Google検索のSEOスパム汚染は印象ではなく本当に悪化していることが研究で明らかに
GoogleやBingなどの検索エンジンでガジェットやコンテンツのレビューを調べようと思った時、上位に表示されるウェブサイトがSEO(検索エンジン最適化)対策を行ったアフィリエイト目的のものばかりで、有益なウェブサイトが見つけにくくなっていると感じたことがある人もいるはず。ドイツの研究チームが1年間にわたりGoogle・Bing・DuckDuckGoなどの検索エンジンを調査した結果、これらの検索エンジンは印象論ではなく実際にSEOスパムに汚染されていることが明らかになりました。
Is Google Getting Worse? A Longitudinal Investigation of SEO Spam in Search Engines.pdf
https://downloads.webis.de/publications/papers/bevendorff_2024a.pdf
Google Search Really Has Gotten Worse, Researchers Find
https://www.404media.co/google-search-really-has-gotten-worse-researchers-find/
PCやスマートフォンなどのガジェットを購入しようとする前に、ブラウザで製品名を検索してネットユーザーのレビューを読み、購入に値するかどうか検討している人もいるはず。しかし、これらのレビューがSEO対策を万全に施したアフィリエイト目的のものだった場合、レビューの信ぴょう性に疑問が生じます。
近年は「Googleなどの検索エンジンがSEOスパムに汚染されている」という声が強まっており、大手ニュースサイトのThe Vergeは2023年11月の記事で「SEOにより検索の有用性が悪化した」と主張しました。
「SEOがGoogle検索を破壊してゴミに変えた」と大手ニュースサイトが主張しGoogleやSEO業界から猛反論を受ける - GIGAZINE
ドイツのライプツィヒ大学やバウハウス大学ヴァイマルなどの研究チームは、7392個もの製品レビュー用語の検索結果をGoogle・Bing・DuckDuckGoで1年間にわたり追跡し、「Google検索は本当に悪化しているのか?」という疑問を調査しました。
その結果、検索エンジンの結果画面に表示される上位の製品レビューサイトは、SEOに最適化されたアフィリエイト目的のものが多いことが判明。研究チームは、「上位のページは平均よりもSEOに最適化され、アフィリエイトマーケティングで収益化されており、テキストの質が低い兆候がみられます」「ウェブ上の製品レビューでアフィリエイトマーケティングが使われているのはほんの一部ですが、検索結果の大部分ではアフィリエイトマーケティングが使われています」と指摘しています。
また、スパムサイトは検索結果ランキングを巡り、Googleをはじめとする検索エンジンと絶え間ない争いを繰り広げているとのこと。スパムサイトは定期的にSEOシステムを悪用し、検索結果画面の上位に表示されるようにしているものの、検索エンジン側がSEOスパムへの対策を行って再びスパムサイトのランキングが落ちるという状態が繰り返されているそうです。
研究チームは、「SEOは絶え間ない争いであり、検索エンジンとSEOエンジニアが交互にパラメータを調整するため、レビュースパムが検索結果に出入りするパターンが繰り返されています」と述べています。Google・Bing・DuckDuckGoはいずれも定期的にアルゴリズムを微調整し、完全なスパムのコンテンツを削除していますが、全体としてこれは「一時的なプラスの効果」しかもたらさないとのこと。
Google・Bing・DuckDuckGoはすべてSEOスパムに関する同様の問題を抱えていますが、研究者の測定では、多くの場合でGoogleはBingやDuckDuckGoよりも優れたパフォーマンスを発揮したと報告されています。研究チームは、「実際、アフィリエイトやスパムの量に関しては、実験開始以来Googleの検索結果はある程度改善されているようです」と述べています。
また、AIを使用するスパムサイトの出現により、検索エンジンのランキング争いがさらに悪化する可能性が高いとのこと。研究チームは、「良心的なコンテンツと、コンテンツファームやリンクファームの形をしたスパムの境界線がますます曖昧になり、この状況は生成AIの登場によって確実に悪化します。私たちは、低品質で大量生産された商業コンテンツの形をした動的な敵対的スパムは、もっと注目されるべきだと結論付けています」と主張しました。
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