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Valveが長年黙認してきたファンプロジェクト「Portal 64」と「Team Fortress: Source 2」に中止を求める


ゲーム販売プラットフォーム「Steam」を運営するValveが、これまで容認していたファンコミュニティに対して著作権侵害の申し立て(DMCAに基づく異議申し立て通知)を行ったことがわかりました。

After years of supporting mods and fan games, Valve takes action against Team Fortress and Portal fan projects | GamesRadar+
https://www.gamesradar.com/after-years-of-supporting-mods-and-fan-games-valve-takes-action-against-team-fortress-and-portal-fan-projects/

Valveからの通知を受け取ったのは、2007年にValveから発売されたゲーム「Team Fortress 2(TF2)」を新しいゲームエンジンに対応させようと試みていたファンコミュニティ「Team Fortress:Source 2」です。同組織は使用しているツールの仕様変更に対応できず2023年9月頃から活動を休止していたのですが、今回ValveからDMCA通知を受け取ったことで、ついに活動に終止符を打たれてしまいました。

Team Fortress:Source 2によると、DMCA通知には「ValveのゲームであるTF2のアセットが許可なく流用されており、ライセンスなしで不正にValveの資産を配布することは知的財産の侵害に当たる」と書かれていて、これは完全に正当な言い分だとのことです。


もうひとつのコミュニティ「Portal 64」も活動停止を余儀なくされました。Portal 64は、これまたValveのゲーム「Portal」をNINTENDO64で動くように移植するコミュニティで、開発者のジェームズ・ランバート氏は何年も前からこのプロジェクトに取り組んでいましたが、2023年12月に最初のプレイアブルデモを公開したことで一躍有名になりました。

このPortal 64も、Valveからの申し立てを受けて中止されることとなりました。正確には正式なDMCA通知が送られたわけではないとのことで、ランバート氏は「プロジェクトの将来についてValveと連絡を取り合っています」と述べた上で、「このプロジェクトは任天堂独自のライブラリに依存しているため、Valveは私にプロジェクトを停止するよう要請してきました。幸先はよくありません」と続け、Valveというより任天堂に配慮した措置であることを示唆しました。


ゲーム系メディアのGamersRaderによると、Valveはニンテンドー ゲームキューブやWiiのエミュレーター「Dolphin」を「独自のキーが含まれている可能性がある」としてSteamから削除した前例があるそうです。このケースは任天堂が直接アクションを起こしたわけではなく、Valveが任天堂に配慮して行動しただけだったようで、GamersRaderは「今回も同じではないか」と推察しました。

Valveはファンコミュニティによる二次創作に比較的寛容で、「Portal 2」のMOD「Portal:Revolution」には専用のストアページを与えているほど。「Half-Life」のファンメイドリメイク作品「Black Mesa」は有償販売すら許可しています。今回の一件を受け、GamersRaderは「アマチュアの開発者の中には、次のファンプロジェクトを始める前に考え直す人が出てくるかもしれません」と指摘しました。

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in ゲーム, Posted by log1p_kr

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