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Google創業者は最初から「広告を検索に入れると品質が悪化する」と言っていた


1998年にセルゲイ・ブリンラリー・ペイジによってページランクという概念が発表されて以降、ページランクを用いたGoogleが誕生し、私たちのウェブの活用法は大きく変化しました。しかし時間が経過するにつれて、広告が表示されることが一般的になり、検索の質が悪化しているとKagiの最高経営責任者であるウラジミール・プレロヴァチ氏は指摘するとともに新たなインターネットの検索システムについて解説しています。

The Anatomy of a Large-Scale Hypertextual Web Search Engine
(PDFファイル)http://infolab.stanford.edu/pub/papers/google.pdf

The Age of PageRank is Over | Kagi Blog
https://blog.kagi.com/age-pagerank-over

「ページランク」は、ウェブサイト同士のつながりを分析して検索結果をランク付け検索結果をランク付けしたもの。このシステムによってウェブサイトの人気度や重要度を検索結果に反映させることが可能となり、多くの注目が集まるような質の高いウェブサイトが検索ランキングの上位に表示され、検索した際に適切な結果を提供することができる画期的なものでした。

しかし数年後にはページランクの検索結果に広告が優先的に表示されるようになり、当初よりも検索の質が低下したとされています。また、優先的に表示される広告がウェブの主要なビジネスモデルになった結果、広告付きのウェブサイトは収益を得るためにあらゆることを行いました。「できるだけ多くの広告やアフィリエイトのリンクをページに詰め込む」「45秒ごとに動画広告を流す」「多くのユーザーのデータを収集する」などが例とされています。


実はブリン氏とペイジ氏は1998年の論文発表の時点で「検索結果に広告を表示すると品質が悪化する」と指摘していました。当時の商用検索エンジンの仕組みは広告を優先して表示しており、両者は「必ずしもユーザーに質の高い検索を提供することにはつながりません」と批判しています。しかしその危険性を痛感していたにもかかわらず、ページランクを取り入れたGoogleでも検索結果に広告が優先して表示されるようになりました。

その結果、現在ではどの検索エンジンでも広告収入を得ることを目的とした大手のウェブサイトが検索結果の上位に表示され、小規模なサイトやアマチュアのブログは上位に表示されないとのこと。今日のウェブの目的についてプレロヴァチ氏は「どれだけユーザーの喉に広告を押し込めるか」と指摘しているとともに、「ウェブ上で最高のページを見つけるためのモデルとしてのページランクの時代は終わり、完全に広告に支配されています」と批判しています。また、広告中心の検索結果が表示されるとユーザーは間違いや誤解のない正確なウェブサイトを検索することに時間を浪費するとされています。

この広告ベースのビジネスモデルはデジタル社会にとって不健全であると考えたプレロヴァチ氏は「Kagi」を設立し、ユーザーとそのニーズを中心に据えた従来と根本的に異なるウェブの見方を提供しようと試みているそう。


未来のインターネット検索は、誰もが同じ検索エンジンを共有するのではなく、個人でカスタマイズできるAIをはじめとする検索プロダクトを持つようになり、その結果現在のような広告による搾取的なインターネットではなく、素晴らしいツールとしての可能性を最大限に発揮できるようになるとプレロヴァチ氏は推測しています。

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in ソフトウェア, Posted by log1r_ut

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