手術前の検査中に偶然中国人男性の体内でうごめく寄生虫が発見され動画に捉えられる
手術を予定していた70歳の中国人男性の検査中に、医師らが予想していなかった寄生虫の存在が判明したとの症例が報告されました。なお、この記事には寄生虫の動画および画像が掲載されているので、苦手な人が閲覧する際は注意してください。
Clonorchis sinensis Liver Flukes | NEJM
https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMicm2304237
Watch parasitic worms get pulled from man's abdomen after surprise discovery during routine surgery | Live Science
https://www.livescience.com/health/viruses-infections-disease/watch-parasitic-worms-get-pulled-from-mans-abdomen-after-surprise-discovery-during-routine-surgery
Revolting video shows FIVE wiggly parasitic worms trapped inside a 70 year-old man's abdomen | Daily Mail Online
https://www.dailymail.co.uk/health/article-12907029/parasitic-worm-inside-man-parasite.html
今回報告された症例は、結腸がんを除去する手術を受ける予定だった70歳の男性の腹部を小型カメラで検査したところ、胆道で5匹の寄生虫が動いているのを見つけたというものです。
A 70-year-old man undergoing cholangioscopy to evaluate dilatation of the common bile duct was found to have flatworms in his biliary tract (shown in a video). Read the full clinical case: https://t.co/OK4X48EOne pic.twitter.com/lbSTv5jaqZ
— NEJM (@NEJM) December 30, 2023
発見された寄生虫は、一般的に肝吸虫と呼ばれている寄生虫のClonorchis sinensisでした。
摘出された肝吸虫の虫体は茶色で、平たい形状をしています。肝吸虫を発見した中国広東省・中山大学第一附属病院の医師らは、この症例を2023年12月23日付けの医学雑誌・The New England Journal of Medicineで報告しました。
肝吸虫は全世界で6億人が感染の危険にさらされていると推定されている寄生虫で、生息する地域の淡水魚やエビを生食もしくは加熱が不十分な状態で食べるというのが一般的な感染経路です。
魚などの中間宿主から人間の消化器に入ると、肝吸虫の幼虫が小腸内でシストと呼ばれる袋から出て胆道に進み、そこから肝臓や胆のうに寄生します。数が少ない場合は無症状ですが、肝吸虫の数が増えると腹痛や頭痛、めまいなどの症状を引き起こします。さらに治療せずに放置すると、肝吸虫は時には30年も生き続け、肝臓肥大や栄養失調などの深刻な症状につながります。
一般的なケースでは、患者の便から寄生虫の卵が発見されることで肝吸虫に感染したことが判明しますが、この患者からは卵が発見されていなかったとのこと。男性はがんの腫瘍と胆のうを摘出する手術を受ける予定で、そのために事前に受けていた胆道内視鏡検査で肝吸虫が発見されました。
寄生虫を摘出された男性はその後、虫下しをするための抗寄生虫薬を処方され、がん治療のための化学療法が開始されたとのことです。
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