8枚になります。


ゲームの基本的な流れは以上。ハンドをプレイできる残り回数の中で、ブラインドごとに定められた「最低スコア」を上回るポイントを獲得すれば勝利です。


勝利するとお金がもらえます。お金はショップで使用可能。清算後、すぐショップに突入します。


これがBalatroの一番のお楽しみ要素「ショップ」です。ここではカードの能力を上げるパッシブアイテムなどを買うことが可能。パッシブアイテムには、ジョーカーやタロットカード、惑星カードなどいくつかの種類があります。


以下が「ジョーカー」。ジョーカーはプレイスタイルを左右する強力なカードで、「ポーカーハンドにハートがあればハートの倍率+4」「ブラインド終了時に4ドル獲得」などの効果を持ったものが存在します。


ジョーカーを購入すると、5枚まで入れられる「ジョーカー枠」に入ります。入ったジョーカーは、何らかの効果で消されるか、自分で売却しない限り、ジョーカー枠から消えることはありません。


以下が「バウチャーカード」です。購入すると、「ハンド数+1」などの効果がゲーム終了時まで適用されます。


他には「ラウンドごとに永久的にディスカード+1を得る」などのバウチャーカードがあります。


これが「惑星カード」。ポーカーハンドのレベルを上げ、ベースとなるチップと倍率を増やす効果があります。


「ワンペア」のレベルを上げてみると、「10チップ×倍率2」だったワンペアのベーススコアが「25チップ×倍率3」に強化されました。


買い物を終えたら次のブラインドを選択します。


ブラインドが変わっても最低スコアが増えただけでやることは変わりません。ですが、ショップで「ジョーカー」を手に入れたことで、スコアをかなり獲得しやすくなりました。


今回は「ポーカーハンドにハートがあればハートの倍率+4」というジョーカーを持っていたので、ジョーカーを生かすべくハートのフラッシュを作ってみました。


ジョーカーがある場合にハートのフラッシュがどんな風に計算されるのかは以下の動画を見ればわかります。

ポーカーにローグライク要素を加えた「Balatro」で点数を爆上げするジョーカーが働く様子 - YouTube


まずは「ハートのA」から11チップを獲得して足されます。


次に「ハートのA」にジョーカーが働き、倍率が4増加。


「9」から9チップを獲得。


またまたジョーカーにより倍率+4。これが5枚分続き、『4+4+4+4+4』=『20』となって倍率部分に加算されます。


フラッシュを一組作っただけで、69チップ×倍率24の合計1656ポイントを獲得することができました。これで「ジョーカーが強力」だという理由がわかるはず。


ブラインドが終わると再びショップに突入。この後も「ブラインド」→「ショップ」→「ブラインド」の順番でゲームが進んでいきます。今回は「タロットカード」が入った「アルカナパック」が売られていたのでこれを買ってみます。


タロットカードは「3枚までを選んでスペードに変える」「選んだカードの数字を1上げる」といった、トランプを強化する効果を持つ消費カードです。


今回はタロットカード3枚から1枚を選べるパックを開けたのですが、どれもあまり強くないと感じたため、「ランダムなタロットカードを最大2枚作る」というタロットカードを使用しました。


作られたカードは、2枚まで入れられる「消耗カード」枠に入ります。今回のようにパックを開封すると「今使う」ことしかできませんが、消耗カード枠に入ったカードは好きなタイミングで使用することが可能なので便利。作られたカードのほか、ショップで買った惑星カードやタロットカードも消耗カード枠に入ります。


続いてはボスブラインドです。ボスブラインドだけは特殊な能力を持っており、プレイヤーにとって不利な条件を課してきます。今回のボスは「すべてのハートカードにデバフがかかる」という能力でした。


「デバフ」がかかったカードはポイントとして加算されません。例えば以下のようにハートを含む6~10のカードを出した場合、ストレートとしては成立するものの、スペードの10から10チップを獲得できる一方で、ハートの9と7からはチップが獲得できなくなっています。さらに先ほど購入したジョーカーも「ハートにだけ有効」という効果だったため、ハートにデバフがかかった今回のブラインドでは不発に終わります。


ボスブラインドで勝利すればアンティをクリア。次のアンティへと進みます。8アンティ目のボスブラインドで勝利すればゲームクリアです。


ちなみにブラインドと店をまるごとスキップして次のブラインドへ進むことも可能。スキップしたときに「タグ」と呼ばれる一時的なバフ効果を得ることができますが、店をスキップするメリットはあまりないのでよほどのことがない限りオススメしません。例えば「カードを使えば使うほどジョーカーが出すチップが減る」といったジョーカーを持っているときなどは、カードの使用機会を減らすためにあと実際にかなり有用だったのは次回ショップでカードパックなどすべてを無料化するというもの。お金が手元にあまりない状態で、なおかつパックを開ければ開けるほど倍率強化されるジョーカーをもっている場合であれば、一気に強化できました。


ジョーカーはゲームチェンジャーと言えるほど超強力なカードですが、記事作成時点で100種類以上もあってショップにもランダムに並ぶため、「ジョーカーが出るまで待つ」ではなく「出たジョーカーでデッキを組む」という戦法を取るのがベストです。


ひとくちにジョーカーといっても実にさまざまな種類があるため戦略はかなり多めです。例えば「フェイスカードがあればチップ追加」と「フェイスカードがあれば倍率増加」といったジョーカーがあり、これを取れればフェイスカードを出すだけでかなりのスコアを稼ぐことができます。


さらに悪魔的なのは「すべてのカードをフェイスカードとみなす」なんてカードもあったりするので、「どれを出してもフェイスカードになってすべてのカードのチップと倍率が爆増して……」みたいなハイパーインフレが起こることも。


ただし、ジョーカーは基本的に5枚しか獲得できないので、カードを強化する「タロットカード」やポーカーハンドを強化する「惑星カード」でハンドで出す役自体のパワーを底上げするのも重要。たとえば「スーツを別のスーツに変える」というタロットカードや「カードを2枚まで破壊する」というタロットカードをうまく使いまくると、以下のようにダイヤだけが爆増したデッキを作ることも可能。これに「フラッシュを作るとチップ獲得」などのジョーカーを組み合わせるとスコアが爆増するのは目に見えています。


ジョーカーをうまく活用できたゲームをひとつピックアップしました。これは「ブラインドが選択されたとき、倍率×0.5を得てランダムなジョーカーを破壊する」というジョーカー「マッドネス」を得たときのゲームです。ゲームのスピードを4倍速に変更済み。

トランプを使ったローグライクゲーム「Balatro」でたった1枚のジョーカーが暴れ回るとこうなる - YouTube


このときは序盤にマッドネスを獲得したので、マッドネス以外のジョーカーは一切買わずにゲームを進行しました。するとマッドネスは破壊する他のカードがないので何も破壊することなくひたすら自身の倍率に0.5を加え続け、最終的に倍率12倍にまで進化。そのままだと106×22=2332の出力しかなかったフラッシュを106×264=2万7984のスコアに爆上げするなど暴れ回りました。


とはいえこれほどうまく戦略がハマるのはレアで、敗北なしに合計8アンティを戦い抜くのは至難の業。おそらくほとんどの試合で辛酸をなめることになるはずです。カチッとハマれば爆益を得られる可能性を秘めながら、そこまで至る道のりがとても険しいというニクいバランスのBalatroは、ハマった時の快感が心地よくてついつい何度もプレイしたくなるゲームでした。

BalatroはSteamにて税込1700円で販売されています。

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